牛脂を注入した加工肉
「あ~あ」という事件がまたありました。
「阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)が運営する8カ所のホテルのレストランや宴会場で提供した料理のメニューで、表示と異なる食材を使っていた問題で、同社が発表した料理は47品に上った」そうな。
「問題の料理を食べた客に対しては、料理の価格に関係なく最低千円を返金。同社は「アラカルトや定食メニューについては代金全額に加え一定の額を、コース料理やバイキング料理の一品に誤表示があった場合は、相当額を返金する」としている」とか。
私が注目しました部分は、
「大正15年創業の老舗、宝塚ホテル(兵庫県宝塚市)でも、「手捏ね(てごね)煮込みハンバーグ定食」に既製品を使用。宴会場でパーティー料理の一品として提供した「やわらかビーフソテー赤ワインソース」には、牛脂を注入した加工肉を使っていたという」
「手捏ね」にどうしても惹かれる人って多いらしく、このフレーズが良く使われますが、捏ねていなかったとはねえ。あさはか。
ちなみに「ちんや」のハンバーグは人力で捏ねていますから、「手捏ね」です、本当に。
その次の「牛脂を注入した加工肉」については説明が要りましょう。私も10年ほど前まで知りませんでしたから。
さて、この肉は一見、ステーキです。赤身のステーキ肉に、注射器みたいな装置で牛脂を注入した肉です。赤身は脂肪分が少なくて「旨味に欠ける」ので、そうするのです。
赤身でも熟成させれば、脂肪の旨みではなくて、アミノ酸の旨みを増すことが出来るのですが、全ての肉が上手く熟成させられるわけではないので、安易に注射に走ってしまうのでしょう。
注射針が汚染された状態で肉に刺しますと、食中毒菌が肉の中に潜り込んでしまい、加熱しても殺菌できず、それで食中毒事件が起きることがあります。
私が「牛脂を注入した加工肉」の存在を知ったのは、そうした食中毒事例を保健所さんから知らされたからです。
食中毒さえ気をつければ有害とまでは言えないのですが、表示法で消費者を騙したとなると、やはり「偽物」っちゃ「偽物」ですね。
しかもホテルで長期間使っていたとなると、「あ~あ」ですね。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.333日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。