シューシャイン
1/30に「ちんや すき焼き通検定」という検定試験を実施します。そのことをプレスリリースしましたら、した先から広告出稿の誘いを受け、思わず申し込んでしまいました。
「安くしますよ」とおっしゃるので・・・
鴨られましたかね。1/19のデイリースポーツ1面に出ますので、ご笑覧を。さて、
このブログの1/11号に書きました通り、年始の最初の火曜日に、椿山荘で「新年会」をして、その夜はフォーシーズンズ・ホテルに泊まりました。この高級ホテルのサービスで感心するのは、「シュー・シャイン」のサービスがあることです。
「シューシャイン」とは、シュークリームのように甘いマスクの社員のこと、では勿論なく、靴を磨いてくれるサービスのことです。夜中の1時までに、部屋のドアノブに靴を入れた袋をくくりつけておくと、翌朝までに磨いてくれるのです。しかもタダです。
有り難いでしょう! 泊まるたびに、毎回利用させていただいています。
そういうサービスを、ウチ夫婦が泊まるようなヒマな日でも、一年中やっているのだから、大変なことです。当然、ちゃんと靴磨きが出来る人=つまりシュー・シャインの社員を一年中いつでも配置しておかないといけないわけです。その経費は、ホテルとしては甘いどころか、にがい負担と思いますが、続けているところは、大変感心します。
と思っていたら、その翌日たまたまお見送りしたお客様から、
「靴磨きをしてくれる人は浅草にいますか」と聞かれました。
思い出しますと、私が小さい頃、浅草の街の路上には、靴磨きのオジさん・オバさんがあちこちにいたものでした。また「ちんや」の下足番も靴磨きが出来ました。
その昔は、下足番にチップを渡すのが一般的でしたので、チップに対する返礼として靴磨きをやっていたのです、下足のオジさんが自主的に。
15年前に、私が「ちんや」に入った時も、そういうやりとりをしている常連さんが、まだ1〜2人いらしたように記憶していますが、その下足のオジさんが定年になるのと同時に、この習慣は消滅しました。
当事の私には、「チップに対する返礼としての靴磨き」というやりとりが、なんだかヒドく卑屈に見えておりまして、それで当然、そのサービスを維持しよう、などとは思わず、そういう習慣がなくなったことを、むしろ内心喜んでいました。
でも、最近考え方が変わってきました。
職人技で作られた靴を大事にして持ち続け、料理屋に行く時には、そういう靴を履いていく、ということが行われなくなったら、ザンネンだ、そう思うようになりました。
地場産業の中心地に店を構えているのだから、靴を作るとか、靴を磨くとかそういう仕事を応援する側にまわらないといけないな、と思うようになりました。
もちろん、昔のようにチップはもらえませんから、この御時世、経費がイタいですし、第一、正しい磨き方を知りません。そういう次第で、こういうサービスを復活させるのは、簡単ではないですから、時間はかかると思いますが、視野に入れておいておきたいものです。
もちろん、チップを下さっても良いんですよ。今なら喜んで頂戴します、はい。
追伸
明日発売の雑誌「おとなの週末」(講談社)に弊店が採り上げられます。ご購読を!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて320日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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