待ち時間
平成23年年始の激闘営業も、中盤戦です。
1/2〜1/4の忙しさは去りましたが、まだ「成人の日」の3連休があるので、気は抜けません。
また「新春浅草歌舞伎」を浅草公会堂でやっていまして、筋書きに広告を出していますので、ご見物がえりのお客様にも「ちんや」へ来ていただいています。さて、
正月は、当然忙しいので、予約の無いお客様には、長時間お待ちいただくわけですが、そういう場合に、その方の人間性が現れるもので、観察していると勉強になります。
すき焼きは食べたい、しかし「30分待ちです」とか「1時間待ちです」とか、自分の気に入らない状況を告げられた時に、人はどう反応するか・・・いろんな方がいるものです。
一番合理的なのは、大人しく待つことです。年始の浅草で、予約をしていなければ、待たずに美味い食事にありつくのは困難です。それをすぐ了解して、ジタバタしないのが、一番早道と言えます。
でも、ジタバタなさる方もおいでです。今年の1/3の昼時には、同じ方が同じ日に3度もやって来ました。
その方、最初の時「1時間待ち」とお話しすると、すぐに諦めて、出て行かれました。
20分ほどして、またやって来たのですが、その間に別の方が、中に入って待ち始めたので、待ち時間が最初よりさらに延びてしまいました。2度目には「1時間半以上待ちです」と宣告されて出て行かれたので、「もう戻っては見えないだろうな」と思っていると、なんと、それから小1時間ほどして、またやって来たのです。
さすがに、その頃には、昼のピーク時も過ぎていたので、25分ほどの待ち時間で、ご案内することが出来ました。要するに、「ちんや」のすき焼きにありつくまで、おおよそ2時間を費やしたわけです、その方は。
有り難いことは有り難いですが、「待たされた」「疲れ果てた」という印象が残るのは、微妙な気分ですね。
困るのは、「じゃあ、1時間後にまた来るから席取ってといて!名前は、
戻手来須男ね。モドリテ・コズオって言うから!」と言い捨てて出て行こうとする人です。
そういうタイプの方の内、結構な割合の方が、戻っては見えないのです。そう、ノー・ショーなのです。
歩いている途中で他に空いた店が見つかるのか、あるいは、家に帰りたくなるのか、理由は知りませんが、見えないことが結構あるのです。しかも、連絡をよこさないのが御約束です。その間取っておいた席は、空かしっぱなしですから、こちらにとっては損害です。
性悪説に立ちたくはないのですが、これには私も懲りまして、数年前から、そうした短時間の予約は受け付けないことにしました。
今は、1時間でも、2時間でも、あくまでも、中で待っていただきます。
店に入った後、出かけるのは構いませんが、全員の外出は許しません。どなたか御一人は必ず中に残っていただきます。
このような強気とも思える手段を、不快に思う方も、勿論、おいでです。ワザと強気にしているわけではなく、自己防衛なのですが、受け取りようによっては、強気=態度がデカいとも見えます。
3年ほど前の、松ノ内のある日、外国の方と御二人で道中のお客様が、弊店の席を待つハメになりました。そして中へ入った後、その外人さんは日本語が出来ないから、どうしても一緒に外出したい、と言い出しました。
それが拒否されると、今度は、自分は、ここの御主人と同じ大学の卒業だ、先輩だぞ、と言い始めました。そう、かのテイノウ義塾大学のご卒業だそうな。
わが母校の雑誌「三田評論」に広告を出しているので、私が低脳、イヤ慶應出なことをご存じだったのでしょう。でも、その本人が今貴殿で話している人物ですよ、ということには、どうやら気がつきません。
店の態度がデカいので、自分もデカい態度をとりたくなったのでしょうが、そんなことは言わずもがな、ですよね。ムカ。かえって私の心証を害する結果となりました。
その方を、結局外出させましたが、1時間後ではなく、1時間50分後に戻ってきました。ムカムカ。
そこで、そうして戻ってきた、その先輩に私は言いました、
「お食事できる御席を、後ろの予約の方が見えるまで、2時間空けてあったのですが、遅く戻って見えたので、1時間10分になってしまいました。どうなさいますか。すき焼きを食べるには、最短1時間30分かかりますから、大急ぎで召し上がっていただくことに成りますね。え?それで良い?ありがとうございます。さすがです。ご高配に感謝いたします・・・」
本当は、後ろの方との間には、少し余裕の時間をとってはあるのですが、そういうことは申すハズもありません。だって、予約時間より30分位早く見える方はザラですからね、特に正月は。
さて、そうして食べ始めた、その先輩、食べ始めてから40分後に係から「ラスト・オーダー」を宣告された時は、さすがに不快げだったらしいのですが、自得な話しであることは申すまでもありません。
皆様、お正月こそ、ご利用は計画的に。
追伸
年明けは1/1だけ休ませていただき、1/2〜1/10は続けて営業いたします。1/11は悪しからず休業させていただきます。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて313日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。
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