モタレない肉
私は、疲労が溜まった時とか、ハード・スケジュールの時とかは、肉の夜食を食べます。
「快食療法」の元祖・横倉恒雄先生が、
美味しい!という快感は、脳疲労を緩和する!
と主張しておられますので、当家では、その説にしたがって、肉夜食を励行しています。必要なのは快感ですから、美味しくないとNGです。美味しいと言えば、当然、肉ですよね。
で、食べる前に、その肉の画像をFBにUPしますが、そうしますと・・・
美味しそう!
食べたい!
というコメントと並んで、
量も脂もそれほど食べられなくなりました。絶品赤身情報お待ちしております(笑)
というような、コメントも書き込まれます。先週も、そうでした。
私があと3年半で50歳で、仲間も当然年齢が近いですので、肉を食べるとモタレてしまい、若い頃のようには食べられなくなって来た模様です。
ですので、この際、モタレる、ということについて、書いてみることにしました。
まず、赤身と霜降りのことですが・・・
赤身肉なら皆消化が良いかと言うと、そうでもないのです。
最近は、牛の屠殺後、肉を熟成させずに、4~5日で食べてしまうことが多く、スーパーは勿論、肉専門職のはずの焼肉屋さんなどでも、そんな感じのようです。
熟成させれば、赤身のタンパク質がアミノ酸に変わりますから、消化しやすく、また美味しくもなりますが、熟成させてない場合は、要するに赤身の部分はタンパク質の固まりですから、これは消化が悪いです。育ちざかりの子でもない限りモタレます。
だから、あながちトシのせいばかりではないと思います。
焼き肉屋さんでも、最近は「熟成肉」を標榜している所もありますから、そちらならモタレないとは思いますが、値段が安くないのが難点ですね。
「ちんや」は勿論「一か月熟成」派でして、「お年寄りがバクバク食べられる肉」を目指しています。
それから、脂肪についてですが、サシがたくさん入っていても、意外とモタレない場合があります。それは融点が低い、つまり良く融ける脂肪酸をたくさん含んでいる場合です。
脂肪酸の構成は、熟成させても変えられませんので、こっちの話しは牛の育て方の問題でして、肉屋として出来ることは、「脂の融けの良さそう」な牛を仕入れることです。
要するに、「脂の融けの良さそう」な肉で、それを熟成させていれば、モタレを気にせず、肉を楽しむことができます。
ところがですね、だいだい、熟成に気を配っていない肉屋さんは、得てして「融けの悪そうな」脂を仕入れていることが多く、そうなるとどうなるか、と申しますと⇒ダブルでモタレます!
40歳を過ぎたら、そういう店は避けた方が良いでしょうね。
でも肉を存分に食べることを諦めて欲しくはないですね。
なんと言っても、肉には「食の快感」がありますから、疲労回復できます。ハードに働いている方は、是非、モタレない肉を、選んで召し上がって下さいね。
追伸①
『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。
この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。
有り難いことです。ご購読はこちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は178人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
参加者の方には、特典も!
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて840日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。