玉泉寺の牛王如来

 旧知のNさん(=桜鍋「中江」社長)から、次のようなメールが来ました、

「下田に旅行に行きましたら、住吉さんやFさん(=すき焼き「今朝」社長)の、ご先祖様のお名前を発見してびっくりしたことをご報告いたします。玉泉寺と言うお寺に、日本で初めて牛を屠殺したという碑が建っていて、建立者の中にお名前がありました。」

 下田の玉泉寺という御寺は、日米関係史の中では、とても重要な所で、ペリー来航の後、最初にアメリカ総領事館が置かれた所です。1856年から3年弱、タウンゼント・ハリス総領事がここに滞在して、幕府との条約交渉に当たっていたのです。

 総領事や館員が住みますので、当然「牛肉を食べたい」ということになり、大変皮肉なことに、御寺の境内で殺生が行われたのです。
 境内の「仏手柑樹」(ぶっしゅかんじゅ)の木に牛がつながれ、屠殺されていったそうです。そして、この仏手柑樹の木の立っていた所に、屠殺されていった牛を弔うべく、昭和6年4月8日、東京の牛肉商によって、「牛王如来」が建立されました。 

 その建立の費用を寄進した人物の中に、私の曽祖父・住吉忠次郎と「今朝」Fさんのご先祖様が入っているのです。

  祖父が生きている頃、「ちんや」の社員旅行で、この御寺を訪ねたことがあったようですが、私はまだ子供で参加しておらず、話しは聞いていたものの、すっかり忘れてしまい、その後まだ、自分でここを訪問してはおりません。

  この話しをしっかり覚えていて、自分で現地を訪問していれば、人に自慢できる話しかな、と思うのですが、完全に忘れていたので、そうはいきません。

 飲み会の席で、自慢たらしく語るのは、下田行きを実行した後にして、とりあえずは、このブログの、1日分のネタとして使わせてもらう位にしておこう、そう思った次第です。

  Nさん、ネタのご提供、ありがとうございました。

  「おいおい、しっかり自慢してるじゃないか?」

  え? 自慢に聞こえましたか? そういう意図はゼンゼン無かったんですけどね。ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*Nさんの御店「中江」については、こちらです。

*Fさんの御店「今朝」については、こちらです。