排除の理由
朝日新聞が「排除の理由」という記事を連載し始めました。第一回の4/28号は、1面と社会面を大きく割いて論じていました。
私は、この記事に賛成できません。
浦和レッズのサポーター「ウラワボーイズ・スネーク」の人種差別的貼り紙と、「浅草の老舗天麩羅屋」を同列に「差別」と断定しているからです。
私は勿論人種差別に反対しますが、「浅草の老舗天麩羅屋」が入り口に「Japanese Only」と貼り紙していた意図は全く違います。
表現はたしかにマズかったと思いますが、店主の真の意図は、
マナーが悪い客は店に入らないで貰いたい、
ということです。
あるアジアの大国から来る団体客のマナーが悪いことは間違いない事実で、浅草で飲食店主が集まれば、必ずこの話題になります。
彼らに悪気があるわけではなく、自分の国で振る舞っているのと同じに振る舞っているだけなのですが、それが日本人の常識とは合わないのです。
私達は他所の土地に行けば、この場所には、この場所のルールが在るに違いないと考えて、なんとか合わせようと努力しますが、彼の国には、そう考えない人が多いようです。
実際に先に待っている人を勝手に追い抜いてしまったりします。
団体がイヤなら、最初からそういう予約は断れば良いのでは?と思う方もおいででしょう。しかし彼らは予約を断ってもフリーで大勢でやって来ます。ツアコンの一人だけが順番獲りをして、「18ニンね!おネガイシマス!」と言って来ます。
いきなり18人は困りますよ。それに18人なら18人全員が並んでくれないとダメですよ、とこちらが申しますと、日本語が分からないフリをして、
18ニンね!18ニン!
ですから店側としては実に困るわけです。
店にはマナーの悪い客を断る権利があります。これは基本的人権のごときものです。
しかし、まあ、その表現が
Japanese Onlyだったのは、なんともマズかったですねえ。
ご主人は、今度から「Japanese Language Only」にするよ。差別のつもりはないよ、と新聞記者に語ったそうですが、これではマナーの良い多数の外人さんを断る結果になってしまいます。
誰かに相談すれば良いのに!
と思います。
マナーの悪い客を断るのは差別ではありません。
大変面倒ですが店内のルールを書いた紙を用意し、さらにそこに、もし違反したら出て行って貰うぞと明記して配るとか、商店連合会や料飲組合に相談してくれれば、既に色々ノウハウは在ったのですけど、天麩羅屋さんは怒りにまかせて、やってしまったのでしょう。
そして、それをおそらく内心百も承知でありながら、大手新聞の1面に載せた、というところに私は「違う意図」を感じるのです。天麩羅屋の件を利用してやろう、という意図を感じます。
だいたい、朝日さんという750万部を発行する大手メデイアが、一商店主に攻撃を仕掛ける、ということは公平性の観点でも良くありません。相手は力を持った政治家や官僚ではないのです。
闘う相手を全く間違えていて、不公平だと思います。
今後はこうした悪意の応酬が浅草に及んで来ませんように。
南無観世音菩薩。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。