車椅子
オトタケさんの入店を拒否したイタリアンが「炎上」したようです。
オトタケさんとは勿論『五体不満足』で有名な方で、炎上と言ってもツイッター上の「炎上」です。
その、入店拒否をした店は、銀座のビルの2階にあり、エレベーターが止まらないなど障害者に優しくない作りになっていて、その点について店のHPには「お気をつけ下さい」としか書いていなかったようです。
エレベーターが在るのに止まらないって、そんなことがあるの?
とお思いでしょうが、銀座には結構そういう店がありますね。
そういう店は、建物の外付け階段をメインの通路にして、外から入りやすくしてあります。結果入口がエレベーターの方ではなく外を向いているので、エレベーターは2階を通過するようにしてあります。
銀座は家賃が高いですからね、ビルの2階へも入りやすくして繁盛させるための工夫をした結果、そうなっているのです。
オーナーさんは、車椅子の方は「お気をつけ下さい」を読んで⇒事前に連絡を入れてもらえる、と思っていたようですが、そんなことをする必要はなく、普通に車椅子で乗り着けても店が対応するべきだ、と考えるオトタケさん側と折り合うことができなかったようです。
さて60万人のフォロワーを持つオトタケさんが、この店の実名を挙げて批判したことで「炎上」は起きました。
店は抗議の電話が鳴りやまず、営業不能になった模様です。
一方オトタケさんにも批判のツイートが多数寄せられ、こちらも炎上となった模様です。
車椅子の予告をするべきだったかどうかは賛否が均衡。
しかし、それ以上に問題になったのは、オトタケさんのような有名な方が、雑居ビルの2階でやっているような、たぶんスタッフも10人とか20人とかしか使っていないような、ごく普通の店を攻撃した点です。
いかに正義の戦いであっても、これでは兵士が10人しか駐屯していない基地に、大陸間弾道弾を打ち込むような話しですから、戦いの手法が適当だったか問題となりましょう。
今後のオトタケさんの講演の、客の入りが心配ですが、まあ、それは私には関係ないですね。
で、この話しを報道するテレビを視ていて、私が感心しましたのは、ある湖面テイタ―いやコメンテイタ―の方が、
通行人に助けを求めれば良かったのに。日本も、そろそろそういう社会に成っても良い頃なのではないか。
と言ったことです。私はこれに賛同します。
実は昨年「どぜう飯田屋」の若旦那が乗っていた都営バスに、障害者の方が乗り込んで来ました。
当然バスのドライバーさんが、その対応をするのですが、一人ですから大変ですね。見かねた彼は立ち上がって手助けをしました。
日頃から店で仕事をしていてバリアフリー問題には悩まされていますから、ドライバーさんの状況に同情したのでしょう。
浅草には、そういう市民が少なくとも一人います。もっと増えたら良いのに!と思います。
だいたい、障害者と店が1対1で対峙しては、双方アンハッピーになりますね。
一介の個人経営の店が車椅子に充分な対応が出来るかと申しますと、それは「いつでもOK」とは言えないのが実態です。
「予告くらいして欲しい」というのが本音でしょうが、オトタケさんのような、予告無しでも当然対応すべきだ、というお考えの方とは折り合えません。
でも、通行人が助けてくれれば別です。障害者の方をサポートするための負担を、より多くの方が担うようにならないかなあ、そう願います。
なお「ちんや」の場合は、店内用の車椅子を用意してありまして、玄関でそれに乗り換えていただきます。店内は土足NGの和風建築ですから、乗り換えていただくわけです。
でも店内用車椅子は1台だけなので、やはり予告をして欲しいです。HPにもそう載せています。
それから、今のところ、バリアフリー化のために改装する気はありません。
和風の造りで下足番がいる、現在の店舗の形態を護ることが、私の使命と考えるからです。
この考えは、世相のうつろいと共に「非常識」と言われるようになるかもしれません。現にアメリカで1990年以降に建てられた建物は、皆バリアフリーなのだとか。
この件で、私の立場が全ての方に諒解していただける、とは思いません。
でも、問題が在るからと言ってそれに触れないのも不誠実ですね。ですので、現状と方向性を、ここに明らかにさせていただきました。
ご高配を賜りたく、お願い申し上げます。
なお私のツイッターのフォロワー数は、たったの570名様です。トホホホ。
追伸①
「浅草法人会」さんの主催で講演会をさせていただくことになりました。
<演題>すき焼きを現代に活かす~商いは、楽しく・古風に・斬新に
<日時>7月2日(火曜)17時受付開始⇒17時30分~19時頃まで
<場所>浅草文化観光センター5階(台東区雷門2-18-9)
<定員>60名様(早めにお申し込み下さい)
<参加資格>どなたでも(=浅草法人会会員でなくても)参加できます。
<参加費>なんと、無料。
*参加の手続きはこちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は351人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.190日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。