庶民の味
テレビの「庶民ぶりっ子」は、もう止めて欲しいとこのブログで何度か書いてきました。
同じことを何度も書くとしつこいのですが、最近「庶民ぶりっ子」の新バージョンが登場して、また書きたくなってしまいました。今度は、
訪日外国人は、日本の庶民の味を大好きだ!
という話題です。
すき焼きではなくて牛丼、
寿司ではなくて回転寿司、
お座敷天麩羅ではなくて、奇怪が揚げる天麩羅チェーン、いや、機械が揚げる天麩羅チェーンに外国人が押し寄せている、というニュースが最近しきりと報道されますね。
実際、浅草の「て♡や」さんも外国人で賑わっています。
そのニュースを流しているテレビ局の社員さんは高給獲りですから、高級な寿司や天麩羅に行っていること間違いないのですが、番組ではしきりと、そうした店を推奨します。
本人はきっと裕福と思われるコメンテーターさんも、
これは良い事ですね!と絶賛。
困ったことに最近ではお役所もこの傾向に同調して、ホクホク顔。彼らは、とにかく訪日外国人の数を2千万人にまで増やすという政策目標があるので、数字が出ることには何でも賛成なのです。
少し前まで日本にやって来る外国人と言えば、たいていインテリで歌舞伎座へ行ったりしていましたが、今は昔。
牛丼目当てに日本へやって来る人にすき焼きを食べさせるのは至難の業でしょう。トホホなことですが、この傾向は止まらないと思います。
しかしですね、一つだけお願いしたいことがあります。
ブラックな店を外国人に推奨するのだけは止めて欲しいです。
企業の姿勢はよくチェックしてから報じて欲しいですよね。
非正規雇用の従業員が一人で維持している店が在ることを世界に知られて問題ないんでしょうか。
トホホです。
追伸、
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.754日連続更新を達成しました。