顔写真

 1/16の東京新聞を開いた、私の知人はギョっとしたと思います。

 私の笑顔の写真が、タテ11cm×幅7cmの寸法で載っていたからです。大きいですよね。

 実は、3/6に東京商工会議所台東支部青年部が、クイズラリーのイベントをする予定で、私は、その広報担当の副委員長です。それで東京新聞さんに、この件をお採り上げいただくべく、お願いにいったら「では取材を」ということになり、顔写真も撮られ、それがこんなに大きく掲載された次第です。

 これを見た人から、すぐに反響がありました。わざわざ「見たよ!」という用件で電話をかけて来た人もいますが、多いのはやはりメールです。

 私は、このブログでも顔出ししてますし、しばらく前から、プライバシーが無いことについては腹をくくっているのですが、今回は写真がどうも大きくて、メッポウ恥ずかしく、送られてきたメールに、

 恥ずかしいから、見ないで下さい!

と返していたら、ある浅草の先輩から、こんな返信が・・・

 「この街に居る以上、何かするとこうなるのは当然。恥ずかしいなんて言葉は辞書から削って、どんどんお願いしますよね。」

 うーん、そう言えば、ご自分もこの前、大きい寸法で載っていたっけ。浅草への注目度がそうさせるのだ、というのは御高説の通りでしょう。注目されて文句を言っていてはバチがあたりますよね。

 ほお、それで、イベントの申込み状況はどうなんだ って?

 住吉の顔写真じゃあ、人が来ないだろう、だって?

 何言ってんです!

 初日から四日間で、定員100組に対して85組以上申込みが来てますよ!

 ふん!

追伸

 1/30実施予定の「ちんや すき焼き通検定」の、受検申込みの受付を始めました。早速応募メールが来ていて嬉しいですね。

 詳しくは、このブログの22年12/25号をご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて327日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

*このイベント=「たいとうクイズラリー」については、こちらです。

 

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業平橋

 建設中の東京スカイツリーの最寄り駅・東武鉄道の業平橋駅が、ツリー開業の来年春、「とうきょうスカイツリー駅」に改名されるそうです。

「スカイツリーの最寄り駅はどこですか。」

という電話やメールが東武さんに殺到しているでしょうから、その対応に忙殺されている、社員さんの手間を減らすためにも、改名は必要かもしれません。 

 でも平安時代の歌人・在原業平にちなんだ駅名の変更だけに、地元住民の方からは複雑な反応が出ているようです。

 改名に反対する意見を受けて、東武さんも「とうきょうスカイツリー(旧業平橋)駅」などの表記を検討中なのだそうですが、それでも反対派はしぶとく、「業平橋(とうきょうスカイツリー)駅」が良い、と主張しているとか、昨日の読売新聞が伝えていました。

 実は、私は今回の改名に別段驚きませんでした。

 東武さんは1981年に杉戸駅(埼玉県宮代町)を東武動物公園駅に改名した前科、いや実績があるからです。

 私は子供の頃、隅田川の鉄橋を渡る東武の列車を眺めるのが好きでしたが、その頃各駅停車の終点は、たいてい杉戸駅でした。だから、杉戸行きの電車を見るたび、子供の狭い世界のはるか先の、電車の終点の杉戸って、どんなスゴい所だろう、と思いをはせたものでした。

 実際は車両基地があるんですけどね。

 「杉」という漢字や、鬼怒川温泉駅の「鬼」「怒」「温泉」という漢字も覚えました。駅名の漢字をどんどん覚えたので、小学校の漢字の試験がいつも簡単に思えました。

 だから杉戸駅が東武動物公園駅に変わった時は、かなりショックでした。だから業平橋周辺にお住まいの方が、愛着を捨てきれないのは、良くわかります。

 でも、私が「!」と思ったのは、改名の、もう一つの理由の方です。

「駅名の認知度が低く、「ぎょうへいばしえき」などと誤読されることが多い」のも理由の一つなのだそうです。

 一般教養を大事にしなくなった、今時の日本人がここに表れていますよね。

 たしかに、伊勢物語だの、「名にし負はば いざ言問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」なんていう歌だのを知らなくても、今時まったく損はしません。でも、そういう教養を大事にしないことが、国産の品物をあまり買わない、という行動につながっているような気がしてなりません。言い過ぎは、もとより承知ですが。

