ダブル・ブッキング

料理屋にとっての悪夢と言えば、ダブル・ブッキングです。

ある日、ある料理業界の会合に集まっていたAさんの携帯電話に、自分の店から着信がありました。すると電話を受けたAさんの声が、すぐに上ずり始め、しきりと

申し訳ない!申し訳ない!と繰り返しておいでです。

その会合が行われている、当にその時間に30人の予約が入っていたのに、そのメモを御主人のAさんが、何かの加減で、なくしてしまったらしいのです。

結果、何も用意していない店へイキナリ30人が到着したのです。あらら~

実は弊店でも、かつて忘年会シーズンにダブル・ブッキングをやってしまったことがあります。当日ではなく事前に発覚したので、なんとかならないものか、と思案したのですが、あいにく満室の日で、どうしても席が空けられず、私が謝りに行きました。

そうしたら、その話しを聞いていたBさんが、

住吉さん、私は300人でやったことありますよ!

さ、さんびゃく人ですかあ。

そうなんですよ、私の時も事前に発覚したんですけどね、さすがに300人だと席を空けられないので、謝りに行きましたよ。あの時は参りましたね。

肝を潰す心境で行きましたらね、意外にあっさり、

そうなの!じゃあ、1週間延ばすよ!と御客様が言って下さって、本当に助かりましたけど、いやあ、あの時は本当に参りました。

そう、そう、最近は携帯電話とか携帯メールとか、FBメッセージとか、色んな入り口から予約が入ってくるから、よっぽど気をつけないといけないですね。

そんな話しをしていたら、

もう一人現れました、ダブル・ブッキング経験者が。

私はね、15人でやったわよ。

あら~やっちゃったあ! でも15人なら自宅のリビングに入れる!と思って、急遽リビングから家財道具を全部運び出して、料理屋用の椅子とテーブルを運び込んだのよ。自宅が店の上の階に在ったから、なんとか出来たのね。

え、ええー! なんていうことを!

だって、必死だったんだもの。厨房から席が遠いから、料理が冷めないようにダッシュしたわよ。

っていう感じで、この話しはヒジョーに盛り上がりました。Aさんも、皆さんの経験談を聞いて、少し気が楽になったように見えました。

やがて役員会も終わり、帰路を急ぐAさんを、皆が冷やかします。

あれ、まだ帰んない方が良いんじゃないですか。どうせなら、飲んで帰れば?!

さ、さすがにそれはマズいかと・・・

追伸①

雑誌『東京ウォーカー』2013年第8号の、新連載コラム「スギちゃんの愛される理由」の初回に、私が登場させていただきました。「長く愛されたいスギちゃんが、東京の老舗を訪れて愛される秘訣を探ります!」というコーナーです。是非ご購読を。

http://www.kadokawa.co.jp/mag/tw/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.141日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)