うま味研究
「味博士」と、「すきや連」で旧知の鳥山畜産さんが組んで、肉の旨みの研究をしておられます。なかなか面白いので、私も注目させていただいています。
「味博士」とは慶應義塾大学共同研究員の鈴木隆一博士のこと。味を計測して、それをグラフで「見える化」する技術を開発された方です。『味博士のぜったい太らない食べ方』『日本人の味覚は世界一』といった著書もあります。
その肉研究のことが、なんと『週刊プレーボーイ』に採り上げられましたので、読んでみました。コピペしますと・・・
「慶應大学と共同で開発した味覚センサーによる分析では、肉のうま味の平均値は2.9くらいですが、鳥山畜産の熟成赤城和牛は3.6前後。この0.7の差が大きいんです。甘味でたとえれば、2.9は甘味のあるお米で、3.6は甘いオレンジジュースの数値。それくらいの差があります。」
「では、このうま味の強い牛肉はどうすればできるのか。うま味の成分はグルタミン酸ナトリウムとイノシン酸ナトリウムですが、これをエサに混ぜて牛に与えればいいというわけではありません。」
「肉質の60%は遺伝といわれているので、まずはうま味のある、いい肉質の母牛選びが重要ですが、さらにそこから『エサにこれくらいの割合で穀物を混ぜた牛は3.1』『こういうタイミングでエサを与えたら3.2と、数値化していくんです。 牧場では1200頭の牛を飼育しており・・・」
これ以上コピペするとネタばれになってしまうので、続きはこちらをお読みいただくとして、
この話しの後段に良いことが書いてありました。
「世の中には、ブランド牛以上にうま味のある牛肉が意外と多いんです。でも、知名度がないために安売りされたりしています。味覚センサーを使えば、うま味が数値化できるので、こうした埋もれているおいしい肉を発掘して、消費者の皆さんに情報発信などができます。」
そうそう、そうです。
私からも日本の消費者の皆さんに苦言を申し上げますが、ブランドだけを判断基準にしている人が多すぎますよ。
ブランドを食べて美味く感じなかった場合、それは貴男が悪いのではなく、肉が本当に美味くなかったのです。
でも、大金を投じて有名なものを食べてしまった事実が在るので、それが「美味くない」とは決して言えません。結局薬局自分で自分を騙して「美味かった」ことになさっているでしょう。私は分かっています。実際、そういう人が、とても多いです。
その点、センサーは人を騙しません。
人より機械が信用できるとはトホホな話しですが、しかし現実です。この現実は変えていきたいと、私も思っています。
追伸、
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.749日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。