食品ロス

到底食べきれないほどの大量の料理を出してくる店のことを「コスパが良い店」と評価したことはありませんか?

評価したのであれば、貴女は立派な「環境の敵」です。

貴女には、今「食品ロス」のことが大きな社会問題になりつつあることを認識していただきたいと思います。3/18の読売新聞にも大きく「食品ロス」の記事が出ていました。

記事によれば、日本で廃棄された「食品ロス」は推計で年間500万t~800万t。内事業系が300万t~400万tで、家庭系が200万t~400万tだそうです。

数字がアバウトなことですぐ分かる通り、このロスを減らそうという取り組みは始まったばかりで、Mottai‐naiの祖国の面目丸潰れ、という状況です。すぐにも取り組まないといけません。

長野県松本市では「30・10運動」というのをやっていて、「宴会の最初の30分と最後の10分は席について食事をしよう!」と呼びかけているそうです。

素晴らしいですが、逆に言うと、残りの時間は皆さん名刺交換に忙しくて自席におらず、当然料理は視野の外、と成るのですねえ。うーん。

弊店の宴会でも、イザすき焼きが始まろう、というタイミングに自席においででない方が多いです、結構。

でも、すき焼きを強行します。そうしますと、皆さん、自然に席に帰って来てくれます。すき焼きを楽しみにして下さるから戻って下さるわけで、そこは在り難いことだと感じます。

日本料理の店には、もう一つ問題があります。「御飯は〆」という頑なルールがあることです。だから、なかなか満腹せずに食べ進めてしまいます。

すき焼きを食べて「お替わり」をしたくなり、「4人で2人前」位にしておけば良いのに「4人で6人前」も注文してしまい、結局御飯を残す⇒「食品ロス」というケースが少なくありません。

弊店には「御飯は〆」というルールは存在せず、実際、すき焼きと同時に御飯を召しあがる方もたくさんおいでですから、そのようになさっていただいて、まったく結構です。

それなのに、お客様の中にも頑な人がいらして、弊店のスタッフが、

すぐ御飯を召し上がりますか? それとも後になさいますか?と尋ねると、

馬鹿野郎!御飯は〆に決まっているだろう!

と怒り出す人がいるそうで、摩訶不思議。

だいたいですね、「御飯は〆」というのは、外食の日本料理と居酒屋だけのルールなのであって、フレンチに行けば、かなり早い段階でパンが出て来ますよね。イタリア人なんか、前菜のすぐ後でパスタを食べてしまいます。

自宅での和食の場合も、おかずと御飯は同時ですよね。「炭水化物は〆」じゃあないんです。

「御飯は〆」は、店側の、酒を飲ませて売り上げを作りたい!という発想の成せる業でしょう。あるいはネット上で「コスパが悪い」と評価されるのを怖がっているのかもしれません。

私は勿論酒飲みですが、この考え方を支持しません。

居酒屋に行くと、さんざん飲み食いした後なのに、店員が「〆」を勧めてきますが、私は勿論注文しません。注文しないと仲間から、

ええ?!住吉さん、〆を食べないの?!

と場を盛り下げる犯人のように扱われますが、注文しません。

だって、食べられませんから。残したらMottai‐naiですよ、まったく。

追伸、

25日は火曜日で通常なら休業日ですが、春休み中ですし、桜も咲きそうですし、臨時営業いたします。行楽のお帰りなどに、どうぞ御利用下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.476日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

キャベツすき焼き

弊店の板長が春キャベツをすき焼きに入れたら美味いですよ、と言いだしたので試してみました。

ふん、なかなか行けます。

キャベツは癖のない味なので、様々な料理に使われる野菜ですし、肉の脂とよく合います。野菜炒めやお好み焼き、焼きソバに必ず入っているのは、やはり脂と合うからだと思います。

