サシコ
今年もやってましたね、「総選挙」。
私も、フジTVによる実況中継をしっかり視た、ハズは勿論なく、翌朝の情報番組で適当に視ただけですが、二つのことが気になりました。
一つめは、5位当選で最年長メンバーの、篠田麻里子さまのコメント。
二つ目は、大分市長の熱狂ぶり、です。
麻里子さまは、後輩に「席を譲る」ことを拒否した上で、コメントのマイクを通じて、後輩メンバーを挑発しました、
「潰すつもりで来て下さい。私はいつでも待ってます。」
今時は、学校の運動会で順位を示さない、という位の競争忌避社会です。だからこそ、こうした露骨な競争心が面白がられるのだと思います。
まさにアキモト先生の、想うツボですね。
それから大分ですが・・・この夜、市中心部に設けられた特設パブリックビューイング会場に、約600人の人が集まり、釘宮市長も駆け付けて、「刺子」ことイヤ「サシコ」こと指原莉乃さんを応援したそうです。
集まった人々はモニターで「総選挙」の様子を見守り、市の「観光大使」を務めるサシコさんの順位が発表されると大歓声が沸き起こりました。その様子がTV中継されていましたね。
釘宮市長は「みんなの思いが4位という素晴らしい結果につながった。感動した」と語った、というから随分気合いが入っていたようです。
でも、なんだかなあ、ですよね。
芸能人を「観光大使」に任命してPRさせる、っていうのは、古典的手法ですねえ。
この他に、地道な観光マーケテイングの方もやっておられるのなら、まあ結構ですが、どうなんでしょうね、大分市。
驚いたことに、この市長さん、「総選挙」より前のことですが、AKB関連のイベントに出るため、地元の公務をキャンセルしたことがあるそうで、しかも、その件を、
「いまの市長というのはトップセールスマン。こういうことが最大の公務なのです。」
と雑誌のインタビューの中で正当化しておいでです。
どうやら、やってなさそうですね、地道なマーケテイングは。
どうも政治家という人達は、選ばれた任期中に観光客を一気に増やそうとするので、こうした手法を好みますが、もしこの「トップセールス」で観光客が増えたとしても、それは一過性ですよね、当然。
さらに申せば、市役所や区役所の役人さんも、人事異動の一環で、2年や3年しか観光課に在任しなかったりします。市長より在任期間が短かったりしますし、しかも、まったくの「畑違い」の部署から異動して来たりすることが多いです。
先日開催された、台東区の「新観光ビジョン戦略会議専門部会」でも、そのことが話題になり、委員の皆さんが、異動して来た新任課長さんに向かって、
「素人さんが入れかわり立ちかわり異動して来て、観光業をナメてる!」
と責めていました。ご本人の意志で来たわけではないので、気の毒な話しですが、まあ、その通りと言えましょう。
大分市の場合も、
「市長!ここまで来たら、もう徹底的に乗って下さい。」とけしかけているのは、むしろ観光課の担当さんだというから、トホホです。
しかし観光振興とは地道なものです。
どのような御客様が、管内のどのような観光資源を好み、いくら位お金を使って下さるのか、またそれがリピートされているのか、ちゃんと把握しないと、ダメなのです、本当に。
それに、売っているものが工業製品でなく、微妙な味わいや雰囲気の違いを問うものばかりですから、ある程度の期間は、その業界にいないと、ものの良し悪しが評価できるようになりません。年季がいるのです。
今回の市長さんの様子を拝見していると、観光振興とは地道なもの、という正論を蹴飛ばしているように見えます。
まあ、大分の客が減って、浅草が増えれば、それは目出度いですけどね、はい。
追伸①
『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。
この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。
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追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて833日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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