叡尊
国際観光日本レストラン協会の総会が奈良で開催されましたので出席してきました。
総会には講演が付いていました。
帝塚山大学の西山厚先生による叡尊についての講演でした。
え、叡尊ねえ。たしか大和西大寺のお坊さんでしたかねえ。
西大寺の、やたらと大きな茶碗で茶を回し飲みする行事~「大茶盛」を始めた人だったと思いましたが、不勉強でそれ以上は存知ませんね。
うーん、夕べは大和郡山市のフレンチ「LeBENKEI」で前夜祭があって、食べ過ぎ・飲み過ぎちゃったからなあ、1時間の講演とかツラいなあ・・・
と思いながら先生をお迎えしましたら、実に在り難いお話しでした。叡尊について全く勉強していなかったことは恥ずかしいことでした。
さて、以下は俄か勉強で書きますが、
叡尊は鎌倉時代の真言律宗の僧。大和郡山市の生まれ。仏教の戒律を復興し、当時衰微していた西大寺を復興した僧です。
当時仏教は朝廷や権力者と一体化し、僧自信も権力者に成ってしまっていましたから、戒律は疎かにされていましたが、叡尊は戒律を守ることを「自誓」します。
仏教界の高僧達が皆戒律を守っていないのだから、そういう先輩連の前で誓約しても意味が無いと言って「自誓」したわけで、いやいや、勇気がありますな。
さらに女性を僧にしたり、ハンセン氏病患者を救済して尊敬を集めます。
権門からの寄進は断って、一般からの少額の寄進で西大寺を大きくしたそうで、スゴいことです。
蒙古が襲来した時、叡尊は祈祷で暴風を起こしますが、その風が蒙古の船を沈めて蒙古人を殺してしまったことを悔やんだそうです。
実に変わってますな、イヤ間違えた、実に偉いです。
西山先生は、この叡尊の生涯を地元・奈良の子供達に話して聞かせる活動をなさっていて、子供達が書いた感想文が読み上げられると会場では涙を流す人が大勢いました。
叡尊も西山先生も、私にはチト偉すぎて近づきがたいですが、大茶盛だけではないことが良く分かりました。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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