脂を含むと甘味が引き出されるのがキャベツの面白いところです。

イメージ的には、すき焼きイメージじゃないよなあ、と言う方もおいでかもしれません。

元々日本に在った野菜ではなく、幕末・明治から外国人用に栽培され始めた野菜ですので、洋食イメージですが、今や生産量はダイコンに並ぶほど栽培されています。

既に日本に定着したと言って良いと思いますし、それに味が合うのだから、すき焼きにしない手はありません。

すき焼きに出来るものは、なんでもすき焼きにするのが私です。

冬キャベツは玉が締まっていて繊維っぽく、ある程度長時間煮込んだ方が良いのに対して、春キャベツ(=新キャベツ)は柔らかめなので、すき焼きに丁度良いと思います。

また春キャベツは生産量が少なめで近年人気が高いです。三浦の春キャベツとか暴走の春キャベツとか、イヤ、房総の春キャベツとかを「変わりザク」として売り出したら売り上げも期待できそうですね。

それにですよ、キャベツのキャベジンは胃に良いです。

キャベジンが胃腸に取り込まれると、胃腸の粘膜の組織をつくり、飲み過ぎで壊れた組織の修復をしてくれるとかで、胃腸薬の商標としても有名ですよね。

既成イメージさえ捨てていただけば、楽しくて実利的と思いますよ、キャベツすき焼き。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.476日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

 

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

民族差別

ちょっとしたトラブルがありました。

外国人の御客様を満室でお断わりしたのですが、その方はマイノリテイー民族の方であったので、断られたことを「民族差別だ!」と受け取ったようでした。

その日、開店の時点で空いている部屋は1室しかなく、その方と前の方が続けて店に入ったため、当然前の方が入った時点で満室に成ったのですが、店の外に「満室!!」の掲示を出すのが一瞬遅れてしまいました。それで「満室!!」の掲示がされていないのにお断わりするという、マズい段取りになってしまいました。

単純にスピードが追いつかなかっただけなのですが、「差別だ!」となってしまい、往生しました。

レストランは国を代表する立場なのだから、レストランが差別をすれば国が差別をしたのと同然だ!

という、その方の議論には賛成ですが、なにしろ誤解なんだから、そんなにワーワー言わないで下さいよ、まったく。

そう言えば先日京都の先斗町で遊んだ時も同じような話しになりました。

最近京都は景気が良いってねえ?と私。

そうどすなあ、外人はんが多くて困りますう、と芸妓さん。

ああ、そうだねえ、先斗町は観光客がドヤドヤ往来するような通りに会員制の店が直に面しているからねえ、そういうことになっちゃうよね。そういう時はなんて言って断るの?

それは~ノー、ノー、どすなあ。

ええ?! なんか他に言い方ないの? ウイー・アー・メンバーシップレストランどす、とか言わないの?

そうやなあ、やっぱりノー、ノーだけどすわあ。

うーん、これから大変ですな、京都も浅草も。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.475日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

Filed under: ぼやき部屋,今日のお客様 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

ブルートレイン

「あけぼの」がなくなってしまいましたね。相撲の話しじゃないですよ、昭和の「出世列車」とも言われたブルートレイン「あけぼの」(上野~青森間)の話しです。

JR東日本にまだ残っているブルトレとしては、

「北斗星」(上野~札幌)がありますが、2014年度末に臨時化されるとの報道があり、

「カシオペア」(上野~札幌)も2015年度末に廃止されるとの報道があるそうです。

とても寂しい気持ちですね。私も、母の実家が盛岡なので、子供の頃往き帰りにブルトレを使っていました。子供ですから一睡もせず、ひたすら夜景を見ていた記憶があります。

しかし寂しがっているだけでは仕方ないです。ブルトレをなんとか残すことができないものか、ここで考えてみましょう。頭の体操になると思います。

ノスタルジアだけでは残せませんから、しっかり商品として売れていくようにしたいところです。

さてウイキぺデイアによりますと、そもそも

「夜行列車の最大のメリットは、深夜という非有効時間帯を利用して目的地に移動できることにある。そのため、他の競合交通機関の(昼行)最終便より遅く出発し、始発便より早く目的地に到着する設定の場合、最もその効果を発揮する。」

