料亭の味

「料亭の味」が追及されているのを視て笑ってしまいました。

それは、朝のニュース番組での出来事だったのですが、リポーターが食品産業の展示会に出かけ⇒面白そうな品物を見つけたら⇒メーカーの人にインタビューしていく、という内容でした。

さて会場に「料亭の味」という一品があったので、早速リポーターが突っ込みました。

「どこが、どういう風に「料亭の味」なんですか?」

「美味しいから、「料亭の味」なんです!」と、うら若き女広報さん。

「どういう風に美味しいと「料亭」なんですか?」

「すごく美味しいので「料亭の味」なんです!」

「では貴女は料亭に行ったことがあるんですか?」

「無いです・・・」

では、ここで試しにグーグルに「料亭の味」と入れて検索してみましょう。約 865,000 件がヒットしていて、意外なビッグワードですね。でも、最上位に本物の料亭さんが提供している品物は無く、ようやく8位に登場します。

1位の、大手メーカーが作っている商品のサイトを詳しく読んでみましたが、「料亭」である根拠は???でした。

近い内に突っ込まれる可能性大と申せましょう。

「料亭の味」というからには、

・間違いなく料亭が、自分の店の厨房で作っている

のであれば問題無いです。

ただし、ですが、自称「料亭」もあります。

料亭の定義が現在未整備なので、「名乗った者勝ち」です。私が見て「オタクは違うだろう!」という店が「料亭」を名乗っている場合もありますが、今のところ咎める術はありません。次に、

・料亭がレシピを提供して、あるいは技術指導をして他社に委託生産させている

のケースですが、これは実は多いと思います。

まあ、OKに入れて良いとは思いますが、本物の店と工場が何百キロも離れている場合は・・・な感じがします、私には。さて、

・料亭にはなんの関係も無いのに、「美味しい」ということを言うために、「料亭」と名乗っている場合、はどうなりましょうか。

既に「出来立て」「自家製」などは規制されていますから、やがて、この表現も規制の対象となりましょう。今が「穴場表現」というだけのことだと思います。

そう、既にデパート業界の自主規制では、

「出来立て」と表現する場合は、調理後提供までの時間についてのガイドラインがあり、

「自家製」と表現する場合は、どこに厨房が在るのか調べられます。当然ですね。

だいたい、新手の広告表現と規制とは所謂「イタチごっこ」を繰り返していて、「料亭」を規制しても、何かもっと新奇な言い方が登場するとは思いますが、今現在「料亭」が「穴場」であるのは事実のようです。

ルールが出来るまで、皆さんお気をつけ下さい、「料亭」に。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.137日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)