困った英会話
乃り江姐さんの英会話講習会がありましたので、参加してみました。
乃り江さんはL.A.生まれ。帰国子女として日本に戻り、やがて芸者として浅草花柳界にデビューしたという異色の経歴の持ち主で、外人さんが料亭にやって来た時は、彼女の出番となります。
浅草商店連合会が、そんな彼女を講師に仕立てました。
「実践的な講習に!」ということで、まず事前に街の皆さんに「どういう会話文が現場で必要ですか?」というアンケートを配り
⇒それを基にテキストを作り、
⇒それを当日説明して行くという方式でした。具体的には、
「靴を脱いでください」
「傘をお預かりします」
「人数分の料理を注文してください」
「料理の持ち込みはやめてください」
という感じでした。
そう、英会話講習というよりは、「困った外人対策」講習って感じですかね、実際は。
乃り江さんが参考にしているテキストと、弊店が以前から参考にしてきたテキストは全く同じなので、今回格別新鮮な表現はありませんでしたが、彼女が提案していたことで一つ、「やるべきかも!」と思ったことがありました。
それは飲食店を「C」「B」「R」の三つのカテゴリーに分けて、どの種別か、外から分かるようにした方が良いということです。
「C」はカフェ。だからお茶だけ注文すればOKの店です。
「B」はバー。だから酒だけ注文すればOKの店です。ただしテーブルチャージが加算されることがあります。
そして問題なのは「R」。
「R」はレストランですから、このサインが在る店では、料理を一人前注文しなければいけません。
そこが分からない人が今日本に来ています。中華圏の人々は「料理を一人前注文しなければいけない」という感覚がそもそもなく、食べ物を店に持ち込んで食べてしまうこともあります。
これは日本の飲食店にとっては実に頭の痛いことで、揉める原因になります。日本人なら「郷に入っては郷に従え」ですが、彼らは違うんだから仕方ないです。
思えば、まったく無粋ですけど。
まあ、最近は日本人でも、同じような手合いがいますからね、サインを出した方が良いのでしょうね。無粋なことでトホホです。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.844日連続更新を達成しました。