とありますが、そのメリットは、現代ではより安い夜行バスにとって替わられてしまいました。バスは危険という現実もあるようですが、その話しは今日はさて置きます。

また全国に空港が整備されたので、夜間に移動しなくても、朝6時羽田発の飛行機に乗れば、日本全国たいていの用事が足りてしまいます。夜行列車の市場はこちらからも奪われていますから、利便性を最大の「売り」として夜行列車を売って行くのは、もはや難しいと思わざるを得ません。

そう、ノスタルジアだけでは残せないのですが、しかしやはりノスタルジアをメインの価値として売って行く道が、私は上策と思います。まあ、すき焼き屋みたいなもんです。

最近ではJR九州の「ななつ星in九州」が有名ですが、この列車は博多駅から乗って九州を1周して博多で降ります。つまり利便性がゼロの、旅情を楽しむだけの列車なのです。

この列車が、料金が高いのに大盛況と聞きました。あれを日本全国でやりましょう。

豪華客船のように、それに乗ることが生涯の夢だ、みたいな列車にします。会社をリタイアしたら退職金で夫婦で乗る、みたいな列車にします。

九州1周なんて小さいことを言わず、稚内から鹿児島まで走らせます。

日本1周の方が豪華客船よりよほど良いと思います。自分の人生で関わった、日本の土地を巡るのですから、海外よりよほどノスタルジックです。転勤人生を歩んだビジネスマンならとても感慨深い旅になること間違いないですよね。

ポイントは毎日運行させることです。

広島支店に勤務した経験のある人なら、車中泊だけでなく、広島に1泊したい筈です。その場合、いったん下車して市内に泊まり⇒翌日の同じ列車の同じ席に座れたらベストですよね。

是非是非、そういう予約の仕方ができるようにしましょう。

FBにファンページを開設して、乗客がそれぞれの想いを投稿できるようにします。

四菱銀行広島支店長の経験者が、九友商事広島支店長の経験者と同じ列車に乗り合わせて、その二人がFBの投稿を通じて知り合う、なんていう椿事が起こるかもしれません。

このように鉄道がもたらしてくれるものは、利便性だけはないと思います。

「夜行列車」という商品は売りにくくても、「夜行列車のノスタルジー」という商品は売れると思います。「すき焼き」という商品が売りにくくても、「すき焼きの思い出」という商品が売れるのと同じことです。

生き残って欲しいですね、ブルトレ。

追伸、

本日18日は火曜日ですが、彼岸の「入り」の日ですので臨時営業いたします。墓参のお帰りなどに、どうぞ御利用下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.474日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

1.080円床屋

デフレが解消される方向なら良いことですね。

「10分1000円」の宣伝文句で急成長してきたヘアカット専門店「QBハウス」が、消費税率が8%に引き上げられる4月1日から料金を1080円に値上げするそうです。創業初の値上げとか。

報道によれば、

「人件費の高騰などから、コスト上昇分を企業努力だけでは埋めきれなくなった。」のだそうです。

シャンプーせずに短時間で済ませられて、

千円札専用の券売機を導入して⇒釣り銭や両替紙幣を一切用意しないやり方が有名でした。

デフレ時代の象徴のような存在でしたね。

私も一時世話になっていましたが、「ちんや」の社長が千円床屋なんか行ってちゃダメですよ!と言われ反省して、今は利用しておりません。

肉に付加価値を付けて売ろう、デフレをなんとか解消しよう、という人間が、自分の頭は千円床屋ではたしかにダメですね。止めて本当に良かったと思います。

でも、久しぶりに関心が涌いてきました。

80円をどうやって清算するんでしょう。

1.100円出す人ばっかりではないですよ。

1.130円かもしれないし、

1.180円かもしれないし、

1.500円かもしれないし、

1.530円かもしれないし、

1.580円かもしれないし、

10.000円かもしれないし、

10.100円かもしれないし、

10.130円かもしれないし、

10.180円かもしれないし、

どうやって清算するんでしょう。

10分以内に清算するのは大変ですねえ。

ひひひひ。

追伸、

明日18日は火曜日ですが、彼岸の「入り」の日ですので臨時営業いたします。墓参のお帰りなどに、どうぞ御利用下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.473日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

浅草すき焼き研究会

「地域団体商標」を登録できる団体の要件を拡充してNPOにも認める件、ちょっと待っていただきたい!と思います。

「ご当地グルメ」をさらに盛り上げることができるということで、報道は歓迎モードですが、私は苦々しく思っています。

商工会や商工会議所なら良いと思いますよ。まがりなりにも評議員の選挙とかありますからね。でもNPOはどうなんでしょう。

特定のNPOが、地域を代表するような感じに成るのは是非やめて欲しいです。

例えば、私が勝手に「浅草すき焼き研究会」というNPOを造って、

「浅草すき焼き」という登録をしたら、OKなんですかね?

