溶けるトイレット・ペーパー
8/27に浅草料理飲食業組合の役員会がありました。
この時話題になったのは、外国人観光客のマナーの問題です。迷惑している店もあるようで、なにか啓発のための、サインかポスターが必要だ、という意見が出ていました。
外国人の方には全く悪気がないのに、受け入れ店にとっては迷惑至極なケースがあります。例えば、トイレット・ペーパー。
私も最近知りましたが、トイレット・ペーパーは世界中どこでも水に溶けるわけではないようです。
水に溶けなければ、便器に流せませんね。だから、トイレット・ペーパーが水に溶けない国から来た人は、使用済みの、良い香りのペーパーをトイレの室内に置き捨てて(!)行ってしまうのです。
最初にその行為を目撃した、店の人の驚きは、どれほどだったでしょう。
また物を買うときに値切るのは、ごく当然と思っている人種もいます。これに腹を立てている、浅草の商売人は多いです。
しかし、そういう人をバカにしてはいけません。日本だって近代的小売業=デパートメントストアが誕生して「正札掛け値無し」と宣言するまでは、値切るのがごく当然だったのです。
だから、その昔店側は、値切られても利益が出るよう、最初から高めに値をつけていました。あるいは、そもそも値段を表示せず、客によって値段を上下させる店も多かったようです。つまり、日本が少し先に近代化しただけのことです。
これまで日本に観光に来ていた方々は、日本より先に近代化した欧米の方ばかりでしたが、状況は変わり、日本より後発の国の方も、たくさん観光に見えるようになりました。
要するに、浅草サイドが先方の習慣を知り、やられて困ることは最初から禁止事項として掲示するよりないと思います。日本が好きで日本に観光に見えているわけですから、禁止されているのに、あえて反抗するような人は、そういないと思います。
例えば、いくらカッコ良くても、「ちんや」の社長には「肖像権」という近代的権利があるので、所属事務所に断らずに、やたらめったら写メを撮ってはいけない、とか、ね。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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