グーグルの検索窓に「バブル世代」と入れますと、
バブル世代 使えない
バブル世代 無能
バブル世代 リストラ
バブル世代 あるある
という文字列が並びます。
私を含む、この世代は、どうやら世間からそう診られているようです。トホホなことですね。
ここであらためて正確に書きますと「バブル世代」とは、バブル景気の時期(1987年-1991年)に就職した世代のことを言います。
かく申す私も1988年春の大学卒業ですから、ジャスト・バブル世代です。そして、この春、この世代が卒業30年を迎えました。そう、実は今年は私達の卒業30周年の年なのです。
ですので、ブログ三千日連続更新記念で書くネタとしてちょうど良いと考え、
「バブル世代のバブル噺」を書いてみることにしました。今日は、その第三回です。
さて今回のバブルは、浅草に関して言えば、「インバウンド・バブル」の様相を呈しています。
最近浅草で建設ラッシュが起きているのです。永く続いたお店さんが店をたたまれて、インバウンド狙いの新手の店が続々出来ています。
最近地下鉄浅草駅には不動産屋さんの電飾広告が出ました。駅の電飾と言えば料理屋や菓子屋が定番で、BtoBの業種の広告などこれまで浅草駅ではまず見かけませんでしたが、出ました。
これを喜ばしいことと思う人もおいでのようです。
しかし、東京のビルを壊して、新しいビルを東京に建てるのって、昭和のバブルとおんなじじゃないですか、ね?
成長する方法って、スクラップ&ビルドしかないんですか、ね?
成長の質って、問われないんですか、ね?
質が下がるのなら、無理に成長しなくても良いんじゃないですか、ね?
今経営者と投資家がゆるゆるの投資計画に夢中になっているように思います。
スキルが「いまいち」な労働者が、こんなオレでもどっかの会社で、どうにか働けるだろうよと楽観しているように思います。
実際、緩くて使命感の乏しい不動産投資計画が街を壊すことが、本当にあります。
花柳界を観て下さい。花柳界には総合的な日本文化が集積していますが、その文化に日本人が金を惜しむようになった結果、長期衰退の傾向にあります。そして、その料亭さんに今緩い投資ばなしが舞い込んで来ます。
そんな儲からない商売をなさっているより、広い土地をお持ちなんですから、いっそのこと廃業して、マンションを建てて不動産経営をなさいませんか?!民泊だって出来ますよ!
マンションたった1棟を建てるために、芸事に励んできた芸者衆の出先が無くなるんですよ。結果、花柳界のド真ん中にマンションが立って、新住民は夜間の喧騒にクレームを入れてきます。何言ってんの?夜賑やかなのが花柳界でしょうが!!
街が壊れるというのは、こんな感じです。パラドキシカルなことに、景気の良い時に街は壊れるのです。不景気な時は頑張ってきたのに。
長寿企業研究・老舗研究の先生方が嘆いておいでのように、企業を長生きさせることに意義はない、経済というのは新陳代謝を良くした方が良いんだと考える人達がいます。
新陳代謝した方が経済成長が高まるという考えですが、そういう考えの輩がマンションを建てているのです。
しかしですね。冷静に考えてみますと、環境が良い時だけ成立する仕事、つまり昨今浅草で流行っているような仕事って、環境が良くなくなったら、成立しなくなりますよね。
インバウンド客狙いの業者もそうですね。
なのに日本人はムードに流されます。日本人の集団志向・絆の強さは、災害時には良い方向に作用しますが、同時に日本という国は、その集団志向による失敗をし易い国であって、平時や景気良さげなムードの時には特に気をつけないといけません。
逆に生き残った老舗はこれまで、そういう失敗から身を守って来ました。平時の老舗の姿勢の根本は懐疑主義あるいはバランス感覚であるべきだと私は考えています。
災害時に地震の揺れや津波は建物を破壊しますが、それは本当の資産ではありません。日本人が本当の資産であるソフトウエアとお客様との関係を大切にし続ければ、これからも残って行く企業はあると思います。
反対に、浮ついたムードは人の心を壊します。
地震は人の心を壊せません。津波も人の心を壊せません。火山も、台風も、戦争も人の心を壊せません。なのに、それらが壊せなかった人の心を、いっときの利益の為に失ったらかなり悲しいと私は今深く心配しています。
結局薬局、成長の質って、問われないみたいですよ、皆さん・・・
さてさて、「バブル世代のバブル噺」でしたが、書いていて、自分がつまらなくなってきましたので、この辺りで止めにして、明日からは、元の食べ物ブログに戻ります。よろしく哀愁。
(『よろしく哀愁』~歌:郷ひろみ、作詞:安井かずみ、作曲:筒美京平。1974年=バブル世代が小学生だった頃の流行歌)
あ、そうそう、大変遅くなりましたが、ここで一言御礼を申し上げます。
御蔭様にて三千日連続更新を達成しました。三千日に渡る御愛読に心より感謝いたします。在り難うございました。
五千日連続更新まであと1.999日です(笑い)
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。