差異性の源泉
滋賀県長浜市の少し北に木之本町という所があり、そこに富田酒造さんという蔵元さんがあります。そこを訪ねて参りました。
富田酒造の富田さんは、二条彪先生の「湖彪会」のメンバーで、今回、長浜で「ニッポン全国彪友会」が開催されたのに合わせて富田さんの蔵も訪問した次第です。
18世紀の建造だという蔵は流石の風情。北大路魯山人が逗留したこともあるとかで、その額が掛けられています。
蔵は老舗の風格ですが、現当主は革新的です。
日本酒の絶対消費量が減少していることに危機感を持たれて色々な事業をなさっています。
地元の農家さんとの関係強化、地元産米による醸造、農業高校との関係強化。
オリジナル・グッズの開発、地元の職人さんとの連携。
蔵の売店化=とても素敵な御店です。
石高の小さい蔵ならではの独自性の追求がスゴいです。二条先生が教えるところの「差異性」ですね。
都会人が羨ましいのは「差異性」の源泉になるものが地元にしっかり在ることです。まず地元の米、蔵に棲む酵母、そして水。
木之本町は滋賀県に在りますが、この土地には冬になると北国街道に沿って雪雲が入って来て、気候は「ほとんど日本海型」なのだそうです。
雪は当然山々に降り積り、地面に浸透し、伏流水として下の土地へ流れて来ます。
雪と雨が決定的に違うのは、ここですね。雨はザーと降ってすぐに流れてしまいますが、雪はいったん止まって、少しずつ降りて来ます。
この雪融け水こそ、すべての農産物・農産品の根源なのであって、独自のブランドを創ろうとする時には、その根拠にするべきものだと思います。
牛関係の人達も、もう少しここに着目して欲しいんですよね。
ともあれ、独自性を追求する会社はカッコ良いですね。私もマネしてまいります。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.335日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。