食への無関心
食の国産志向が過去最低だそうです。
日本政策金融公庫が先日発表した、2012年度上半期の消費者動向調査結果によりますと・・・
「食料品を購入する際に国産かどうかを気にすると答えた人は70.6%と、1月の前回調査に比べ3.5ポイント低下。外食の場合も7.8ポイント低下の25.1%となり、08年5月の調査開始以来、いずれも最低となった。」
「価格が外国産に比べ1割以上高くても国産を選ぶと答えた人も7.4ポイント低下の51.2%と最低を更新。品目別では、コメが70.3%、野菜が57.7%、魚介類が46.3%、牛肉が45.7%、果物が41.4%などと、いずれも最低となった。」
「厳しい経済状況が続き、節約志向が強まる中、安価な外国産農産物への期待が高まっていることが浮き彫りになった。」
「環太平洋連携協定(TPP)など貿易自由化をめぐる議論にも影響しそうだ。」
以前から日本人の中に、「食への無関心層」つまり食べ物はとにかく安い方が良い・金をかけたくない、という人達が、四人に一人位の割合でいる、と言われてきました。今回の統計を見ると、その割合が拡大しているように見えます。
ここでハッキリ言えることは、日本人のおよそ30%は「ちんや」の御客様には成りえない、ということです。
食べ物以外の商品を商っている人達からは、
いいよねえ、食べ物を売っている人は!だって人は絶対毎日3回食べるから、儲け損なうことがないよね!
と言われたりしますが、この統計を見れば、そういう単純なものではないことが分かると思います。
なにしろ和牛肉の値が外国産より少々=1割高いだけなのに、「高い和牛をパスして外国産を買う」という人の方が、「やっぱり和牛を買う」という人より多いのです、55対45で。
日頃私達が苦労する理由が、ここに在ります。実際、値の開きはもっと大きいですからね。
ついでに申せば「食べ物だけは自由貿易をしない方が良い」というのが私のかねてからの考えですが、それを口に出すと、日本人のおよそ30%とは友達に成れない、と言えるのかもしれません。
まあ、御蔭様で、友達に不自由はしていませんけど、トホホですよね、やっぱり。
追伸①
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて935日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。