こだわり

さて3.001日めです。いつもの「ぼやきブログ」に戻したいと思います(笑い)
今日は「こだわり」という言葉について。
私は今日、この言葉の用法・ニュアンスを元に戻すことを提案したいと思います。
元々この言葉は良い意味で使われませんでしたが、1980年代から良い意味でも使われだしたとかで、いまや、テレビのグルメ番組で「こだわり」は、完全に良い意味です。
およそ、旨い食べ物を造るには、バランスあるいは塩梅が大事だと思うのですが、
当節「売り」(=セールスポイントのこと)を際立たせるために、テレビの影響を受けたのか、過剰な「こだわり」を言いつのる造り手さんが増えました。
肉の場合、「こだわり」は「A5」(=過剰なサシ)でした。
私が昨年1月に、霜降りと赤身のバランスが良い肉を使うと宣言(=「適サシ肉宣言」)して、その流行りから脱出させていただいたのは、ご高承の通りです。
日本酒の場合は超高精米(=「磨き」)が、それですね。
過剰に磨けば、たしかに希少性・高級感は増しますが、米の表面にある、苦味・渋味・酸味が全く無くなってしまい、甘辛いだけの飲み物になってしまいます。
それを持て囃しているのが、当節の東京市場だと、蔵の方々はボヤいています。
でも、彼らが酒販店やレストランに酒を売ってもらおうと営業に行くと言われるのだそうです。
オタクの「こだわり」は何?
トホホですねえ。ここで伺いますが、
皆さん、自分の舌で味わって、心底、超高精米酒が旨いですか、ね?
私は「Ricey」な酒つまり米の多様な魅力が割拠している酒が旨いと思うんですけどねえ。
精米歩合を過剰に上げるという「こだわり」は、悪い意味で語られないといけません。
「こだわり」という言葉を、悪い意味に戻しましょうよ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.001日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)