大東京繁昌記

知人の編集者氏が、すき焼きを食べに来てくれたのですが、

最近この本を出しまして・・・

と差し出された御本を見て、

あれ!

と思ってしまいました。その本の挿絵の原画を、先日展覧会で観たばかりだったからです。

その御本とは『大東京繁昌記 下町篇』(講談社文芸文庫)です。

この中の「大川端」の項の挿絵が、木村荘八の作でして、その展覧会を観て来たことは、このブログの4/27号に書きました通りです。

絵の作者・木村荘八(きむら・しょうはち)のことをあらためてご紹介しますが、洋画家・荘八は明治26年(=1893年)に東京・両国広小路の牛鍋店「いろは牛肉店」第八支店に生まれました。

荘八の父・荘平は、当時日本最大の牛鍋チェーン店「いろは」を経営し、「いろは大王」と言われた人物でした。

多数の愛人・妾がいて、東京市内20箇所にのぼる支店に、その愛人をそれぞれ配置して経営にあたらせたことが有名です。

画家になった荘八は、その妾腹の第八子なのです。

荘八は、やがて浅草に在った第十支店の帳場をまかされますが、画業の夢を断ちがたく、帳場をしながら絵も学び、やがて画家として成功します。

その荘八の、生誕『生誕120年展』が、東京駅の「東京ステーションギャラリー」で5/19まで開かれていて、『繁昌記』の挿絵の原画も展示されていました。

その絵の入った本を、知人が編集していたと知り、まったくの偶然なのですが、とても驚いた次第です。

肝心の内容ですが、

「関東大震災から四年、復興へと邁進する帝都・東京の変貌する姿と、いまだいたる所に残された災害の傷痕を、当時を代表する文豪、画家たちが活写した名随筆」で、昭和2年に「東京日日新聞」で連載されたものを復刊したものです。

文は芥川龍之介、泉鏡花、北原白秋、吉井勇、久保田万太郎、田山花袋といった下町ゆかりの文豪達。

木村荘八の「大川端」の部分の文は、吉井勇です。

ご購読はこちらからどうそ。

追伸①

「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただくことになりました。

<演題>すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に

<日時>7月2日(火曜)17時受付開始⇒17時30分~19時頃まで

<場所>浅草文化観光センター5階(台東区雷門2-18-9)

<定員>60名様(早めにお申し込み下さい)

<参加資格>どなたでも(=浅草法人会会員でなくても)参加できます。

<参加費>なんと、無料。

*参加の手続きはこちらです。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は351人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.188日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。