みりん

日大アメフト部の「殺人タックル」問題がネットで炎上していますね。そんなコメント欄を読んでいて、私は不謹慎にも、怒るより笑ってしまいました。曰く、
「スポーツマンシップのみりんもない卑劣な指導者に大学生まで感覚を麻痺させられてしまっている異常事態。日大生、日大卒業生にまで泥を塗りながら、逃げまくる監督!恥だ!早く辞任しろ!」
「みりん」って「味醂」ですか、ね?
それを言うなら、「微塵」(みじん)ではないでしょうか。
みじん「微塵」とは・・・
1 非常にこまかいちり。
2 物が割れたりして、 非常にこまかくなること。「茶碗が微塵に砕ける」「粉微塵」「木っ端微塵」
3 (下に打消しの語を伴う)量や程度がごくわずかであること。「微塵の敵意もない」「微塵も違いがない」
「微塵切り」という言葉がありますから、たしかに「微塵」も「味醂」も料理用語ではありますが、以前なら間違って使うとかあり得ませんでしたよね。だって、チリと液体ですから、間違うはずがないです。
でも、今どきはご家庭で「味醂」を用意しておいて料理に入れたりはせず、最初から甘味を添加した既成品の調味料を使う方が普通でしょう。それで、きっと味醂に馴染みがなく、語感だけに頼って「みりんも無い」と言ってしまったのだと想像します。
「みりんも無い」という言葉は、まさに、その方の台所に味醂が無いことを意味しているのだと思います。
今年は明治百年。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.005日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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ヒデキ、カンゲキ!

西城秀樹さんが亡くなりました。
ヒデキさんの芸能史における存在の大きさは、さんざん報道されていますので、ここでは避けますが、訃報記事の最後に「ドラマやカレーのCMなどテレビの世界でも人気を集めた。」と書かれていたことも注目すべきと思います。
「ヒデキ、カンゲキ!」という、あまりに有名なセリフが生まれたのは、ハウス食品「バーモントカレー」のCMでした。1973年から85年までキャラクターを務め、カレーを国民食にするのに大きく貢献しました。ヒデキさんの訃報に接して、ハウス食品さんは「CMのおかげもあって、今日カレーライスが国民食とまで言われ、皆さまに愛されるようになりましたものと大変深く感謝しております」とコメントを寄せたそうです。
この「バーモントカレー」には、ヒデキさんのインパクトだけでなく、味の面でも特筆すべき点がありました。甘味です。
ヒデキさんのCMによって、カレーという辛い食品に、リンゴとハチミツが加えられていることを初めて知った人も多いと思います。1965年生まれの私もそうです。
これにより、辛い味付けの大人向けメニューだったカレーが、広く家庭の食卓に浸透しました。そして、インドのカレー料理とはかなり趣を異にする、日本の甘いカレーライスが定着することになったのです。
甘いカレーに違和感を抱く外国人が少なくないことは、以前弊ブログにも書きましたが、実に余計なお世話です。日本のカレーライスは日本独自の洋食Yo-shokuとして確立したものと言えると思います。
ヒデキさんのCMは、すき焼き業界にも影響を与えました。
放送開始から43年後の2016年に、私がカレーオイル入りの溶き卵を発売したのです(笑い)
この時、リンゴとハチミツの「バーモントカレー」が広く国民に受容されていたことを知っていたので、なんの躊躇もなく実行できました。甘辛いすき焼きにカレーを加えること自体は映画監督の小津安二郎(1903年~63年)が試みていましたので、まったく初めてのことではありませんでしたが、やはりCMの印象は大きかったです。
日本でカレーに関わる人はヒデキさんを永久に記憶するべきだと思います。

追伸、
本日は三社祭の最終日です。
本日は早朝から夜まで、浅草神社本社の神輿三基が各町会を渡御します。渡御ルートや現在地は浅草神社さんのサイトで見られますので、確認の上お出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.004日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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ツアー

