懐かし写真館

3/26の『秋山幸雄の懐かし写真館』は、隅田川の桜の情景でした。

『懐かし写真館』は、浅草橋在住の写真家・秋山さんが読売新聞下町版に毎週木曜に連載しているコーナーで、私はとても楽しみにしています。

浅草橋に生まれ育って1907年(明治40年)創業の洋食店「一新亭」を経営する秋山さんは、15歳のころから写真を始め、東京下町の情景を撮り続けてきました。

で、今回は隅田川の桜の情景。

川に多数の花見屋形船が浮いている写真や、隅田公園で三味線を弾く老人の写真が掲載されていました。

今回そうした写真も印象的だったのですが、より印象的だったのは写真に付けられたコラムです。

コラムでは3年前に亡くなった弟さんのことが語られているのですが、弟さんは、

今年も桜が観られるかなあ、

と言って果たせず、3月上旬に他界されたとか。

想えば、桜って日本人にとってはそういう花ですよね。

何度も観ているのに、今年も観たい。

そういう感覚を持つ花って、他にはあまりありません。

花を観ていながら、今を生きていることを確認しているような、そんな気持ちを起させるのが花見なのであって、言ってみれば、初詣や忘年会・お彼岸のようなものです。

弊店へも花見がてらのお客様が多数見えますが、そのことを分かってお迎えしたいものです。

毎年その時季にしか見えないお客様でも、毎年見えていれば「ちんや」では立派な常連さんです。毎週通わないと常連扱いしてくれない銀座の店とは、そこが違うのです。

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.855日連続更新を達成しました。

 

 

 

 

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)