ミックス・スパイス
雑誌「味覚春秋」が届きました。
この本には「おいしい色々」と題して、食文化研究家の向笠千恵子先生が連載をなさっていますが、今回はその第8回目でして、テーマは・・・
「小津安二郎好みのカレーすき焼き」でした。
そこには9月に「すきや連」の有志と向笠先生で、旅館「茅ヶ崎館」を訪ねて、カレーすき焼きをいただいた時のことが書いてあります。その日は勿論、私も参加しておりまして、弊ブログにも書きましたので、ご記憶の方もおいでと思います。
拝読しまして、流石!と思いましたのは、カレーの薬膳効果について書いてあった点です。
文中には「カレー粉は、いわば漢方薬の集合体」とも書いてあります。そういう視点は、私のブログの方にはありませんでしたが、そう言えば、街中にも「薬膳カレー」を名乗る店があったりしますね。
あらためて言うまでもなくカレー粉はミックス・スパイスで、たくさんのスパイスが入っていますが、薬膳効果のあるものが豊富です。
クミンには健胃整腸、食欲増進。コリアンダーには健胃といった具合です。
他にもカイエンペッパー、胡椒、ニンニク、ショウガ、 ターメリック、サフラン、パプリカ、クローブ、シナモン、カルダモン、ナツメグ、オールスパイス、キャラウェイ、フェンネル、フェヌグリークなどが入りますが、ほとんどのスパイスの効能として「健胃」があげられています。
パプリカには脂肪除去の効果があるそうですから、肉料理に良いですね。
味の面でも、甘辛い料理にスパイスは合うもので、カレー粉もかなり合うのです。「茅ヶ崎館」さんは、カレー粉に山椒を混ぜて和風にしてありまして、さらに良い感じです。
考えてみれば、日本のスパイスにも色々良い効能があるわけで、カレーばかりに「薬膳」を名乗らせる手はありませんね。
浅草の「やげん堀」の初代・徳右衛門さんが、1625年に七味唐辛子を調合した時、参考にしたのは漢方薬の配合だったそうです。徳右衛門さんの子孫が今でも浅草で、この日本の誇るミックス・スパイスを護っておられます。
「ちんや」でも、すき焼きに七味唐辛子をかけて召し上がる方がたまにおいでです。和風スパイスにも、すき焼きに合って、薬効があるものがないか、研究してみないといけません。
「すき焼きとスパイスと薬効」
「モタレないすき焼き」を目指している私にとっては、この視点は大事かもしれません。うっかりでした。
追伸①
BSテレビ朝日「幸福の一皿」~美味しさの物語 に出演させていただきます。是非ご覧ください。
「食卓の華!すき焼き」
11月9日(金) 20:00~20:54 オン・エアです。
11月23日(金) 20:00~20:54 再放送
この番組について詳しくはこちらです
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて980日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。