私が、浅草のすき焼き屋を代表しているわけでもないのに登録出来てしまったら、マズくないですか?!それじゃあ、「地域団体商標」ではなく、そのNPOの商標ですよね。

既に「浅草鮪」とか「浅草山菜」とかの浅草グルメはめじろ押しで、名乗り放題です。

あの皆さんが、去年始めたばっかりなのに、「浅草」と名乗るのが公的に認められる道が拓けるなんて寒気がします。

地域の名前を名乗れるのは、よほどの公的団体だけでしょう!というのが私の普通の感覚ですが。

皆さん、いかがですか?

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.472日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

居眠り

いやはや黒海艦隊とか、セバストーポリとか、クリミア戦争とか、ほとんど気分は19世紀ですねえ。

第17回「すきや連」を開催するため、京都の「モリタ屋」さんへ向かう車中で、ずうーとウクライナのニュースが流れていました。

新幹線の、自動ドアの上の部分に文字を流している、あのニュース・コーナーのことです。私は7号車の3C=つまり3人がけ席の一番通路寄りに座っていたので、ニュースを延々と見続けることになり、チト食傷気味になりましたが、

でも、まあ、これから19世紀発祥の料理を食べるわけだから、あながち外れてもいないかなあ、と思いながら私は西へ向かいました。

この日の「すきや連」に参加した皆さんの、喜びのコメントは、このブログの3/8号に載せましたので、是非ご覧いただきたいと思いますが、さて、

今まさに名古屋を出発しようかという頃、私はクリミア以上の衝撃的な場面を目撃しました。

まず3Cの私の席の後ろの方から、ダダーと人がダッシュしてくる音がしました。

しかし自動ドアは、ゆっくりと開くため、その人のスピードに追いつかず、結果なんと、その人は自動ドアに激突!

反動で、その人はいったん右方向に飛び出し、そこで態勢を建て直して、左へ向きなおり、出口ドアに向かったものの、

哀れ、

出口ドアは閉まってしまい、列車はゆっくりと京都へ向けて動き出しました。「降り遅れ」です。

サラリーマン風の方でした。居眠りをしてしまったのでしょうか。

会議なのか商談なのか、いずれにせよ、予定がおありなのでしょう。まずもって一応「お気の毒」と書いておきますが、やはり人の不幸というものは、見ていて可笑しいものです。

ひひひひ。

皆様、居眠りに御用心を。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.471日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

 

Filed under: すきや連 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

サイコ―!

3月に入り下仁田葱のシーズンが終わり、「ちんや」の「変わりザク」も新筍に切り替わる予定です。ですので、下仁田葱の取り扱いは今年はまもなく終わり、ということになりました。

生産者の小金澤ファームさんに、そのことを伝えますと丁寧にも返信が来ました。

「下仁田葱の名前は知っていても食べたことがない、という人が結構いますので、『ちんや』様で取り扱っていただいたことで、知ってもらえた(食してもらえた)人が確実に増えたことが生産者としてとても幸せに感じます。」(中略)

