行ったことありまスカイ?
東京スカイツリーが開業3周年を迎えました。目立ったトラブルもなく無事営業を続けておられるのは結構なことだと思います。
3周年についてスカイツリーの公式サイトには、
「新発見、再発見。」をテーマに3周年を記念した各種イベントを実施しております。」
「本日5月22日には開業記念日として、これからも日本と世界の皆様の橋渡しとなる施設をめざし、『笑顔の“橋”渡し』という想いを込めたオリジナル記念品の“箸”を1,000名のお客様へプレゼントしました。」
と書かれていました。結構なことと思います。
しかしです、この考え方に沿っていないのでは?と思ってしまうようなアピールの仕方もしておいでですよね。
そう、テレビCMです。
カノジョにスカイツリーに行こうと誘われて、最初は渋っているカレシが、背後から迫って来たソラカラちゃんに脅されて、スカイツリーへデートに行くハメになるという、あれです。
ソラカラちゃんが怒りに震えていると思った視聴者もいるようです。
皆さんは、あれをどう視られましたか?
私は強い違和感を覚えました。
だいたい、観光施設などというものは、好きこのんで楽しみに行く場所であって、脅されて行く所ではありません。
行きたい場所の趣味が全然合わないカップルなら、早く別れた方がお互いの為というものです。
最後のキャッチフレーズも、私は気に入りません。
「行ったことありまスカイ?」
たしかに私の周りにも、未だ行ったことがないという人が何人もいます。皆東京の人だからいつでも行けるのに行っていません。そういう連中に対して、スカイツリー側はおそらくイラついているのでしょう。
日本一の場所なのに、なんで来ないんだ?!どうかしてるんじゃないか?!
と言いたい気分は分からなくはないです。
でも、もう一度申しますが、観光施設などというものは、好きこのんで楽しみに行く場所です。
高い所に興味の無い人はたくさんいます。
混んでいる所は嫌いという人もたくさんいます。
ピカピカのショッピングモールなどヘドが出るという人もたくさんいます。
行きたくないから行かないのであって、それを脅して来させようとか、実に人の心を軽んじた発想です・・・
いやいや、ちょっと待てよ。
大手の広告代理店の人がそんなことを分からない筈はありません。
うーん。ひょっとすると、これは遊んでいるだけなのかも。
どうせ来ないと思われる人に向けて嫌味CMを流しているのかも。
営業好調で予算も余っていて、これ以上来場者を増やす必要もないから、要するにふざけているだけなのかも。
ここで話はすき焼きのことになりますが、世の中には、東京のすき焼き屋に行ったことがないという人が未だ未だたくさんおられます。
そんな非国民がいるのか って?
はい、たくさんおいでですよ。
そういう皆さんに向けて、私も打ってみたいなあ、嫌味CMを。
「行ったことありますき?!」
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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