京都食肉市場 特選牛

本日は「三社祭」ですが、弊ブログは堂々、肉の話しです。

だって、芸能人ブログと違って、毎日当日書いているわけじゃないですからね、予約投稿で、肉の話しです。

さて、京都食肉市場が「京都食肉市場 特選牛」なるものを認定する制度を始めたそうで、先日その第一号(一頭目)が出たそうです。

長野県高森町の牛さんが認定されたとか。

当然気になるのは、その認定基準ですね。京都食肉市場株式会社のサイトを開けていただけば、すぐ分かりますが、基準は、

黒毛和種でB.M.S.(ビーフ・マーブリング・スタンダード=牛脂肪交雑基準)が12段階の12だということだそうです。

通常肉の格付けというと、A5等級とかB5等級とかが知られていますが、この5等級の「5」というのは、B.M.S.の8から12に該当します。5等級の「4」はB.M.S.の5から7です。12段階では取引が煩雑になりますから、通常は5段階に分けて流通させているのです。

では、12段階の方が5段階よりスゴいのでしょうか。

12段階の方が5段階より美味しいのでしょうか。

たしかに、B.M.S.12の方が、B.M.S.8よりサシがたくさん入っています。同じ5等級の中でも上です。

が、それだけです。

サシが入り過ぎると、必ずしも美味しくはないと私は思います。サシの入り具合と味の感じ方の関係を調査した研究者がいましたが、脂肪の割合が30%程度の場合に、人は最も美味しいと感じるそうです。B.M.S.12では多すぎるのではないでしょうか。

それにサシ(脂)の質も問題です。

融点つまり溶けだす温度が高い脂、別の言い方をすれば「カチっとした」脂をたくさん食べたら、胃モタレしてしまいます。

だから、サシがたくさん入っている肉の場合は、普通の入り具合の肉よりも、脂の融点の温度が気になります。いや、気にしないといけません。

結局薬局、B.M.S.だけを顕彰の対象にして、融点を無視した場合、「特選です」「素晴らしいです」と言いながら、モタレる脂をお勧めする結果になりかねないのです。

この制度を、私は懸念します。

追伸、

デパートの催事に出店しています。精肉の販売を致します。

どうぞ、お出かけ下さいまし。

「江戸東京 味・技めぐり」

日本橋三越7階催事場 5月11日(水)~16日(月)

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.269日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)