体験コーナー
その会社に、客という立場を越えて積極的に関わりたい、と思っている他者がどれだけいるのか、その人数が会社の浮沈を決めていくのではないか、フラガールの踊りを観ていて、そう思いました。
いわき湯本のフラガールが笑顔で美しく踊り、福島の復興を願って歌う姿は、勿論充分に感動的であったものの、しかし観客としては想定内のことです。だから素晴らしいなあとは思ったものの、驚きはしませんでした。
ところが驚くべきことは休憩時間に起こりました。
ショーが休憩になり、休憩の間は「体験コーナー」です!というアナウンスが聞こえました。観客の皆さんも、ステージに上がって、フラガールのお姐さんと一緒に踊りましょう!と言うのです。
「体験コーナー」ねえ、そんな恥ずかしいことをする客が何人いるかねえ・・・
と私は思ったのですが、とんでもありませんでした。
呼びかけに応えて、次々に客がステージに登って行くではありませんか。続々と。
ほとんどは小さい女の子さん。その保護者の方。しかし年配の女性も登って行きます。それから、この日は障害のある方の団体が来ていて、車椅子の人々も続々ステージに上がります。
何度もここへ来ていて、「体験コーナー」が在ることを分かっていたように見えます。ステージに上がることについて全く躊躇が無いのです。やがて、
ステージが満杯になったら、そこで募集締め切りです!
というアナウンスが入ったのには驚きました。本当にステージ上が客で満杯になったのです。日曜の夜なのに。
女の子たちの内の何人かは、将来きっと「常磐音楽舞踊学院」に入学するに違いありません。
女の子が芸能の力で福島の復興に貢献できるのだ、と証明された今、それに続こうとする子が出て来るのは、在り得る話しではありますが、それを実際にビジュアルで圧倒的な人数で目の前に提示されると、驚かざるを得ません。
それだけの数の「関わりたい」という他者を既に獲得しているのが、この会社なのであって、ほとんど一介の企業の域を超えているかもしれません。
実は、「ちんや」も御客様とより深い関係を持ちたいと願って「すき焼き思い出ストーリー投稿サイト」を運営しています。
また、ただ今は店頭で「すき焼き川柳」の投稿を募集しています。「ストーリー」がネットですので、川柳の方は、あえてアナログ=手配りです。秀逸な句が集まりましたら、包装紙に刷り込む積りです。
そんな活動を既にしていましたので、御客様との関わりの造り方について、自分はわりと上手くやっているよなあ、という気分が、私の中に少し在りました。が、しかし、その気分はフラガールに軽く吹き飛ばされました。
弊社も、もっともっと取り組んでいきたいものです。
なお、川柳と投句受付は11/4まで。「ちんや」店頭で用紙を配布しています。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は366人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.318日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。