とある超高級ホテルのコンシェルジュさんを呼んで、日頃どんなお仕事をなさっているか聞かせていただくという会議が先日ありまして、私も参加しました。
そのホテルは所謂「富裕層」向けで、客はほとんど外国人。一日仕事して日本語を話さないこともあるのだとか。
そんなお仕事の中で、そのコンシェルジュさんが力を入れているのが、
ミニツアーの開催です。
宿泊客が、例えば和菓子店のバックヤードを見学できるようにして、車とガイドさんも付くというプランを組んでいるのだとか。
「普通の客ではさせてもらえない体験」
が必ず付くというのが、そのツアーの「売り」です。誠に結構なことです。
が、私が思ってしまったのは、
なんで日本人相手にはやらないんだろう?
日本人といっても東京に馴染みのない人は大勢います。
ましてや有名店のバックヤードを見たことのない人は大勢いますよね。
外国人ばかりが日本文化に造詣が深くなる昨今て、なんだかなあ、と思ってしまいます。

追伸、
20日まで三社祭が開催されています。
本日は正午より浅草寺本堂裏手で、各町会神輿の「連合渡御」が行われます。
浅草神社本社の神輿が出るのは、明日です。どうぞ、お出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.003日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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イベント地獄

東洋経済オンラインで、
「徳島の阿波踊りが「イベント地獄化」した理由~観光客120万人超、補助金投入でも大赤字の謎」
という記事を見つけました。「まちビジネス」事業家の木下斉さんという方の文です。
普通の人は、「阿波踊り」ほどのイベントでも儲からないのか?!謎だ!と思ってしまいますが、この文の筆者は逆で、地方のイベントは「イベント地獄化」することが大変多く、よほどの工夫がないと疲弊して行くだろうと指摘してします。
そして私は、「地方の」を取って、東京の商店街のイベントでも同じだよなあ!と思ってしまいました。商店街とか街のことに関わる人は、この文をお読みになった方が良いと思います。
さて、「阿波踊り」を主催する徳島市観光協会の累積債務はおよそ4.2億円で、返済の見込みがないと聞きます。それが昨年明るみに出て、大騒動になっていますね。
そうなってしまった理由の第一は、木下さんによれば、
・ 客数増のために、無料でなんでもやってしまう。
「一大事業は観光客数、動員数といった「人数」を追い求めるようになります。そのため、集客数をあげるためにはなんでも無料サービスを展開してしまいがちになります。ただし、人が来れば来るほど、当然ながら対応する人員、施設の維持などに多額の予算が必要となり、運営赤字が拡大。「経済効果があるから地域にとっては大きなプラス」などといいながら、肝心の「経済効果から稼ぐ仕組み」を作らず、あろうことか、補助金を入れてもなお赤字の事業構造も放置されてしまうのです。」
街のイベントの成績は動員数だけで評価されることがほとんどです。そして、そこへ来た人が散財したお金がどの程度かは、精査されないことがほとんどです。
そして、イベントを盛大にしようと、無料サービスを追加すればするほど、質の低い客、つまりお金を使わない客が集まるようになって行くのです。
例えば、地方のイベントにたいてい登場する「ゆるキャラ」の場合はどうでしょう?
「ゆるキャラ」と握手しよう!
という無料サービスに惹かれてやって来る客は、その土地の工芸品を買うでしょうか?
絶対買わないとは申しませんが、まず買わないでしょう。
要するに、そういう方法では地方は活性化せず、地場製品の本当の魅力と発信力を向上させるしか地方の活性化も、街の活性化もないのですが、実際は日々イベントばかりが行われています。
街を賑やかにしたいのが人のサガだから、効果が?と知りつつ、イベントをやってしまうのだろうと思います。しかし、その流れを止めねば疲弊するばかり。
「観光客120万人超、補助金投入でも大赤字の謎」
地方の方だけでなく、街に関わる人は、この記事を読んだ方が良いと思います。

追伸、
本日から20日まで三社祭が開催されます。
本日はお神輿は出ませんが、13時から名物「大行列」が浅草の街を練り歩きます。どうぞ、お出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.002日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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こだわり

