選手のプライド
ロンドン五輪で米国代表チームが着用するユニフォームが中国製であることが発覚し、米議会が米オリンピック委員会(=USOC)や、デザインを担当したラルフ・ローレン氏を批判する事態に発展したそうです。
ハリー・リード上院議員(民主党、ネバダ州)⇒「USOCは恥を知るべきだ」。
スティーブ・イスラエル下院議員(民主党、ニューヨーク州)⇒「中国で製造するという決定は、言語道断であるだけでなく、ただの間抜けだ。自滅行為だ。」
手厳しいですね、かなり。
ローレン氏は2020年までUSOCと契約しているそうなのですが、この批判を受けて、今後の五輪のユニフォームつまり措置五輪いや、ソチ五輪のユニフォームは米国で製造すると発表したそうです。
これで、ようやっと事態は沈静化。
ジリブランド上院議員⇒「米国最高の選手が国を代表して世界の舞台に立つとき、われわれは最高の米国製品を示すべきである。米国五輪選手のプライドは米国のイノベーションおよび製造業のプライドと切り離すことはできない。」
「今年、米国を代表する選手が頭の先からつま先まで米国製ユニフォームを着用していないことに非常に落胆しているが、USOCとラルフ・ローレン氏がわれわれの声に耳を傾け、将来、この間違いを正そうと努力していることに感謝する。米国代表チームに声援を送ることを心待ちにしている。」
今回のロンドン五輪の開幕は7月27日に迫っており、ユニフォームを変更するには間に合わなかったようですね。
やはり一流のスポーツ選手や一流の芸能人には、国の産業についても、高い意識を持って欲しい、というのが人情と申すものです。
また一流でなくても、人前に出る人やネットで意見を発表したりする人は、自分の身に着けるものにも配慮した方が良いのだろう、と思います。
でも、このような「国産」認定の問題は、「プライド」だけで仕切れるほど、単純でもないと思います。
生産はその国でやっていたとしても、原料が輸入物資で、労働者が移民だった場合、それは「国産」でしょうか。そんなのだったら外国で作らせるのと大して変わらないのだから、デザイナーさえ「国産」なら問題ないんじゃないの?っていう議論も、極論ですが、成立しないとは言い切れませんね。
逆に、外国人が、その国の技術や精神を習得して働いている場合は、「国産」と認定して良いかもしれません。例えば、日本の大相撲は、どうなりましょうか。 日本の伝統産業の現場にも外国人労働者が、実際、います。
この話しには、場所・原料・技術・デザイン・働く人・引き継いでいる歴史と、たくさんの構成要素がありますが、「グルーバル化」の今時は、そのどれかが欠けているケースもありますから、何を以て「国産」と言って良いか、かなり悩む状況だと思います。
そう言えば、浅草のすぐ隣の墨田区には久米信行さんという、先輩の社長さんがいらして、「国産綿100%のTシャツ」を造っておられます。
デザインに日本酒の瓶のデザインを使い、題して「日本酒Tシャツ」というのも造っておられまして、私も近江の『七本槍』さんの「日本酒Tシャツ」を昨年頂戴して持っています。
Tシャツは伝統産業とは言えないですし、外国人を使っていないか、先輩ですが、尋ねたことはありませんが、それでも品物から「この国の糸偏産業を護りたい」という御意志を感じとることが出来ます。
今年も暑くなってきましたから、タンスの中を探してみようと思います。
追伸①
7/23から7/27まで「ちんや」は夏休みをいただきます。悪しからず、御諒承下さいませ。弊ブログは予約投稿により、更新してまいります。御愛読をお願い申し上げます。
追伸②
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸③
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は270人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
参加者の方には、特典も!
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて874日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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