94連敗

連敗記録を更新し続けていた東大野球部がついに勝ち、記録は94連敗で止まったそうです。

相手は法政。延長戦の末に白星を挙げ、2010年に早稲田に勝って以来の勝利となりました。誠におめでとうございました。

ほとんど高校野球経験者でかためた他校に東大が勝つのは大変なことで、実に素晴らしいと思います。最近は元巨人軍の桑田真澄さんがコーチしていたそうで、それが効いたらしいですが、そういうことは各スポーツ紙に書いてありますので、ここでは、

今日早慶戦が行われているのは、東大のおかげである、という歴史をご紹介しようと思います。

実は1903年に始まった早慶戦は1906年から1925年まで中断されていたのです。

理由は遺恨。

当時はプロ野球が未だなくて、早慶戦が野球の最高峰だったのですが、両校の応援団があまりに興奮して危険な状態に成ってしまったのです。

1906年秋、第1戦に勝利した慶應の学生が大隈重信邸に押しかけて万歳を唱えて騒ぐと、第2戦に勝利した早稲田の学生が今度は福澤諭吉邸に押しかけて騒ぐという具合です。

険悪な状況を危惧した両校当局が第3戦を中止して、以後早慶戦は行われなくなりました。

その後明治が入って早慶明3校のリーグが出来ても早慶戦だけは無し。

法政・立教が加わって5校のリーグに成っても、やはり早慶戦だけは無し。

この間復活を目指す動きが再三起こされたものの、その都度OBの強硬な反対で頓挫したと伝えられています。

その状態に突破口となったのが、東大(当時は東京帝国大学)の加盟でした。

この時現在と同じ6校の「東京六大学野球連盟」が創設され、ようやく19年ぶりに早慶戦が実現したのでありました。

その後も、応援団はすぐに紳士的に成ったわけではなく、1933年には早稲田側応援席からグランドに投げ込まれたリンゴを慶應サードの水原茂が投げ返すという事件(いわゆる「水原リンゴ事件」)が発生したりしていますが、なんとか早慶戦は今日まで開催され続けております。

応援団が騒ぐ場所も、

早=新宿

慶=銀座と

我々が学生の頃には既に固定されていて、両校が接触することもなくなりました。

めでたし、めでたし。

東大のおかげです。

 

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.923日連続更新を達成しました。

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)