 文句ついでに、申しますと新駅名は、なんで「とうきょうスカイツリー駅」なんでしょう。まさか、東京も読めないんですかね。

 東京を「とうきょう」にしたら、京に対する東っていう意味がわからなくなりますよね。

 「たいとう区」もそうです。台頭する区とか、中央区・文京区と対等な区とか思っちゃいませんかね。

 今だに住民が帯刀してる区とか思われちゃうかもしれませんよね、業平の読めない連中から。

追伸

 1/30実施予定の「ちんや すき焼き通検定」の、受検申込みの受付を始めました。早速応募メールが来ていて嬉しいですね。

 詳しくは、このブログの22年12/25号をご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて326日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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面倒な客

 「二条彪の特選教訓集 みんなで学ぶ 成功の心得No8 お客様への心得」という御本を毎週月曜日の、弊店の朝礼で輪読しています。

 1/17には項目No9「面倒な客を切れ?儲からない客を切れ?」を読みました。

 「最近は、効率化という名の下に、面倒なことを避ける風潮があります。(中略)

 面倒だからやらない、儲からないからやらない、という経営からは、志や使命・理念がまったく感じられません。

 こんなことをして、お客様の役に立つ。

 こんな困っている人を、助けていく。

 そんな志があるからこそ、面倒であっても儲からなくても仕事を続けていけるのです。」

 まさに、その通りと思います。

 売っているモノが、どこよりも安ければ、「面倒なことはやらない、儲からないことはやらない」でも行けるのかもしれません。

 しかし価格をそう安くできない、中小企業の場合は、お客様から経営の姿勢に共感していただかなくては、やって行けません。弊店も、安からぬ肉を売っているので、この辺りは心にとめないといけません。

 ただ、悩ましいのは、弊店のような商売の場合、

面倒なこと=人手のかかること であることです。

 一生懸命面倒なことをやっていると、人手は限られているので、他のお客様がオロソカになってしまいます。

 例えば、弊店の精肉売店で、コマ切れ2キロをお買い上げになり、その2キロを100グラムずつ×20個に分けて、パッキングして欲しい、というご要望があったりします。

 どうです?面倒ですよね。家で自分で小分けすれば良いのに、店に頼んでいるわけです。

 こういうことをしている間に、おり悪しく、他のお客様がやってくれば、お待たせすることになってしまいます。

 でも、その方が「ちんや」に見えたのは、そういうことをしてもらえるから、かもしれません。スーパーだとそういうことをしてくれないので、(当たり前ですが)、それで見えたのかもしれません。このサービスを断れば、「ちんや」もスーパーと同じという結果になります。

 ここで、問題なのは、働いている当人たちの「やらされ感」です。実際、感覚的には、自分で小分けする手間を押し付けられている、とも思えますから、「やらされ感」がぬぐえないでしょうね。

 そこを、この御本を読むことで、「お客様の役に立つ。」という志を再確認し、面倒なこともやって行こう、腹を決めてくれたら嬉しいですね。

 私も御役に立ちますよ。

 弊ブログで、笑いを提供してまいります。

追伸

 1/30実施予定の「ちんや すき焼き通検定」の、受検申込みの受付を始めました。早速応募メールが来ていて嬉しいですね。

 詳しくは、このブログの22年12/25号をご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて325日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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検定ツイッター

  先週末、真面目そうな中年男性が、10代の女子数人を連れて来店されました。その時間個室が満室だったのですが、

  どうしても個室が空くまで待つ、とおっしゃいます。

  はて、これはどうやらアキバの萌ビジネスの娘達に違いない、と思って見ていると、娘達は男性を「先生」と呼び、男性は練習の指示をしておられます。

  おっと、学校の先生でしたか。娘達にすき焼きを奢るってことは試合に勝ったんでしょうね。おめでとうございました。さて、

   このブログの12/25号に予告しました通り、 1/15から「ちんや すき焼き通検定」の受検申込みを受け付け始めましたが、意外な方から御申込みいただいて、嬉しく驚いています。

  意外な方というのは、自分の知り合いです。自分の知り合いに試験をするのって、微妙な気分ですよね。

 この検定は、世間の真面目な試験とは違いますので、仮に落ちても、そのことをジョークにして下されば良いのですが、そうはいかないタイプの人もいますよね。

  そもそも、この検定は問題と解答を公開していますので、しっかり暗記していただけば、そう間違いは無いと思うのですが、皆さん、社会人ですので、仕事が忙しくなったりすると、勉強時間がとれるか心配です。

