文句の多い客
外食に出掛けて憂鬱な気分になることがあります。いや憂鬱な気分になることが結構、多いです。
そうなってしまう原因は「文句の多い客」です。結構な確率で隣りあわせてしまいます。先日も、ある新しい店に行きましたら、来てしまいました、隣りに、そういう客が。
その年配の夫婦は半ば強引にうちの隣りに来ました。その時点で、別にもう一席綺麗にセット出来た席が実はあって、店側はそこへ誘導しようとしたのですが、その席は窓際でなかったためお気に召さなかったらしく、こちらへ来たのです。
ところが空いていると見えたその席は、空いてはいたものの、雑巾がけが未だで汚いままでした。
こういう事態を避けるため、ちんやでは食器類を全部下げません。わざとおしぼり一本とかを残しておき、誰が見ても、その席の用意が出来ていないことが分かるようにします。そうするのが飲食店の工夫なのですが、今回残念なことに、その若い店の若いスタッフにはそういうことが出来ておらず、汚いままの席に座られてしまう、という事態になってしまいました。
こうして、その老夫婦の「文句スイッチ」が入ってしまいました。
汚いじゃないの!
イヤねえ!
早く綺麗にしてちょうだい!
(あ~あ、そんなにキツく言わなくても良いのに。混んでるんだから。)
と、そこで収まれば一瞬の事件です。しかし、その夫婦、どうやら「文句スイッチ」がオンになると簡単に戻らないらしく、これまで経験した、お粗末な店の回想話し(=要するに、過去を振り返っての文句の垂れ流し)を展開し始めました。
隣りに居る者の身になって貰いたいですね。
だいたい、こういう年配の方は伊達に人生経験がおありなので、今時の若者が歯がゆくて仕方ないようです。
その若者を育てたのは、どの世代なの?と尋ねたいですが、まあ、やめておきましょう。今からでも、若者の教育に身を捧げてくれれば有り難いのですが、そういう気がおありなら、ああいう言い方になるはずがなく、議論をふっかけても無駄でしょう。
さて、文句話しが一巡した頃、料理が運ばれてきました。
そして第二の「文句スイッチ」が、ここで点火されました。
器が熱かったのです。
アチッ!熱いじゃないか!
熱いのに熱いと言ってくれないなんて、不親切だぞ!
あのですねえ、ここはアツアツの料理が名物の店なんですけど、最初から。湯気が出ているのを見れば、器も熱そうだって普通思いませんかね。イキナリ触る方が、どうかと思いますよ・・・
とは申しません。無駄だからです。
ウチ夫婦は、料理を味わうのもそこそこに店を後にしました。
たぶん翌日から、その店では、
「器が熱いのでお気をつけ下さい!!」
と連呼するようになりましょう。
でも、そういうのって楽しくないんですよね。
本当にお客様に喜んでいただきたくて言っている言葉と、文句を言われることを回避する目的だけで言っている台詞って、違うんですよね、声の色合いが。
私なんぞ、そういう言葉は向けられたくないタイプですが、今後「文句の多い客」は増えそうですから、そういう対策台詞も増えることでしょうね。
私は定休日の火曜の昼に外食するので、どうしても熟年世代の「文句の多い客」に遭遇します。
楽しくないんですよね。
これは、国家的課題だと思いますよ。
人生の先輩の皆さんに、もっと生産的に社会と関わっていただくように、アベさん、憲法論議も良いけれど、そっちも考えて下さい。
追伸①
雑誌『東京ウォーカー』2013年第8号の、新連載コラム「スギちゃんの愛される理由」の初回に、私が登場させていただきました。「長く愛されたいスギちゃんが、東京の老舗を訪れて愛される秘訣を探ります!」というコーナーです。是非ご購読を。
http://www.kadokawa.co.jp/mag/tw/
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は348人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.149日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。