庶民としては
庶民としては、どーのこーの、という台詞をよくテレビで聞きますよね。
庶民としては、値段は安い方が良いと思います!
が代表的台詞です。
情報番組でそう言っている方は、魑魅魍魎が跋扈する夜の世界でナンバーワンだった経歴の持ち主で、そういう方に庶民の立場が代表できるのか、私には分かりませんが、ナンバーワンに成る前は一般人だったのだから、まあ、代表は可能なのでしょう。
ですので、今日はそのことはさて置いて、
「庶民としては」が、本当に庶民の考えなのか、という点を考えます。
値段は安い方が良いかもしれませんが、
しかし値段を安くする過程で安全性や道義をも投げ捨てる業者がいて、色々な事件が起きます。
ここが「庶民」の出番です。
「庶民」あるいは「消費者」は、品物を売っている業者がどういう業者か分からないんだから、国がしっかり監視して貰わないと困るじゃないの!今の政府は怠慢だと思います!
と叫ぶのが番組内での「庶民」の役割です。
それくらいの意見なら、私でも言えますね。
ここで弊ブログの読者の皆にもお考えいただきたいのですが、「庶民」って、悪い品物を見ぬく力が全く無いんでしょうか?
私は、庶民にはそういう力が結構在ると思うんですよ。
「安物買いの銭失い」
ということわざがたしか、在りましたよね。
テレビの「庶民」の方は知らないかもしれませんが、まともな庶民はそれを知っていると思います。
「庶民」が代表している考えとは、実は、
消費者は自分の購買行動について完全に無答責であって、買った品物によって被害を蒙らないよう公権力によって庇護されるべきである。もし被害を蒙ったのなら、公的に救済されるべきである。
という考え方なのだと推測されます。
ブラック庶民ですな。
いやはや、魑魅魍魎。
追伸、
一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。
タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.742日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。