納税の趣旨
「ふるさと納税」がすっかり特典合戦に成っていて実に良くないという件は、だいぶ以前にこのブログで書きましたが、その後特典合戦は収束するどころか、むしろエスカレートしていたようです。
ついに、300万円の寄付の御礼として牛一頭を返す自治体が現れたそうで、まったく呆れた話しです。
私が気づいて呆れる前に議員の先生が呆れたようで、牛の件は国会審議で採り上げられてしまいました。
その、牛一頭を出している自治体とは宮崎県の南西部、霧島山の麓に位置する三股町です。
「和牛のオリンピック」と言われる「全国和牛能力共進会」で、三股町の生産者が2大会連続で日本一に輝くなど畜産の盛んな町です。
で、この町に300万円を寄付すると、「宮崎牛」がまるごと1頭貰えるそうで、町のサイトには「200万円相当のお礼の品」と記載されています。
ほお、200万円相当ですか。
ん?!
結構単価が高いですな。
牛の重量が500キロであれば単価は4000円です。結構な単価です。弊社でも、その位高い牛はそんなには買いませんよ。
「能力共進会」で勝ったということで強気なのかもしれません。
ついでながら、この「能力共進会」ですが、「和牛のオリンピック」だと私は思っていません。
その名の通り産肉能力を問うものでして、味が美味しいかどうかを競っているわけではありませんので、皆さん、念のため。
ですので私には、あんまり関係の無い催しだと思っていますが、そのことは特典合戦とはまた別の話しなので、さて置きます。
話しを戻しまして、国会審議です。
民主党のオガワ先生は
「特産品は当たり前。旅行券、航空会社のポイント、電子マネーもあり、高額化している」と述べた。具体例として、▽300万円の寄付で130万円のコート▽300万円の寄付で牛1頭―を挙げた。「利益と引き換えに納税することは税の趣旨に反する」とし、対策を求めた」
これに対して総務相のタカイチ先生は、
「納税の趣旨から逸脱するような高額なものや換金性の高いものは税法上の問題が生じる」
「自治体に節度ある対応を求めていく」
と述べたそうです。
なんだかなあ。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
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