おいしさ総合評価指標

家畜改良技術研究所が3年間かけて取り組む「牛肉のおいしさ総合評価指標開発事業」の「推進検討委員」なるものに任命されまして、先日その最初の委員会がありました。

この事業は、

「食品のおいしさは、味、香り、食感を総合した評価であるが、理化学分析等の測定値、専門家によるおいしさの評価および消費者の嗜好性調査を行って、おいしさを総合的に評価する指標を開発する。」

というものです。

え? 肉のおいしさの指標って、A5とかB4とか、既に在るんじゃないの。よくテレビで言っているよね って?

あれはですね、肉の見栄えの評価なんです。

サシの入り具合とか、傷とか、健康状態とか。そういう話しなのであって、食べて判定しているんじゃありません。目視のみで決めています。

食べて美味しい牛を買うには、A5とかB4とかだけの情報では不足なんです。

「ちんや」の場合、単においしいだけでなくて熟成させ易い肉、そして同時にモタレない肉が欲しいわけなので、ますます、A5・B4だけでは足りません。

血統であるとか肥育期間など、色々な情報を集めて、味を推測して買っています。

だからA5・B4を、さも重要なことのように誇示している人を視ると、なんだかなあ!と私は思ってしまいますが、それは、まあ、さて置きまして、

そう、現状はこのようにまだまだ勘に頼って買っている部分があります。しかし今後この「おいしさ総合評価指標」が確立できれば、客観的に評価できるわけで、間違いなく便利になるだろうと思われます。

しかも、これまで研究が遅れていた「香り」についても今回中心物質を特定して行きたいということなので、大いに期待したいと思います。

この指標によって、和牛のおいしさが、海外の牛とどのように違うのか、ハッキリと明示できたら最高だなあと考えています。

成果が出ましたら、3年後の、このブログでお教えします。

追伸

すき焼き思い出ストーリーの投稿を募集しています。

すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。でも残念ながら、その思い出話しをまとめて保存したことはなかったように思います。

ご投稿くださったものは、「ちんや」創業135周年を記念して本に纏め、今後店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。

どうぞ、世界に一つだけの、すき焼きストーリーを是非、私に教えて下さい。

投稿〆切は9月末日です。

既にご応募いただいた、50本のストーリーはこちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.949日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)