支配人さんの被災体験
「料飲三田会」の旅行で「スパリゾートハワイアンズ」に行ってきました。
フラガールがあまりに有名な「ハワイアンズ」ですが、そのショーを観る前に統括支配人さんの被災体験を拝聴しました。
大震災の発生時「ハワイアンズ」には1.000人以上の客がいたそうです。3.11宿泊予定の客はどんどん到着する最中でしたし、3.10に泊まってチェックアウトした後にプールなどで遊んでいる客もまだ居たからです。
あいにく東京出張中のオーナーからは、
とにかくお客様と従業員の安全を守れ!
と指示が来て、支配人は、そこに居た全員が帰れるまで宿泊させ、東京=いわきの道中の安全を確認しようとしました。
さいわい「ハワイアンズ」のライフラインは維持されていたので、とりあえず問題なかったものの、情報は大混乱。まったく状況が見えません。
そこで3.12なんと、支配人はスタッフに特命を与え、常磐道と郡山経由の東北道の2ルートを実際に東京まで走らせたそうです。
走ること12時間。東北道が比較的安全と判明。
これをうけて3.13、なんとか調達した計18台のバスの車列が、客を満載して東京へ出発しました。
道中の休憩地やトイレを精査。緊急事態に備えて車列の前後にはスタッフの乗り込んだ車を配置、非常食として土産物売り場の土産物をや山と積み込んで、一行は出発しました。
所要時間は13時間。
深夜に無事到着したとの報告が入った時、支配人さんは本当に「ほっとした」そうです。
さて、ここまででも大変なことなのに、その後も異常事態は続きます。
まずスタッフは自分自身が被災者なのに、自身の家は放置して客の対応に当たっていましたから、この後皆さん、ようやくそちらの対応にまわります。
ところが原発の事故があって、ホテルは避難民の避難所に。
その間4.11にはホテルのすぐ近くで非常に大きい余震=活断層のズレが起こり、ホテルの被害はむしろ、この4.11の方が大きかったそうです。
ホテルが営業を全面的に再開したのは、震災の翌年の2月でした。
そして今、2011.3.11から2年半がたちましたが、「ハワイアンズ」は満員の盛況です。
当日ホテルで震災に遭った客からは後日感謝と復興を願う手紙、メールが多数届き、従業員達を感激させ、奮い立たせているそうです。
あの日、ここにも英雄的な日本人がいたのだと知りました。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は366人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.310日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。