イベント地獄

東洋経済オンラインで、
「徳島の阿波踊りが「イベント地獄化」した理由~観光客120万人超、補助金投入でも大赤字の謎」
という記事を見つけました。「まちビジネス」事業家の木下斉さんという方の文です。
普通の人は、「阿波踊り」ほどのイベントでも儲からないのか?!謎だ!と思ってしまいますが、この文の筆者は逆で、地方のイベントは「イベント地獄化」することが大変多く、よほどの工夫がないと疲弊して行くだろうと指摘してします。
そして私は、「地方の」を取って、東京の商店街のイベントでも同じだよなあ!と思ってしまいました。商店街とか街のことに関わる人は、この文をお読みになった方が良いと思います。
さて、「阿波踊り」を主催する徳島市観光協会の累積債務はおよそ4.2億円で、返済の見込みがないと聞きます。それが昨年明るみに出て、大騒動になっていますね。
そうなってしまった理由の第一は、木下さんによれば、
・ 客数増のために、無料でなんでもやってしまう。
「一大事業は観光客数、動員数といった「人数」を追い求めるようになります。そのため、集客数をあげるためにはなんでも無料サービスを展開してしまいがちになります。ただし、人が来れば来るほど、当然ながら対応する人員、施設の維持などに多額の予算が必要となり、運営赤字が拡大。「経済効果があるから地域にとっては大きなプラス」などといいながら、肝心の「経済効果から稼ぐ仕組み」を作らず、あろうことか、補助金を入れてもなお赤字の事業構造も放置されてしまうのです。」
街のイベントの成績は動員数だけで評価されることがほとんどです。そして、そこへ来た人が散財したお金がどの程度かは、精査されないことがほとんどです。
そして、イベントを盛大にしようと、無料サービスを追加すればするほど、質の低い客、つまりお金を使わない客が集まるようになって行くのです。
例えば、地方のイベントにたいてい登場する「ゆるキャラ」の場合はどうでしょう?
「ゆるキャラ」と握手しよう!
という無料サービスに惹かれてやって来る客は、その土地の工芸品を買うでしょうか?
絶対買わないとは申しませんが、まず買わないでしょう。
要するに、そういう方法では地方は活性化せず、地場製品の本当の魅力と発信力を向上させるしか地方の活性化も、街の活性化もないのですが、実際は日々イベントばかりが行われています。
街を賑やかにしたいのが人のサガだから、効果が?と知りつつ、イベントをやってしまうのだろうと思います。しかし、その流れを止めねば疲弊するばかり。
「観光客120万人超、補助金投入でも大赤字の謎」
地方の方だけでなく、街に関わる人は、この記事を読んだ方が良いと思います。

追伸、
本日から20日まで三社祭が開催されます。
本日はお神輿は出ませんが、13時から名物「大行列」が浅草の街を練り歩きます。どうぞ、お出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.002日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)