業平橋
建設中の東京スカイツリーの最寄り駅・東武鉄道の業平橋駅が、ツリー開業の来年春、「とうきょうスカイツリー駅」に改名されるそうです。
「スカイツリーの最寄り駅はどこですか。」
という電話やメールが東武さんに殺到しているでしょうから、その対応に忙殺されている、社員さんの手間を減らすためにも、改名は必要かもしれません。
でも平安時代の歌人・在原業平にちなんだ駅名の変更だけに、地元住民の方からは複雑な反応が出ているようです。
改名に反対する意見を受けて、東武さんも「とうきょうスカイツリー(旧業平橋)駅」などの表記を検討中なのだそうですが、それでも反対派はしぶとく、「業平橋(とうきょうスカイツリー)駅」が良い、と主張しているとか、昨日の読売新聞が伝えていました。
実は、私は今回の改名に別段驚きませんでした。
東武さんは1981年に杉戸駅(埼玉県宮代町)を東武動物公園駅に改名した前科、いや実績があるからです。
私は子供の頃、隅田川の鉄橋を渡る東武の列車を眺めるのが好きでしたが、その頃各駅停車の終点は、たいてい杉戸駅でした。だから、杉戸行きの電車を見るたび、子供の狭い世界のはるか先の、電車の終点の杉戸って、どんなスゴい所だろう、と思いをはせたものでした。
実際は車両基地があるんですけどね。
「杉」という漢字や、鬼怒川温泉駅の「鬼」「怒」「温泉」という漢字も覚えました。駅名の漢字をどんどん覚えたので、小学校の漢字の試験がいつも簡単に思えました。
だから杉戸駅が東武動物公園駅に変わった時は、かなりショックでした。だから業平橋周辺にお住まいの方が、愛着を捨てきれないのは、良くわかります。
でも、私が「!」と思ったのは、改名の、もう一つの理由の方です。
「駅名の認知度が低く、「ぎょうへいばしえき」などと誤読されることが多い」のも理由の一つなのだそうです。
一般教養を大事にしなくなった、今時の日本人がここに表れていますよね。
たしかに、伊勢物語だの、「名にし負はば いざ言問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」なんていう歌だのを知らなくても、今時まったく損はしません。でも、そういう教養を大事にしないことが、国産の品物をあまり買わない、という行動につながっているような気がしてなりません。言い過ぎは、もとより承知ですが。
文句ついでに、申しますと新駅名は、なんで「とうきょうスカイツリー駅」なんでしょう。まさか、東京も読めないんですかね。
東京を「とうきょう」にしたら、京に対する東っていう意味がわからなくなりますよね。
「たいとう区」もそうです。台頭する区とか、中央区・文京区と対等な区とか思っちゃいませんかね。
今だに住民が帯刀してる区とか思われちゃうかもしれませんよね、業平の読めない連中から。
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