  なるべく落ちないでいただきたいですが、コレばっかりは手伝えないのが、困ったところです。

  そこで50問の問題を、バラバラに1問ずつ、ツイッターでつぶやくことにしました。私の知人は、たいてい私をフォローしていますので、モバイル機器で仕事の合間とか移動時間とかに勉強していただければ、と思います。

  ところでこの検定試験のことを、プレスリリースしましたら、した先から広告出稿の誘いを受け、思わず申し込んでしまいました。

  「安くしますよ」とおっしゃるので・・・

  鴨られましたかね。1/19のデイリースポーツ1面に出ますので、ご笑覧を。

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箸やすめ

 弊店の和食調理長・Y田が、箸やすめを考案しました。

 箸やすめとは、価格が安めの箸のこと、では勿論なく、コース料理の間に、軽く食べる、小さい一皿のことです。たいていは冷製の、酸味を利かした味付けのもので、それを食べることによって、口の中をリフレッシュするのが目的です。つまりは口直しです。

 フレンチのコースの場合は、魚料理と肉料理の間に出てくることが多いですね。

 「ちんや」の場合、箸やすめの事情は少し違って、魚料理と肉料理の間ではなく、すき焼きを食べていて、口の中全体が甘辛くなった時に、リフレッシュすることを目的に、お出ししようと思っています。

 それと、もう一つの目的は、消化促進です。

 このブログの12/26号に載っている、「すき焼き検定」を良く読んだ方は、次のような問題があるのに気付かれたと思います。

問41②=地方のすき焼きの問題です。岐阜県の洞戸(ほらど)地方では、一部の農家が、すき焼きに、ある果物を入れて食べています。その果物とは何でしょう? 

A=柿、B=キウイ、C=葡萄

 答えはBです。

 キウイをすき焼きに入れると、キウイが持っている消化酵素の働きで、肉がやわらかくなるのだそうです。

 それで、箸やすめの内容も、キウイが中心です。キウイと大根おろしと甘酢を和えた、一皿です。大根が入っていますが、苦味はまったくないように出来ています。

 「ちんや」の肉は、もともと熟成させてあって、消化が良い=胃がもたれないわけですが、消化酵素入りの一皿を召し上がっていただくことで、さらに消化を良くしたいと思います。

 年配の方にとっては、世の中に食べにくい肉が多いと思います。「ちんや」でたくさん召し上がって、寿命を伸ばして(?)いただきたいです。

 2月あたりよりお客様にお出しします。

追伸

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激うま大賞

 1/15発売の雑誌「おとなの週末」2011年2月号に弊店が採り上げられました。

 この号は、創刊100号大感謝号!だそうです。雑誌受難の時代に100号は偉業ですよね。さて、表紙をめくると、

 おお、ウチの鍋の写真ではないですか。1ページ全面フルカラーで、目立ちます。

 弊店が今月の「激うま大賞」になったので、この位置に載った模様です。有り難いですね。

 紹介文には、次のように書いてあります・・・

 「今月号で紹介する各店の料理写真の中から、最も鮮やかで「旨そう!」と声を出したくなるカットを選びました。老舗の絶品すき焼き。いかがでしょう?

 写真は「楓」。肉は赤身と霜降りの盛り合せで125グラム。それぞれの美味しさを楽しめる。

 雌の黒毛和牛にこだわり、濃厚な旨味が特徴。

 すっきりとした甘さの割り下とも相性抜群だ。(後略)」

 お褒めいただき、恐縮です。

 文章表現も「旨い」の字を使っていただいて、弊店の目指しているイメージに近いです。

 どうせならタイトルの方も「ゲキ旨大賞」にしてみては?

 講談社から発売中ですので。皆様、ご購読を!

追伸

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 詳しくは、このブログの22年12/25号をご覧下さい。

 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて322日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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お忘れ物

 今週の、ある昼時弊店に財布をお忘れになった方がいました。

 財布だから、すぐお気付きになって、戻って見えるだろう、と思っていましたら、戻って見えません。

 そこで財布の中を調べたら、会社の「従業者証明書」が入っていました。証明書に職場の支店名が記載されていたので、その支店の電話番号を、グーグルで調べて電話をかけたら、

 「そういう者はおりません!」

 「え?退職されたんですか。去年の9月発行の証明書があるんですけど・・・」

 「そういうことはお答えできませんが、とにかく、おりません!」

 ムカ!怪しい電話だと思ったんですかねえ。

 一日経過したので、雷門の交番に届けに行きましたが、交番での手続きの最中に気付いたのは、道案内客のあまりの多さ・・・

 「帝釈天はどこですか?」

 それは浅草じゃなくて柴又だろ!