さて3.001日めです。いつもの「ぼやきブログ」に戻したいと思います(笑い)
今日は「こだわり」という言葉について。
私は今日、この言葉の用法・ニュアンスを元に戻すことを提案したいと思います。
元々この言葉は良い意味で使われませんでしたが、1980年代から良い意味でも使われだしたとかで、いまや、テレビのグルメ番組で「こだわり」は、完全に良い意味です。
およそ、旨い食べ物を造るには、バランスあるいは塩梅が大事だと思うのですが、
当節「売り」(=セールスポイントのこと)を際立たせるために、テレビの影響を受けたのか、過剰な「こだわり」を言いつのる造り手さんが増えました。
肉の場合、「こだわり」は「A5」(=過剰なサシ)でした。
私が昨年1月に、霜降りと赤身のバランスが良い肉を使うと宣言(=「適サシ肉宣言」)して、その流行りから脱出させていただいたのは、ご高承の通りです。
日本酒の場合は超高精米(=「磨き」)が、それですね。
過剰に磨けば、たしかに希少性・高級感は増しますが、米の表面にある、苦味・渋味・酸味が全く無くなってしまい、甘辛いだけの飲み物になってしまいます。
それを持て囃しているのが、当節の東京市場だと、蔵の方々はボヤいています。
でも、彼らが酒販店やレストランに酒を売ってもらおうと営業に行くと言われるのだそうです。
オタクの「こだわり」は何?
トホホですねえ。ここで伺いますが、
皆さん、自分の舌で味わって、心底、超高精米酒が旨いですか、ね?
私は「Ricey」な酒つまり米の多様な魅力が割拠している酒が旨いと思うんですけどねえ。
精米歩合を過剰に上げるという「こだわり」は、悪い意味で語られないといけません。
「こだわり」という言葉を、悪い意味に戻しましょうよ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.001日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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住吉史彦のブログ三千日連続更新記念 三夜連続シリーズ「バブル世代のバブル噺」その第三回

グーグルの検索窓に「バブル世代」と入れますと、
バブル世代 使えない
バブル世代 無能
バブル世代 リストラ
バブル世代 あるある
という文字列が並びます。
私を含む、この世代は、どうやら世間からそう診られているようです。トホホなことですね。
ここであらためて正確に書きますと「バブル世代」とは、バブル景気の時期(1987年-1991年)に就職した世代のことを言います。
かく申す私も1988年春の大学卒業ですから、ジャスト・バブル世代です。そして、この春、この世代が卒業30年を迎えました。そう、実は今年は私達の卒業30周年の年なのです。
ですので、ブログ三千日連続更新記念で書くネタとしてちょうど良いと考え、
「バブル世代のバブル噺」を書いてみることにしました。今日は、その第三回です。

さて今回のバブルは、浅草に関して言えば、「インバウンド・バブル」の様相を呈しています。
最近浅草で建設ラッシュが起きているのです。永く続いたお店さんが店をたたまれて、インバウンド狙いの新手の店が続々出来ています。
最近地下鉄浅草駅には不動産屋さんの電飾広告が出ました。駅の電飾と言えば料理屋や菓子屋が定番で、BtoBの業種の広告などこれまで浅草駅ではまず見かけませんでしたが、出ました。
これを喜ばしいことと思う人もおいでのようです。
しかし、東京のビルを壊して、新しいビルを東京に建てるのって、昭和のバブルとおんなじじゃないですか、ね?
成長する方法って、スクラップ&ビルドしかないんですか、ね?
成長の質って、問われないんですか、ね?
質が下がるのなら、無理に成長しなくても良いんじゃないですか、ね?
今経営者と投資家がゆるゆるの投資計画に夢中になっているように思います。
スキルが「いまいち」な労働者が、こんなオレでもどっかの会社で、どうにか働けるだろうよと楽観しているように思います。
実際、緩くて使命感の乏しい不動産投資計画が街を壊すことが、本当にあります。
花柳界を観て下さい。花柳界には総合的な日本文化が集積していますが、その文化に日本人が金を惜しむようになった結果、長期衰退の傾向にあります。そして、その料亭さんに今緩い投資ばなしが舞い込んで来ます。
そんな儲からない商売をなさっているより、広い土地をお持ちなんですから、いっそのこと廃業して、マンションを建てて不動産経営をなさいませんか?!民泊だって出来ますよ!
マンションたった1棟を建てるために、芸事に励んできた芸者衆の出先が無くなるんですよ。結果、花柳界のド真ん中にマンションが立って、新住民は夜間の喧騒にクレームを入れてきます。何言ってんの?夜賑やかなのが花柳界でしょうが!!
街が壊れるというのは、こんな感じです。パラドキシカルなことに、景気の良い時に街は壊れるのです。不景気な時は頑張ってきたのに。

