イノベーションによる格安

昨日の弊ブログ「格安」をFBにも投稿しましたら、

そうしたら会社をやっている知人からコメントが入りました。

「一理ありますね。ただし、イノベーションを伴う「格安」を除くということにしておかないと。従来型の努力による値下げではなく、サービスや製品のあり方を変える画期的なイノベーションによる価格破壊を企てる試みこそが経済を活性化し拡大するわけですから。」

彼は立派な会社を経営しておいでで、おっしゃることは至極ご尤もです。世の中では私の意見より彼の意見の方が通るでしょう。

しかしながら、食べ物というジャンルに限定すると、「イノベーションによる格安」は、あまり良くない結果を産む場合が多いように私は感じています。

<以下は私の再コメントです>

もちろん私も「イノベーションによる格安」を一概に否定する気はもちろんなく、御社のようにそれがお出来になる会社さんには頑張って欲しいと思います。

しかしながら日本の食べ物の世界では、以下↓の事例のようにイノベーションの方向性が美味しさの向上より、ひたすら経済性に向けられることが甚だ多く、日々技術が日本の食を不味くしています。それで私は不用意にさっきのようなことを言ってしまうのです。

以下やや長いですが、牛のDNA解析の事例をご紹介します。

最近それがかなり進んでいて、美味しい血統が分かって来ています。一方で「短期間で大きく太る血統」も分かってきて、両方分かるのですが、その中で業界の趨勢は後者つまり経済性を上げることに血眼になっています。要は、不味くても構わないから、とにかく短期間で育てることに必死なのです。

ここに日本社会の「集団志向」という問題点が加わります。同業組合や地域社会が、皆揃って経済性を追いかけている時に、独りで美味しさを追いかける個人は陰に陽に様々な不利益を被る、平たく言うと、イジメられて、とても生きづらい、という現実があります。

で、DNA鑑定というイノベーションが不味い牛の登場を促進しています。

ちなみに「短期肥育で美味しい」というイノベーションは、牛の場合ほぼ不可能です。成長ホルモンが、不味さの原因物質である飽和脂肪酸の形成を促すからです。成長ホルモン無しじゃあ、増体しないので、それをなくすわけには行きません。牛が成熟し成長ホルモンの分泌が終わってから、さらに肥育を続けて初めて美味しい牛に成るのです。

このように食べ物は、元々が生き物なので簡単に改良出来ないという特徴があります。それで、どうも、合理的ではないかもしれませんが、イノベーションに私は懐疑的なのでした。以上言い訳です。

<終わり>

追伸①

 

テレビ出演の予告です。

 

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4月13日20時15分放送予定。お楽しみに。

 

http://www4.nhk.or.jp/taihentokoro/

 

「霜降り牛肉に異変!?おいしい牛肉の謎」

 

高級牛肉といえば「霜降りの和牛」。このイメージが覆る事態が!老舗すき焼き店が「霜降りが多いA5の牛肉を使わない」と宣言したのだ。そもそも霜降りの量で格付けを行う動きがでてきたのはアメリカ産牛肉の輸入自由化交渉がきっかけ。肉牛農家では霜降りが入るよう心血を注いできた。それが消費者の健康志向が高まるにつれて「行き過ぎた霜降り」に対する見直しの動きが出始めているという。おいしい牛肉の基準を巡って何が?

 

【司会】所ジョージ,片山千恵子,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【リポーター】徳永圭一,【語り】吉田鋼太郎

 

 

追伸②

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.599日連続更新を達成しました。

 

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格安

「てるみくらぶ」とかいう旅行会社が破綻した件に皆さんは注目なさっていますか?私は注目しています。

「てるみ」に就職が内定していた50人の学生を救おう!という運動が始まっているとかで素晴らしいことだと思いますが、私はあえて、学生さんにやや厳しめのアドバイスを贈ろうと思います。

「厳しめ」とは、次回就職先を決める時は、学生さん、経営や経済について、もう少し学んでから決めようよ!ということです。「格安」ということはどういうことなのか?しっかり考えてから就職しようよ!ということです。

私が知るところでは、安さで勝てる会社は同業で一社だけです。その一社以外は全て「負け組」となって、やがてブラック化して行きます。

そして昨日まで勝っていた会社も環境が変われば勝ち続けられるかどうか分かりません。今回がそのケースでしょう。

「てるみ」は航空会社から余った席をまとめて買って安さを実現していたそうです。ところが航空会社だって、馬鹿でも弱くもありません。小型機を導入したり、アライアンスを組んでシェア運行を導入したりして→席が余らなくなったため、安い仕入れが出来なくなりました。

