頭の下げ方
私はたまに頭が高い!と言われることがあります。
お客様の送迎の際に、デパートガールさんのような頭の下げ方をしないからです。
私がお客様のお見送りをしている時の様子をコマ送りで再現しますと、
まず、腰をかがめて下から見上げながら(つまり上目づかいで)、目線を合わせて「在り難うございました!」と言う。
次に、お客様が目の前を通過したら、顔を地面に向けて軽くお辞儀する(ここは無言)が、すぐ戻す。
それから再度腰をかがめて、お客様の背中に向かって下から見上げながら、再度「在り難うございました(1回目より小声で、つぶやくように)」
要するに、小刻みに3回頭を上下させて、その内の二回目がやや深い、という感じです。
たしかにあまり頭を深々と下げてはいませんから、図が高いかもしれません。
さて、なんで今そんなことを書いているか、ですが、
「東急プラザ」が閉店した時に、歴代支配人さんがシャッターの前にうち揃って頭を下げている様子を見たら、それが、なんだか、お客様への感謝というより謝罪会見みたいに見えてしまったからです。
渋谷駅前の「東急プラザ」さんは、1965年の開業以来あまりテナントを入れ替えず、そのテナント~例えばロシア料理の「ロゴスキー」さんに親子二代・親子孫三代で通ったお客さんが多くいたそうです。
記事本体は、そういう美談を中心に構成されていましたから、それに付いている写真も出来れば店と客の交流をイメージさせるものであれば良かったと思うのですが、五人のおじさんが深々と頭を下げて、その頭を下で静止させたところを使ったものですから、どうも記事とつりあいません。御礼というより、なんだか、お詫びに見えてしまいました。
私は、その場に居合わせませんでしたが、かなり大勢の方が閉店の瞬間を見に来ていたようですから、支配人さん達は、人々の歓声に応えて笑顔を見せたり・涙を拭いたりしたんではないでしょうか。
そっちの画像はないのかなあ?!
もっとハートフルな画像を撮れなかったのかなあ!
と私が不満に思うのは、きっと、このビルが私と同じ年の1965年生まれで、感情移入しているからです。日吉に通っている頃乗り換えは渋谷でしたから、「東急プラザ」さんにはお世話になったものです。
また昭和が遠く成りました。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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