ピザブラック
うーん、エンケンさん、大胆ですねえ、そのCM。
大胆を通り越して、大丈夫なのかなあ?!と思ってしまいますよ。
エンケンこと遠藤憲一さんには、このブログの2012.11.3号に書きました通り、雑誌『東京カレンダー』の取材で一昨年の冬に弊店へお越しいただいたことがあります。「色気漂う大人の町歩き本」というタイトルの通り、色気を漂わせてすき焼きを召し上がっていただきました。
弊店で撮った写真が本の表紙に成って嬉しく思いましたが、そのエンケンさんが今出ているCMがとても大胆です。
そう、ピザ宅配のP-la社のCMのことです。
そのCMにはP-laさんの同業でブラックなピザ屋が登場します。社名もそのまんま「ピザブラック」という社名でエンケンさんは、その会社の社長なのです。
「ピザブラック」社は「とにかく材料テキトー、調理もテキトー、クレームが来たらスルーという利益追求を第一としているピザ会社」という設定。
いやはや、同業他社をブラックと表現するとは!それもテレビCMの中で。
今までも外食産業をブラックと表現することはありましたが、それは労働者の立場から言うことがほとんどで、同業をブラックとは言いませんでしたね。
私なども、このブログで外食産業を批判することはありましたが、さすがにブラックとまでは書きませんでした、小心者なんで。
それに「ピザブラック」社のエンケン社長の部下たちは、なんだか楽しそうに働いていて、ちっとも疲弊していません。これまで言われて来たブラック企業と少し違うような・・・
そんな大胆な役どころにエンケンさんを起用したのは、たしかにバッチリのキャステイングとは思いますが、そんな所に感心してはいけません。
広告主のP-laさんは、自社がホワイトであることに余程の地震がある、イヤ自信があるのですねえ。
うっかりするとブラック批判が、方向を変えて自社に向かって来かねませんから、小心者の私には、そういうことは言えません。
たしか東京の大雪の日にも営業を強行なさって、危険な雪道にカートを発進させておいででしたけど、あれってブラ・・・いや、あんまり良いことじゃないと思うんですよね、私は。
ともあれ、あのCM、私なんかには到底出来ない芸当です。
追伸
ムック本『江戸っ子に学ぶ! 浅草本』に載せていただきました。ありがとうございます。
「枻(えい)出版社」刊行、エイムック2855。
<内容>浅草寺を中心に発展してきた“浅草”は、江戸の文化と今が混在する街で、歴史とグルメと情緒を肌で感じる場所がそこかしこにあります。100年、200年と続く老舗のうなぎ、どぜう、そば、天ぷら、すき焼など和のお店をはじめ、絶妙の味を伝える洋食屋さんや女性にとって嬉しい甘味処など目白押しです。いっぽう、かっぱ橋周辺に足を伸ばせば、木札や手ぬぐい、櫛といった職人の技が織りなす伝統の工芸品に出会うことができます。そこで本書は、浅草をまるごと楽しむために「食・技・遊・祭」の4つを徹底的に紹介しました。また巻頭では、浅草在住のたいとう観光大使をつとめる、なぎら健壱さんといとうせいこうさんに登場をいただき、浅草の魅力を語っていただきました。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。