インバウンド観光が賑やかになったことも、席が余らなくなった一因でありましょう。

このように安さを目指していると、環境が変わっただけで一気に「負け組」に成ってしまうのです。社員は「安いです!」と言う以外に売り方を知りませんから、方針転換も出来ません。

で、破綻です。

社員が80人しかいない会社に50人もの新人を入れるとは、一体どういうことなのか?80人の中に、会社の敗勢を感知して退職しようとしている人が大勢いるからに違いありません。それが「格安」企業の末路です。

しかし、です、学生の皆さんは実はラッキーだったかもしれません。今回経済や経営について真剣に学ぶ機会を得たからです。是非バブル崩壊以降の日本経済について学んで下さい。

想い起しますと、バブル崩壊この方、皆さんだけでなく多くの日本人が「格安」というアヘンにハマってきました。

自分が消費者として「格安」商品を手に入れた時は、その「お得感」に酔うことが出来、次も「格安」を!その次はもっと「格安」を!!と要求せずにはいられなくなります。だからアヘンなのです。

しかし、学生さん、あなた方は同時に生産者でもあります。いったん格安企業に就職したら、値を下げるために辛酸を舐め尽くさねばなりません。

バブル崩壊この方、多く日本人が、このアヘン窟から逃れられませんでした。

だから日銀の黒田総裁が登場して、金融政策によって物価をあげ、デフレを解消する!と宣言した時、多くの人が期待しました。しかし結果は現状の通り。黒田総裁はまもなく寂しい任期切れを迎えます。

そう、人の心を変えない限り、金融政策で物価は上げられなかったのです。それが分かりました。

学生の皆さんは、今回このような経済の在り様を痛切に学ぶ機会を得ました。

次こそ、「格安」企業などへの就職は止めましょう。

そして、消費者としても「格安」消費は止めましょう。「格安」でハワイに行く金があるのなら、定価で箱根に行って、上質の時間を過ごしましょう。

皆がそうする国にしたいと私は思っています。皆さんも、出来ますればご協力願います。

追伸①

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生産性

日本経済の一人あたりGDPが世界第27位で先進国中では最下位だという件、つまり生産性が低いという件は、最近だいぶ有名になりました。人々が緩く生きているスペインやイタリアよりも生産性が低いというからガッカリします。

で、生産性を高めようとする企業には、政府が補助金をくれると申します。

ほお、結構ですな、一体どうやったら生産性が上がるんでしょう、教えて欲しいもんだと思って、説明を読んでみましたら、

IT化をすると生産性が上がるから、IT化したら補助金をくれると申します。つまり「ちんや」にもファミレスみたいな受注端末を導入しろと申します。

うーん。

まあ、ホールから厨房への注文の「通し間違い」は多少減るかもしれませんね、たしかに。生産性も多少は上がるんでしょうね、きっと、

でも、私はあんまり好きでないです、あの仕組みが。だって、人間が機械に使われているみたいだからです。

人間が創意工夫したい気分にならない職場って、本当の意味で生産性が高い職場なんでしょうかね?

私は、どうもなあ・・・と思ってしまいます。

80年代にバブルが崩壊して以来、日本は効率性を上げる→格安で提供する、ということばかりやって来ましたが、生産性は上がりましたか、ね?

安さだけが「売り」になると、人間って、思考停止するんじゃないかと私は思います。

そして、安さで勝てるのは、一番安い一社だけ。後は「負け組」です。

最近「てるみくらぶ」という旅行会社が破綻したとかですが、その会社は航空会社から余った席をまとめて買って安さを実現していたそうです。ところが航空会社が小型機を導入したり、シェア運行を導入したりして、席が余らなくなったため、あえなく破綻してしまったとか。安さを目指していると、条件が変わっただけで一気に「負け組」に成ってしまうのです。

効率は、ほどほどにしておいて、人間の創意工夫を高く買ってもらえるような、そんな国にしませんか、皆さん?