 っていうか、そういうことで警察の世話になるなよ!

 なんと申しましょうか、トホホな世相な見せられた出来事でした。

 新年会シーズン、皆様もお忘れ物には、お気をつけ下さい。

追伸 

 本日発売の雑誌「おとなの週末」(講談社)に弊店が採り上げられています。

 弊店が今月の「激うま大賞」で、表紙をめくるとすぐ載っています。ご購読を!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて321日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

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シューシャイン

  1/30に「ちんや すき焼き通検定」という検定試験を実施します。そのことをプレスリリースしましたら、した先から広告出稿の誘いを受け、思わず申し込んでしまいました。

「安くしますよ」とおっしゃるので・・・

  鴨られましたかね。1/19のデイリースポーツ1面に出ますので、ご笑覧を。さて、

  このブログの1/11号に書きました通り、年始の最初の火曜日に、椿山荘で「新年会」をして、その夜はフォーシーズンズ・ホテルに泊まりました。この高級ホテルのサービスで感心するのは、「シュー・シャイン」のサービスがあることです。

  「シューシャイン」とは、シュークリームのように甘いマスクの社員のこと、では勿論なく、靴を磨いてくれるサービスのことです。夜中の1時までに、部屋のドアノブに靴を入れた袋をくくりつけておくと、翌朝までに磨いてくれるのです。しかもタダです。

  有り難いでしょう! 泊まるたびに、毎回利用させていただいています。

  そういうサービスを、ウチ夫婦が泊まるようなヒマな日でも、一年中やっているのだから、大変なことです。当然、ちゃんと靴磨きが出来る人=つまりシュー・シャインの社員を一年中いつでも配置しておかないといけないわけです。その経費は、ホテルとしては甘いどころか、にがい負担と思いますが、続けているところは、大変感心します。

  と思っていたら、その翌日たまたまお見送りしたお客様から、

「靴磨きをしてくれる人は浅草にいますか」と聞かれました。

 思い出しますと、私が小さい頃、浅草の街の路上には、靴磨きのオジさん・オバさんがあちこちにいたものでした。また「ちんや」の下足番も靴磨きが出来ました。

  その昔は、下足番にチップを渡すのが一般的でしたので、チップに対する返礼として靴磨きをやっていたのです、下足のオジさんが自主的に。

  15年前に、私が「ちんや」に入った時も、そういうやりとりをしている常連さんが、まだ1〜2人いらしたように記憶していますが、その下足のオジさんが定年になるのと同時に、この習慣は消滅しました。

  当事の私には、「チップに対する返礼としての靴磨き」というやりとりが、なんだかヒドく卑屈に見えておりまして、それで当然、そのサービスを維持しよう、などとは思わず、そういう習慣がなくなったことを、むしろ内心喜んでいました。

  でも、最近考え方が変わってきました。

  職人技で作られた靴を大事にして持ち続け、料理屋に行く時には、そういう靴を履いていく、ということが行われなくなったら、ザンネンだ、そう思うようになりました。

  地場産業の中心地に店を構えているのだから、靴を作るとか、靴を磨くとかそういう仕事を応援する側にまわらないといけないな、と思うようになりました。

  もちろん、昔のようにチップはもらえませんから、この御時世、経費がイタいですし、第一、正しい磨き方を知りません。そういう次第で、こういうサービスを復活させるのは、簡単ではないですから、時間はかかると思いますが、視野に入れておいておきたいものです。

  もちろん、チップを下さっても良いんですよ。今なら喜んで頂戴します、はい。

追伸 

 明日発売の雑誌「おとなの週末」(講談社)に弊店が採り上げられます。ご購読を!