長寿企業研究・老舗研究の先生方が嘆いておいでのように、企業を長生きさせることに意義はない、経済というのは新陳代謝を良くした方が良いんだと考える人達がいます。
新陳代謝した方が経済成長が高まるという考えですが、そういう考えの輩がマンションを建てているのです。
しかしですね。冷静に考えてみますと、環境が良い時だけ成立する仕事、つまり昨今浅草で流行っているような仕事って、環境が良くなくなったら、成立しなくなりますよね。
インバウンド客狙いの業者もそうですね。
なのに日本人はムードに流されます。日本人の集団志向・絆の強さは、災害時には良い方向に作用しますが、同時に日本という国は、その集団志向による失敗をし易い国であって、平時や景気良さげなムードの時には特に気をつけないといけません。
逆に生き残った老舗はこれまで、そういう失敗から身を守って来ました。平時の老舗の姿勢の根本は懐疑主義あるいはバランス感覚であるべきだと私は考えています。
災害時に地震の揺れや津波は建物を破壊しますが、それは本当の資産ではありません。日本人が本当の資産であるソフトウエアとお客様との関係を大切にし続ければ、これからも残って行く企業はあると思います。
反対に、浮ついたムードは人の心を壊します。
地震は人の心を壊せません。津波も人の心を壊せません。火山も、台風も、戦争も人の心を壊せません。なのに、それらが壊せなかった人の心を、いっときの利益の為に失ったらかなり悲しいと私は今深く心配しています。
結局薬局、成長の質って、問われないみたいですよ、皆さん・・・

さてさて、「バブル世代のバブル噺」でしたが、書いていて、自分がつまらなくなってきましたので、この辺りで止めにして、明日からは、元の食べ物ブログに戻ります。よろしく哀愁。
(『よろしく哀愁』~歌:郷ひろみ、作詞:安井かずみ、作曲:筒美京平。1974年=バブル世代が小学生だった頃の流行歌)

あ、そうそう、大変遅くなりましたが、ここで一言御礼を申し上げます。
御蔭様にて三千日連続更新を達成しました。三千日に渡る御愛読に心より感謝いたします。在り難うございました。
五千日連続更新まであと1.999日です(笑い)
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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住吉史彦のブログ三千日連続更新記念 三夜連続シリーズ「バブル世代のバブル噺」その第二回

グーグルの検索窓に「バブル世代」と入れますと、
バブル世代 使えない
バブル世代 無能
バブル世代 リストラ
バブル世代 あるある
という文字列が並びます。
私を含む、この世代は、どうやら世間からそう診られているようです。トホホなことですね。
ここであらためて正確に書きますと「バブル世代」とは、バブル景気の時期(1987年-1991年)に就職した世代のことを言います。
かく申す私も1988年春の大学卒業ですから、ジャスト・バブル世代です。そして、この春、この世代が卒業30年を迎えました。そう、実は今年は私達の卒業30周年の年なのです。
ですので、ブログ三千日連続更新記念で書くネタとしてちょうど良いと考え、
「バブル世代のバブル噺」を書いてみることにしました。今日は、その第二回です。