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合掌

その人は3月のある夜、末期癌の体をおして「ちんや」に行こうと、外出の支度をしていました。

しかし、どうしても体調が整わず、結局中止。お身内の方が肉を受け取って帰られました。

それから10日。その人の訃報に接しました。

その人は、アートを愛し、先祖から引き継いだ蔵を改装してギャラリーとカフェを始めました。

ボランテイアにも熱心で、震災後は飼い主を失った福島のペットの為に里親を世話する活動をなさっていました。

まだ、お若く、お綺麗だったのに。

飼っていた猫も愛嬌があり、カフェのアイドルでした。

後からお手紙をいただき、最後の数日はほとんど食欲がなかったのに、持ち帰った肉を食べてくれたと知りました。最後にほんの少しだけ御役にたったのが慰めと申すものです。

合掌。

追伸①

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花見トラブル

42日東京都心で桜が満開になったと気象庁が発表したそうです。全国で最も早い満開宣言で、平年より1日早いんだとか。

この季節になりますと、毎年花見客が引き起こすトラブルが話題になります。酒を呑むからですね。

桜の時季はちょうど年度末の人事異動の時期ですから、勢い呑み過ぎ→泥酔→隣客と喧嘩という具合に展開しがちです。ご愁傷様です。

・・・というだけで、この文が終わってしまっては面白くもなんともないので、花見の酒で悪酔いしがちな理由を、私からもう一つお教えしたいと思います。

まず大前提として、花見の時季って外はまだ寒いですよね。

東京の平年の桜の満開日は43日ですが、その日の東京の気温は平年で、

平均11.5℃、最高16.5℃、最低7.0℃です。つまり、昼間ならなんとか公園に座って花見が出来ますが、夜桜はかなり寒いです。

そう、桜って、そもそも、寒い時季と暖かい時季の境目で咲く花で、暖かくなった頃には、もう散ってしまうのです。

そんな寒い公園で、なんで、皆さんはキンキンに冷えたビールを飲むんですか、ね?思えば、

日本人ほどビールをキンキンに冷やす民族はいません。

日本人ほど「とりあえず」ビールを飲む民族はいません。

でも、いくらビールが好きでも、体には良くないですよ。冷えれば内臓の消化機能が落ちますから悪酔いするんです。

私なら燗酒ですねえ。

さらにすき焼きが出来ればベストですが、「煮炊き禁止」の公園が多いですから、それは難しいかもしれません。保温機能のある水筒などを使って、燗酒と暖かい酒肴を用意したら、幹事さんの株が騰がると思うのですが、いかがでしょうか?

さらにもう1点申し添えますと、ビールは色々な酒の中でも特に利尿作用が強い酒です。カリウムが多いからだそうです。

で、花見でビールを飲むと、トイレに駆け込みたくなりますが、さて、その公園のトイレは綺麗ですか?

何百人もの酔客が使ったトイレは、ノロウイルスがいる心配がありますから、私は絶対に使用しませんし、店のスタッフにも使うな!と言っています。

これが、私が公園で花見をしない、本当の理由です。隣客と喧嘩なら反省すればOKですが、ノロウイルスは洒落になりません。

これから花見を企画している皆さん、どうぞ、お気をつけを。

追伸①

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永遠の「若大将」

すき焼き体験を繰り返し語って下さる人物としては、間違いなく芸能界随一でしょう。

いや、「芸能界」を外しても、この方以上にメデイアですき焼き体験を繰り返し語っている方は、そう何人もいないと思います。

その「すき焼き体験」とは、1966年のビートルズの来日公演時にメンバーとすき焼きを一緒に食べたという体験。

そう、言わずと知れた、永遠の「若大将」の話しです。

今月に御年80歳になられますが、元気にイベントに出席。今回も66年当時のことを語ったそうな。

「(ビートルズと)レコード会社が同じだったこともあり、社員から「会いますか?」と聞かれたが、最初は「別に」と断ったという。帰宅後に祖母に「あんたバカだね。将来役に立つから、会いな」と諭され、ビートルズが宿泊するホテルを訪問。メンバーと自身5人だけが部屋に残り、加山がすき焼きの食べ方を指導したというエピソードを披露し、「ジョンはいすを外して、地ベタに正座して食ってた。ポールは良いヤツだった」などと振り返った。」

はい、いつまで永遠の「若大将」で、永遠に「ビートルズとすき焼き」の件を語り続けて下さいませ。

加山雄三さん、80歳、誠にお芽出とうございました。

 

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アーモンド君とチョコレート君

女優の「ガッキー」こと新垣結衣さんが、「明治アーモンドチョコ」TVCMで関西弁を話す漫才コンビを演じています。合成画像で、一人でボケとツッコミのコンビをやっているのです。

なんでも、ボケがアーモンド君・ツッコミがチョコレート君という名コンビだそうで、かけあいが可愛い過ぎる!と話題になっているそうです。

が、

それは弊ブログ的には、どうでも良いのです。気になるのは、

アーモンド君(ガッキー)の背広の内側に大書されている「ビタミンE」「食物繊維」「オレイン酸」の文字、特に「オレイン酸」です。

チョコレート君(ガッキー)が「なんやねん、それ?」とツッコミますが、アーモンド君(ガッキー)の返答は、

「オレイン酸言うたら、そら、おれいんの、さんや!」

ガッキー、分からへんよ!

