ビジネスチャンネル特別編
渡井良昌さんが主宰する「ビジネスチャンネル特別編」に参加してきました。
渡井さんは千住で食材関係の会社を経営なさっている方ですが、その傍ら地元のネットラジオ局で「ビジネスチャンネル〜この人に聞きたい〜」という番組のパーソナリティをしておられます。
毎月第一・第三月曜日の生放送番組で、毎回様々な経営者、コンサルタント、文化人などが登場して、渡井さんと対談するという趣向です。
私は、その番組の第4回目の出演者でして、その時の話しは弊ブログの2014年2月25号をご覧いただきたいのですが、
さて今回の「特別編」は過去の出演者を勢揃いさせた会合です。素晴らしい方々と出会えそうな予感を胸に千住に向かいました。
さて会場に着きますと、席は第21回の出演者である山品和宏さんの隣でした。
山品さんは、千葉県で内装リフォームの会社「ヤマシナ商事」を経営しておられる方で、二条彪先生の経営塾でも御一緒してきたので旧知ではあるのですが、ゆっくり話しをしたことはなく、今回渡井さんのご配慮で懇談できました。在り難いことでした。
そういうわけで、今日のブログはヤマシナさんの顧客作りの話しです。
ヤマシナさんは内装業をしながら、地元のお客さんを集めて、落語会や津軽三味線・マンドリンのコンサートを企画したり、「夏祭り」と称して会社全体をイベント会場にしてしまったりしています。またお客さんを集めた旅行もあるとか。
スゴく気の長い「種蒔き」ですよね。
個人の家のリフォームなんて、一生に一度か二度だと思います。そんな頻度の低い商談のために、落語や音楽で関係性を築いて行くと聞いて、私は以前からチト気長過ぎだよねと思ってきました。
実際山品社長がそれらのイベントをやり始めた時、社員さんの中には不満顔の人もいたと聞きます。当然でしょう。
今回せっかく隣り合わせましたので、その件を質問してみましたところ、
山品さんの回答は、聞いて最初はビックリ。しかし、良く考えたら至極当然の回答でした。
「年に一回とか、頻繁にリフォームをする人は結構いますよ」
「ある部屋を直して良く成ると、他の部屋が不満足に見えてくるものなんです」
うーむ。
私は以前から、
すき焼きという商品は「生活不要品」だが「人生の必需品」に成り得る、
すき焼きという商品は売り易くない、しかしすき焼きの思い出という商品は結構、売り易い、
と主張して来ました。そのことについて詳しくは弊ブログの2013年5月18日号をご覧いただきたいのですが、そう言って来た者としては、「リフォームなんて一生に一度か二度」と断言してしまったのは、誠にお恥ずかしいことでした。
そもそも人が生活を改善したいという願望は常に在るもので、それが実行されないのは、その機会が無かったからです。
ヤマシナさんのような会社が身近にあれば、注文を出してみたくなる人が多数いてもおかしくはないのです。だから気長過ぎるように見えた「種蒔き」は、実はそんなに気長でもなかったのです。
これぞ、「目から鱗」と申すものです。
だいたい良く考えれば、ヤマシナさん的でない仕事の仕方=お客様との関係性がまったく無い中で「一生に一度か二度」の工事を請け負うって、ものスゴく怖い仕事です。
家のリフォームって、プライバシーの奥の奥に入って行く仕事だから、とても怖いと思います。意思疎通が不充分でモメるケースだって間違いなくあると想像できます。
一方ヤマシナさんのように、お客様と親しい関係性を持った上で、小規模の工事を毎年とか隔年とかで少しずつ請けていくやり方なら安心で、業者側だけでなく客側も安心です。
要は、業者側が「ドカーン!」と大きい売り上げを欲しがらなければ良いのです。
売上願望を捨て切れない、ヤマシナさん以外の業者が、不要な工事を客に押しつけて、業界全体の評判が悪化したこともありましたね。
この脈絡を辿って行けば、落語も音楽も祭りも旅行も、なんら不自然ではなかったのです。
今回は実に良い話しを聞けました。
こういう話しが聞けるから、たまには会合には行った方が良いと思います。渡井さんに感謝です。
留守をしてもらう店の連中には迷惑をかけますけど、酔っ払っているだけではないので、御理解を賜りたいと思います。
そう、ブログはそういう言い訳にも使えるね、というのが今日の結論です。
お後がよろしいようで。
追伸
すき焼き思い出ストーリーの投稿を募集しています。
すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。でも残念ながら、その思い出話しをまとめて保存したことはなかったように思います。
ご投稿くださったものは、「ちんや」創業135周年を記念して本に纏め、今後店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。
どうぞ、世界に一つだけの、すき焼きストーリーを是非、私に教えて下さい。
既にご応募いただいた、50本のストーリーはこちらです。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.934日連続更新を達成しました。