酪農王国

国際観光日本レストラン協会の総会が伊東市の「盧歓談(ロカンダ)」さんであり、翌日は「酪農王国・オラッチェ」に足をのばしました。

搾乳場に、売店やレストラン、体験施設、地ビール工場まで併設された施設です。見学しながら、

ああ、今時の「六次産業」の施設かなあ、と思っていましたが、よくよくこの施設について調べましたら、

!!!でした。

今日は、その驚きの内容をご説明しますが、まず場所から説明しないといけません。

「酪農王国」は丹那トンネルの真上に在ります。

丹那トンネルは東海道本線の熱海駅〜三島駅間にあるトンネルで、総延長7.8キロ、完成当時は鉄道用複線トンネルとしては日本最長でした。

1909年(明治42年)に計画が立てられてから1934年(昭和9年)に開通するまで、数十人の人命の損失を含む多大な苦労を乗り越えて建設されたトンネルです。

なぜ、難工事だったのか。

それは、この辺りこそ、伊豆半島が本州に衝突している所だからです。

最近箱根・大涌谷の噴火を伝える報道の中で伊豆半島がプレートに乗って来て本州にぶつかり・潜り込んでいる図が放送されていますが、あれがまさにこの場所です。

地震帯であるがために、トンネルの工事中の1930年に、なんと、ここを震源とする「北伊豆地震」が起きてしまいました。

掘削工事が断層に到達したところで大量の湧水が発生、地下水がトンネル内に抜けてしまいました。日本の土木関係者がそれまで経験したことのない量の湧水だったそうで、その上の丹那盆地は渇水に見舞われます。

工事前までは、豊富な水を使って稲作やワサビ栽培などが行われていましたが、人々は鉄道省から渇水補償金を貰って、酪農に転換、今では丹那盆地は伊豆でも有数の酪農地帯となっています。

これが丹那盆地の酪農業だということでした。

うーむ。

アイスクリームを喰いに行っただけなのに、

地球のプレート活動や、

昭和の難工事に想いを致すことになるとは。

おなかいっぱいです。

追伸

すき焼き思い出ストーリーの投稿を募集しています。

すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。でも残念ながら、その思い出話しをまとめて保存したことはなかったように思います。

ご投稿くださったものは、「ちんや」創業135周年を記念して本に纏め、今後店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。

どうぞ、世界に一つだけの、すき焼きストーリーを是非、私に教えて下さい。

既にご応募いただいた、50本のストーリーはこちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.928日連続更新を達成しました。

木村荘平の正体

テレビの取材で木村荘平について語って欲しいと言われ出演しました。(放送は未だです)

でも時間を秒単位でしかいただけないテレビのこと、また内容的にも制約があって、まったく説明不足に終わったと思います。ですので、この場で捕捉しておきたいと思います。

まず、木村荘平についてご存知ない方は、私のブログの以下↓の号を読んでいただきまして、その後でこの文を読んでいただきたいと存じます。

2013年4月27日号

2013年6月4日号

2014年7月11日号

2014年7月12日号

さて、木村荘平は、日本初の牛鍋チェーン「いろは」を築いた人物です。

20店ほどの店の店長として、自分の妾を据えたことで大変有名ですが、今回の話題は荘平が何故チェーンを築けたか、ということでした。

その理由を番組では「本部一括仕入れ・薄利多売」に求めていました。

この回答は、まあ、当らずと言えども遠からず、という感じです。

荘平の正体は、牛鍋チェーンを展開した人というより、東京の家畜市場(屠殺場)を、政治力を使って独占的に支配した男というのが正しい姿です。

川上を支配したからこそのチェーンであったのであって、単なる一括仕入れではありません。

本来ならば、

荘平は明治政府の薩摩閥にコネ(「貸し」)があった。

薩摩閥が警視庁を支配していた。

その警視庁が家畜市場を支配していた。

という時代背景を押さえないとスッキリ分からない話しなのですが、

それを説明する時間は無いし、

またそういうことを伝える番組ではないし、

昼間のお子さんも視る気軽な番組だし、

むしろ現代のチェーン・レストランと比較して話した方が分かり易いということで「本部一括仕入れ・薄利多売」と成った次第です。

そう、藩閥とか妾とか屠殺とか、気軽な番組には合わない話題が満載なんですよね、荘平は。

だいたい「妾」は放送NGです。「愛人」ならOKですが、妾と愛人は違いますよね。

いつか深夜番組とかで、全部言ってOKな番組があれば、再度出てみたいですね。

局の方、ご検討下さい。

追伸

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