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玉泉寺と曽祖父

 このブログの、昨年の7/8号の続篇です。

 その号で、下田市(静岡県)の玉泉寺という御寺に、日本で初めて牛を屠殺したという碑が建っていて、建立者の中に、私のご先祖が入っている、ということを書きました。

 下田の玉泉寺という御寺は、日米関係史の中では、とても重要な所で、ペリー来航の後、最初にアメリカ総領事館が置かれた所です。1856年から3年弱、タウンゼント・ハリス総領事がここに滞在して、幕府との条約交渉に当たっていたのです。

 総領事や館員が住みますので、当然「牛肉を食べたい」ということになり、大変皮肉なことに、御寺の境内で殺生が行われたのです。
 境内の「仏手柑樹」(ぶっしゅかんじゅ)の木に牛がつながれ、屠殺されていったそうです。そして、この仏手柑樹の木の立っていた所に、屠殺されていった牛を弔うべく、昭和6年4月8日、東京の牛肉商たちによって、「牛王如来」が建立されました。 

 その建立の費用を寄進した人物の中に、私の曽祖父・住吉忠次郎と「今朝」Fさんのご先祖様が入っているのです。

 驚きましたのは、その「牛王如来」の、お披露目式の様子を撮ったビデオが出てきたことです。ビデオと言っても、昭和6年にビデオはありませんから、当事のニュースフィルムをビデオにコピーしたものですが、なにしろ、父の資料の中に在ったのです。

 それは10分ほどの、白黒の動画ですが、見ていてさらに驚いたのは、その派手な様子です。

 経をあげるお坊さんが、大勢、たぶん7〜8人いるだけでなく、お稚児さんが20人ほどぞろぞろと動員されています。全員に稚児の衣装を着せてあります。

 見物人も多数います、群衆と言っていい位大勢います。

 何で、こんなに人がいるんだ、という疑問は、見ていてその後すぐに解けました。経をあげ終わった後、御寺で芸者さんの踊りが披露されているのです。その数30人以上。「下田技芸組合」という大きな垂れ幕の下に、仮設舞台が造ってあり、そこで踊っています。群衆のお目当ては、そっちでしょうね、間違いなく。

 どうです、派手ですよね。

 でもザンネンながら、曽祖父の顔は確認できませんでした。

 なぜだか分かりませんが、画像の撮り方が上手くないのです。被写体をパンする時、カメラを振るのが、妙に速くて、上下にフラついていて、しかも左右に行きつ戻りつするのです。

 下手だなあ、撮影。

 それで曽祖父の顔は確認できず、でも「ちんや」の幟だけは確認できました。幟には、なぜだか「ちんや本店」と書かれていて「本店」の意味が不明ですので、そこはこれから調べたいところです。

 それにしても、派手ですよね。当事の肉屋って、儲かったんでしょうかね。生まれる時代を間違えました。

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すき焼きOFF会

 精肉売店の担当から、「へー」と思う話しを聞きました。

 1/8に、中年の男性ばかり数人の集団がやって来て、すき焼き用の肉と割下をかなり大量に買って下さった、というのです。

 お話しする内、その方々が、全員東京に単身赴任している方々で、これからメンバーの家で、すき焼き宴会をする、ということが分かったそうなのです。

 この方々、正月はおそらく故郷でお過ごしになったのでしょうが、その後すぐの1/8-1/10の三連休で再度帰郷は面倒ですよね、だから東京でお過ごしなのでしょう。でも三連休でヒマだし何かしたいなあ、ということで、単身者同志のすき焼き宴会を企てたのだと思います。

 去年9月、「ちんや」創業130年記念ホームページを開設し、このサイト上で「世界に一つだけの すき焼き思い出ストーリー」の募集を始めましたが、テーマとして圧倒的に多かったのは、家族の思い出でした。

 でも、すき焼きは、他人との仲を深める手段としても、かなり有効なハズで、もっと利用されて良いのに!と私は常々思っています。今回の方々が、この単身者宴会のことを「思い出ストーリー」に投稿してくれたらなあ、と思います。

 それにしても、この広い東京で、良く単身赴任の人ばかりが知り合えるものですね。

 媒介したのは、ネットかもしれません。今はソーシャル・ネットワーキング・サービスが色々ありますから、同じような境遇の人と効率的に知り合えますよね。その方々のOFF会なのかもしれません。

 「思い出ストーリー」投稿がメンド臭ければ、ツイッターで言って下さっても良いですね。

 すき焼きOFF会ナウ! とか、

 OFF会と言えば、すき焼きだぜ!

っていうような感じで。

 え? 田舎のヨメが読むとマズいって?

 ありゃあ、言っちゃったんですか、ツイッターやってるって、ヨメさんに。

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