ゆるキャラ

滋賀県食肉事業協同組合さんが、「近江牛キャラクター」のデザインを募集しています。

関係者の方が弊店へも訪ねてきて、募集チラシを置いていきました。

なんでも、

毎年3月29日を「0329(オーミニク)の日」として、近江牛のPRを行う日にする、のだそうです。

チラシを見ますると、そのキャラクターの名前が書いてありません。デザインが決まってから名前を募集するのでしょうか。

これまでの「ゆるキャラ」は、デザインが決まってから、名前を募集するケースがほとんどでしたから、逆を狙った展開ですね。

応募の志がおありの方は、私までお申しつけ下さい・・・

え? もう「ゆるキャラ」はウンザリだ って?

あ~ねえ~そうでしょうねえ。

「彦にゃん」が出て来た辺りまでは「ゆるキャラ」も新鮮でしたけどね、今は陳腐化しつつある状況ですから、組合もデザイン募集という作戦を採ったんだと思いますよ。

それにですよ、こういった組合の宣伝活動って、なかなかやりにくいんですよ。

だいたい、日本の農産物のブランドって、地域でブランドを作ろうするケースがほとんどですが、その地域の中の産物が一定の品質とは限らないですよね。

近江国と言っても、関ヶ原に近い東部と、比良山系の麓の西部、日本海に近い長浜ではだいぶ地理が異なります。言葉も少し違いますね。

その全体が均質な牛を育てるなんてことはあり得ず、となると全体でまとまってブランド化することなど、そもそも難しいと思わざるを得ません。

ついでに申せば、ブランド化には産物の流通経路を支配することが不可欠ですが、県全体でそういうことをするのも、非常に難しいと思わざるを得ません。

地域ブランドで成功しているように見えるのは、牛の場合「松阪牛」と「米沢牛」の二つで、二つとも市単位です。県単位ではありません。

ですので、私は以前から県ブランドはナンセンスなのであって、そういうブランドではなくて、同じような牛の育て方を志向している人が集まって、つまり派閥を作って、その派閥をブランド化しようよ!と言っています。

ジミン党のことは存じませんが、こと農産物に関しては、派閥有用論です、私は。

でも勿論、現実の地方の社会で、そういう行為が摩擦無く出来るか、分かりません。

実際の問題として、派閥作りなどという突っ込んだことは避けて、なんとなく近江牛全体の認知度が少しでも上がればそれで「儲けもの」という位の、低ハードルな目標を追って行くことしかできないでしょう。

であれば、「ゆるキャラ」作戦も悪くはないのだろう、と思っています。

なお牛の先行「ゆるキャラ」としては既に、阿蘇市の「あか牛くん」、能登牛の「べこりん」、吉野家さんの「よっぴー」があるようです。

さて、近江牛はどんなことになりますやら。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.131日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)