オバマさんの演説
皆さんは、オバマさんの演説をどう聞きましたか?
1「内容はよく分からなかったけど、被爆者の方とオバマさんが抱き合ったり、笑い合ったりしているのを見たら涙が出て来たわ!」
という方、貴女は良い人だと思います。
2「申し訳ないけど、核廃棄とか興味が持てないし、70年前の出来事にも興味が持てないわ!」
という方、貴女は普通に現実的な人だと思います。誰も貴女のことを責めないでしょう。
私はと申しますと、1と2の両方です。
一言だけ私がコメント出来るとしたら、オバマさんの理想と現実についてです。
まず現実についてですが、「プラハ演説」でノーベル平和賞を受賞したのが2009年。最近核軍縮は、むしろ後退しています。
上手く行ったのはイランくらいなもの。
ロシアは、クリミア紛争をキッカケに再び西欧の敵に戻ってしまいました。
中国は、反抗期なのか、最近しょっちゅう喧嘩を売ってきます。
イスラム過激派のせいで、イスラエルも核を手放そうとしません。
北朝鮮では、先代より暴虐な愚息が跡目を継いでしまいました。
で、大統領の任期は残り僅か。
私が拝察しまするに、
現実に負けた。悔しくて仕方ない。というのがオバマさんの心中だろうと思います。
しかし、理想を捨ててたまるか!
その気骨がオバマさんを広島に赴かせたのだと、私は思います。
私がそう思うのは、私もオバマさんも「現実家」として存在しているからです。理想を抱きつつも、それを現実のものに出来ない「現実家」として存在しているからです。
そんな私は、夜の巷を徘徊して、呑み屋の姐さん相手に自分の理想と現実を話して聞かせています。
一方、オバマさんは被爆者と日本の政治家を相手に、自分の理想と現実を話して聞かせました。
素敵でした。私はそういう人を素敵だと思います。
YES WE CAN!と叫んでいた時は、正直、あんまり共感できなかったのですけど、今回は心が震えるほどの感覚をおぼえ、遅まきながらオバマさんが素敵な人だったと知りました。
そして、もう一つ知ったことがあります。
ワシントンには良い呑み屋が無いんだねえ。お気の毒に。
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978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
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