いのちをいただく
嫁の知人がパフォーマンス・グループを作っていて、たまに公演があるのですが、それを観に行った嫁が「いのちをいただく」という絵本を持って帰って来ました。その日の演目のネタ本なのだそうです。
一読して、うーん・・・
絵本だというのに重いテーマを、たぶんこの世の中で一番重いテーマを扱っていたからです。
そのテーマとは、牛や豚の屠殺について。
人が生きるために犠牲になる動物について、です。
誰しもパスしたくなる現実ですが、著者の内田美智子さんは、人がこのテーマと正面から向き合わない限り、食や命に対する感謝が無い人が減っていかない、と考えておいでなのだそうです。
内田さんは産婦人科医院で働く助産師さんで、産前教育の講演活動をなさっているのですが、その間に、大勢の身勝手な母親や性のトラブルを抱えた母親に会ったそうです。そういう子がそのまま親になってしまいます。
やがて気づいたのは、
そういった母親は、たいてい自分がちゃんとした食事をさせてもらっていないこと。
食や命に対する感謝の気持ちがないのは、そう育てられていないから。
負の連鎖が起きていること。
食べることは生きることそのもので、最も手を抜いてはいけない事柄なのに、最も手を抜かれてしまっていること。
そして、食や命に対する感謝の気持ちを育てるには、牛の屠殺に携わる人の物語を絵本にするのが一番良いと考えたそうです。
それで出来たのが、この御本です。
主人公の坂本さん(~実名です)は、牛の屠殺に携わるのがイヤで何度もやめたい、と思いましたが、今は誇りを持って従事しています。そして屠殺を実行する時は、動物の頭や体を撫でてあげています。
「恐怖心をできる限り取ってあげたい。一瞬一秒でも楽にして、あの世に送ってあげるのが役目」だと。
人が生きるためには、誰かが必ずやらねばならない仕事なのだから、牛のことを思いやれる自分がやるのが良いのだ、と思って。
良書です。「いのちをいただく」。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.331日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。