日本短角牛の、すき焼きの食べ方

 7/12に、「第6回すきや連ー日本短角牛の、すき焼きを食す会」を、私の店「ちんや」で開催しました。

 さて、その短角牛の、すき焼きの食べ方ですが、普通の黒毛和牛のすき焼きと比べて、一工夫が必要と思います。

 短角牛を、そのまま普通のすき焼きのやり方で食べると、妙に甘辛く感じます。特に、「ちんや」の割下で食べると、そうです。

 黒毛和牛の、霜降りの入った肉の場合、そこから溶け出した脂肪分が舌を覆い、味をマイルドに感じさせますが、短角牛の場合、霜降りが入らず赤身で、脂肪分が足らないので、割り下の甘辛さを、そのまま舌が感じてしまうものと思われます。

 そこで、割り下の味を少し変更して、もっと複雑な味にする必要があります。今回は「お試し」の会なので、何か新しいことをやってみよう、ということになりました。

 考えまして、<脂身+醗酵食品(=味噌)>を鍋に入れるのが良いだろう、ということになりました。馬の赤身肉を使う、桜鍋に味噌が入るのと同じことです。

 この発想で、ウチの板長が、実験的に、<>として短角牛のコマ切れや脂身を挽肉にして、味噌と砂糖と練りあわせる、という作戦を考えつきました。  

 7/12「すきや連」当日は、皆さんには、まず普通に食べていただいて、その後で、この<>を、小鉢に盛ってスプーンを付けて、各机に運んで、鍋に入れていただくようにしてみました。

 <>を「変わり味」と称して、皆さんがご自分で、鍋に投入していただくようにしました。もちろん、これを入れる前後で、味を比較してもらおう、というアイデイアです。

 普通のやり方で食べていただいている時は、料理雑誌「ダンチュウ」編集長のMさんも「住吉さん、今日は割下を甘くしたの?」と言っておいででしたが、違います。同じ割下なのに、上に書いた次第で、甘く感じてしまうのです。

  その味を確かめていただいた後で、<脂身+醗酵食品(=味噌)>を鍋に投入です。 皆さん、その道のプロだけに、興味津々でお試しになっているようでした。

 醗酵食品は甘酒でも良いのかもしれません。向笠千恵子先生は、ご自宅で甘酒投入を試して成功したそうです。

 これをキッカケに、新しい食べ方が登場すれば、今回の「すきや連」をやった意味も有る、というものです。

 なお、肉そのものの管理についてですが、今回、普通の黒毛和牛と同様に熟成させましたが、足らなかったようです。赤身なので、水分量が多いため、もう少し時間が必要だったと考えられます。

 とり急ぎ、「すきや連」ご報告、第二段でした。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 今日はチョット専門的で、ジョークもなかったので、一般の方にはご不満と存じますが、何卒ご容赦下さい。

 このブログは、一応、「すき焼きブログ」なもんですから、はい。

 「すきや連」ご報告は明日も続きます、悪しからず。