さて昭和のバブル経済から30年ですが、日本経済は進歩したでしょうか?今回のシリーズで書きたいのは、そこです。
観望しまするに、今またバブルが湧き起ろうとしていますね。
昭和のバブルが起きたのは、1985年のプラザ合意後の「円高不況」に対処するためでした。当時の日本経済は輸出に依存していたため、円高で輸出産業が大打撃を受け、町工場の倒産が続出していました。それで金融緩和と財政出動も行われました。それがやがて制御不能になって行き、バブルに成りました。
一方、今回のバブルの元は「異次元緩和」ですね。リーマンショックや東日本大震災で痛んだ日本経済を上向かせるため、2013年に始まりました。オリンピックとからめることで建設ラッシュを起こしましたが、肝心の物価を上げることはできていません。
このように2つのバブルは、政策的にスタートした点が似ていますが、昭和のバブルと今回バブルとで違う点を、私は一つ指摘しておきます。
昭和のバブルは浅草にあまり関係がなかったのに対して、今回のバブルは浅草にかなりの影響があるのです。これは実に重要ですよね(笑い)
「観光立国」がスタートしたのは小泉政権のことで、昭和のバブルは、それ以前のことでしたから、金融緩和によって円レートが下がっても、インバウンド観光客はあまり増えませんでした。
しかし、今回は増えました。日本の横に中国という大きい経済が出来たことも、大きな違いですね。だから、今回のバブルは、浅草に関して言えば、「インバウンド・バブル」の様相を呈しているのです。
最近浅草で建設ラッシュが起きています。永く続いたお店さんが店をたたまれて、インバウンド狙いの新手の店が雨後のタケノコのように出来ています。
これを喜ばしいことと思う人もおいでのようです。
しかしですよ、東京のビルを壊して、新しいビルを東京に建てるのって、昭和のバブルとおんなじじゃないですか、ね?
成長する方法って、スクラップ&ビルドしかないんですか、ね?
成長の質って、問われないんですか、ね?
質が下がるのなら、無理に成長しなくても良いんじゃないですか、ね?
地方の、人口減少が続いている土地で、腕のたつシェフが空き家を改装して良い雰囲気のレストランを始めるのなら間違いなく良い成長です。が、浅草の昔懐かしい店を潰して、立ち食いスイーツの店にするのは良い成長ですか、ね?
質が下がるのなら、無理に成長しなくても良いんじゃないですか、ね、皆さん?
<明日の弊ブログに続く>

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.999日連続更新を達成しました。三千日連続更新まであと一日です。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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住吉史彦のブログ三千日連続更新記念 三夜連続シリーズ「バブル世代のバブル噺」その第一回

グーグルの検索窓に「バブル世代」と入れますと、
バブル世代 使えない
バブル世代 無能
バブル世代 リストラ
バブル世代 あるある
という文字列が並びます。
私を含む、この世代は、どうやら世間からそう診られているようです。トホホなことですね。
ここであらためて正確に書きますと「バブル世代」とは、バブル景気の時期(1987年-1991年)に就職した世代のことを言います。
かく申す私も1988年春の大学卒業ですから、ジャスト・バブル世代です。そして、この春、この世代が卒業30年を迎えました。そう、実は今年は私達の卒業30周年の年なのです。
ですので、ブログ三千日連続更新記念で書くネタとしてちょうど良いと考え、
「バブル世代のバブル噺」を書いてみることにしました。