「冬限定の扱いにくい「下仁田葱」を取り扱っていただき、たいへんうれしく感謝しております。」

そう、すき焼き屋にとって、下仁田葱は扱いにくいのです。

葱はすき焼きには必要不可欠

⇒とにかく一年中絶対に欠品しては困る

⇒冬しか出ない下仁田は扱いにくい

という図式は崩せませんから、下仁田の生産者の方が従来の葱とシェアを争う、という発想で営業なさると、それは徒労に終わると思います。

それが「名前は知っていても食べたことがない」現実に繋がっている模様です。

ですので、ここで「食べ比べこそ食の楽しみ」ということに、すき焼き屋が気づくことが大事と思います。

食べ比べには不都合もあります。

食べ比べをさせれば、お客様が「従来の葱が最高ではなかったのかも!」ということに気づいてしまい、困ります。

しかし、お客様自身が、これだけ情報を持つようになった現在では、すき焼き屋が薦める葱だけを、お客様は黙って無批判に受け入れはしないでしょう。食べ比べをしてみたいのです。

だいたいですよ、「最高」って、何か一つに決める必要があるんですかね?

ほにゃらら牛がサイコー!とか、

なんちゃってサバがサイコ―!とか。

弊ブログを読み続けている方は、私がそういうことを全く言わないことにお気づきと思います。「ちんや」の肉がサイコー!とすら私は言いません。

色んな食べ物があって、良さがそれぞれあるのであって、それを食べる側の人の味覚もまたそれぞれ、です。

だから「サイコ―!」と言わないのです。

食べ方だって色々試して良いのです。

以前「ちんや」の精肉売店のスタッフは、お客様から、

この肉はどうやって食べるのが美味しいの?と聞かれると、

塩・胡椒だけして、牛脂を使って炒めて下さい。それが「サイコ―です!」

と答えていました。

尊大でした。そして阿呆とすら言えます。

だから「塩・胡椒だけでサイコ―!」は止めさせました。今は色んな調味料を販売して、色んな食べ方を試していただいています。

さらに申しますと、「サイコー!」を止めると売り手として、とても気が楽です。

最高と断定できるか判然としないもとを「サイコー!」と言い張る時の後ろめたさったら比類のないものです。

それでも力んで言い張れば、阿呆に見えましょう。

テレビやネットがランキングを好むのを視て、私はますますランキングが嫌いになり、止めた次第なのですが、止めて実にハッピーです。気楽です。

読者の皆さんにも、お勧めしたいですね。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.470日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

秘伝の割下

ある夜の団体さん、座敷に上がって、すき焼きを召し上がり、

割下が美味い!

と言って、一人一本ずつ割下を買って土産にして下さいましたが、

違うンですよね~

肉と割下のバランスが、味の決め手なんですよ。

テレビの、「秘伝」のナントカを視過ぎですね。

「この割下をかければ、どんな食べ物も美味く成る!」

~わけないですよ。

むしろですね、残念な肉に「ちんや」の割下を使うと、美味くなるどころか、より残念な味になります。

「ちんや」の割下は大変甘く、味が濃いですから、肉の方にそれを受け止める旨みがなければバランスしません。やたらと甘辛くなってしまうのです。

この割下は、優れた血統の牛を長期肥育し、また肉にしてからも長期熟成させた場合にだけ使える割下なんです。

ですによって、必ず肉とセットでお求めください。割下だけ買うことは禁止します!!

・・・と今度から売り場に表示しよう。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.469日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

駆け込み需要

「駆け込み」はまず無くて、しかし「反動」は来るだろう、というのが飲食業です。

普通の世の中は今月末になれば「駆け込み祭り」で忙しくなるのでしょう。運送業界などは、

頼むから「駆け込み引っ越し」は止めて欲しい、とよびかけていますが、せちがらい皆さんが言うことを聞きますでしょうか。

結果、どなた様も月末は忙しくて仕方ありませんから、ゆるりと食事などしている場合ではなくなりそうですね。

雪の2月に続いて、トホホな3月になりそうです。我慢、我慢。

で、4月になりましたら、当然「反動」です。

3月に「駆け込み」でトイレットペーパーや洗剤を買いこんでしまった皆さんは、4月に入れば余分な消費を避けると思います。

4月もトホホになりましょう。我慢、我慢。

だから、皆さん、この時期に飲み食いに出かければ、よほど店から感謝されると思いますよ。夜のお姐さん方も、ヒマをもてあましているかもしれません。

「駆け込み」にも「反動」にもあまり関係無い皆様、是非是非今こそ、

無鉄砲消費を!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.468日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)