さて、あれから30年ですから、その後に生まれた世代が、もう社会人になっています。バブルは、わずか数年の出来事でもありましたし、風化していて当然です。思い出していただくために、当時言われていたことをおもむくままに書いてみますと、
・東京の地価が高騰し、「東京23区の地価でアメリカ全土を購入できる」と言われた。
・地価は永遠に上がり続けるという「土地神話」が、本気で信じられていた。
今から思えば笑い話しですが、本当にそう言われていました。
そして就職しようとする学生は、内定をもらった後で「拘束」されました。
「拘束」とは、そういう趣味のセクハラのことでは勿論なく(笑い)、内定先の会社の負担で高原のホテルに泊めてもらえたのです。学生を自由にすると、他の会社の面接に行ってしまうので、確保するために「拘束」したのです。
さらに私が信じられなかったのは、その翌年のことでした。
銀行に入行した同期生が、もう融資をしていると聞かされた時です。それも単なる融資ではなく、銀行員が物件を探してきて、その土地を使って何か事業をやれ、と融資先に持ちかけると言うのですから驚きました。
優秀な男ではありましたが、土地の良し悪しなんて、新入行員に分かるわけません。恐ろしい話しだと思ったのを、今でもよく覚えています。
そんな日々から30年ですが、日本経済は進歩したでしょうか?
今回のシリーズで書きたいのは、そこです・・・
<明日の弊ブログに続く>

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.998日連続更新を達成しました。三千日連続更新まであと二日です。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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団体予約

<ある日の「浅草インバウンドあるある」>
僕ハ台湾カラノguideデス。
団体予約シタイノデスガ、
2.000円ノcourseワ 在リマスカ?
はい、ございません。
ので、予約は止めて下さい!!!

この方に限らないのですが「予約シタイデス」とおっしゃるので、こちらの料理内容や値段は調べてあるのだろうと考えますと、それは、
日本人の常識
予約してから調べるのも世界的には「あり」なのです。
まったくもってトホホですが、現実です。
「あるある」な日々は続く。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.997日連続更新を達成しました。三千日連続更新まであと三日です。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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何気ない日本

自戒を込めて書きますが、他者を批判する時は、その対象について多少は調べた方が良いと思います。
「名所でないのに外国人殺到?人気ツアー探る」
という記事の中で、「何気ない日本」へインバウンド客を案内しているツアーガイドだという人が、
「単純にすき焼きとか忍者だけじゃなくて、本当に日本の人はなんでこうなんだろう、なんでみんな信号守るんだろうとか、どういう暮らしをしているんだろうとか、そういう深いところに関心がいっているから、こういったツアーが人気あるんじゃないですかね」
とコメントしていました。
インバウンド客がすき焼きを食べても、忍者体験をしても日本のことは、あまり良く分からない、という文脈で発言しておられるようです。
人気なのは、ガード下での食事とか自動販売機の説明なんだとか。
たしかに私もテレビで視かける浅薄な「忍者体験」には辟易します。すき焼きを出している業者の中には、すき焼きというものについて、何も学んでいない業者がいるかもしれません。
すき焼きという食べ物は、水の国・日本が創り出した、煮物(あるいは鍋物)という特徴的な食文化の代表であり、また血の穢れを厭う国民が肉食を受容するように変わってきた、食の歴史の代表でもありますが、それを学ばずに、肉と野菜と卵さえ用意すればすき焼きが成立するだろうと考えている業者もいるかもしれません。
おそらく、このツアーガイド氏は、たまたまそういうすき焼き屋に行ってしまったので、単純な日本観光の代表として、すき焼きを挙げたのだろうと想像します。もう1軒すき焼き屋に行ってみれば良かったですね。私の知る限り、すき焼き屋さんはだいたい勉強熱心ですから。
文句ついでにもう一文句書きますと、
「何気ない日本ブーム」って、あんまり好きになれないんですよね、私。
こういう報道が頻繁に出るのは、日本人の自信喪失の裏返しに違いないって思ってしまうのは、私のものの見方がうがっているからでしょうか?ものの見方が古いからでしょうか?
技術立国・日本の象徴だった原発で事故。
→技術は自慢しづらくなった。
→技術以外の日本も世界で目立って欲しい。
→しかしサッカーでは勝てない。他に何かないのかな?
→おや、「何気ない日本」が、「目立って欲しい」ではなくて、既に人気沸騰だ!これを自慢のタネにしよう!
という流れに見えてしまうんですよね、私には。
普通の公道をオチャラケた観光の場所に変えてしまうマリオカートも嫌いですね、私は。
はい、古くてあいすみませんでした。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.996日連続更新を達成しました。三千日連続更新まであと四日です。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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