では、ご説明しますが、

オレイン酸とは、分子式 C18H34O2の脂肪酸で、脂肪を構成しています。

最初にオリーブの油から分離されたので、「オレイン酸」と命名されましたが、植物油だけでなく動物性脂肪にも多く含まれています。

世間では、植物油脂肪と動物性脂肪の違いがことさらに強調されていることが多いですが、共通の物質も実は多いのです。

牛の脂も、育て方によっては、オレイン酸が脂肪の中で50%から60%を占めることがありまして、そういう牛脂は、融点が低いので、モタレず食べ易いです。

ただ短期肥育の牛の場合、成長ホルモンがオレイン酸などの不飽和脂肪酸の形成を妨げるから、成長期の牛にはオレイン酸が少なく飽和脂肪酸が多いので、その時期に食べようとすると、融点が高いので→モタレるのです。

要するに、動物性脂肪の場合は、同じ種でも年齢や性別で脂肪の構成が違う、ということです。そこを無視して、牛の脂=融点が高い=モタレる、と決めつける人がおいでなのは、残念なことだと思います。

・・・と、いうことをガッキーが可愛く解説してくれたら、この話しも、もっと普及するのになあ~と思います。

 

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縁起の良い料亭

国際観光日本レストラン協会の総会が大阪の「花外楼」さんでありましたので、出席しました。

お料理が結構だったのは勿論ですが、久しぶりにお店のホームページを拝見して、

ほう、そう来ましたか!

と感心してしまいました。

「縁起の良い料亭」

と自称しているのです。

「縁起の良い料亭として古くから会社の接待や「お見合い」「お顔合わせ」「結婚披露宴」などのお祝いごと・セレモニーにお使いいただいています。」

これは明確ですねえ。

世間の料亭さんのホームページを拝見しますと、料理へのこだわりやら、歴史のすごさやらが強調されまくっていることが多いですが、「花外楼」さんは違いました。

「縁起が良い」が重要なのです。

そういう店を求めている客の気分にどんぴしゃです。

「お顔合わせ」の場所を検討していた客は、この文言を見た瞬間即座に電話をかけてしまうでしょう。上手いマーケティングです。

結果高いお代を支払うハメに陥りましょうが、気になりません。

だって縁起が良いんだから。「縁起が良い」は最強のバリューと言っても良いでしょう。感心させられました。

ちなみに「縁起が良い」の根拠ですが、

明治8年(1875年)の「大阪会議」がこの場所でまとまったから、と言います。

大阪会議とは、維新の元勲である大久保利通・木戸孝允・板垣退助らが「花外楼」に集い、今後の政府の方針や人事を協議した会議のことです。

この会議まで、この3人は仲たがいしていたのです。まず征韓論の問題で板垣が西郷隆盛と共に辞職、つづいて征台ノ役に反対して木戸までが辞職してしまい、大久保だけが政府に残りましたが、孤立無援の状態になってしまいます。

この状態を心配した伊藤博文と井上馨が仲介して、3人が会同。大久保が持論を曲げて立憲政体の樹立を約束し、二人を政府に復帰させたのです。

で、「縁起が良い」という次第です。芽出たし。芽出たし。

しかしですね、その後の歴史を見ますと、結局大久保は立憲政体の件を実行せず、板垣はやがて辞職して自由民権運動に入って行きます。

木戸は辞職こそしなかったものの不満を溜めて、職にとどまりながら文句ばかり言う「政府内クレーマー」のような存在になります。

が、そんなことは、まあ、忘れましょう。

「縁起が良い料亭」での食事は、実に結構でした。ご馳走様でした。

 

追伸①

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東八拳

東八拳の会が「ちんや」で開催されました。

東八拳(とうはちけん)というのは、ジェスチャーを使った、じゃんけんと思っていただければ良いと思います。仕組みは、じゃんけんと同じで、「三すくみ」で勝ち負けを競うものです。

じゃんけんは手を使って、「ぐう」「ちょき」「ぱあ」とやりますが、東八拳では参加者が「狐」「鉄砲」「庄屋」の三つを演じて、勝ち負けを決めます。

三者の力関係は、

「狐」は「鉄砲」に撃たれるので鉄砲の勝ち、

「鉄砲」つまり猟師は「庄屋」には頭が上がらず「庄屋」の勝ち、

「庄屋」といえども「狐」には化かされるので、「狐」の勝ちになります。

1825年(文政八年)に歌舞伎「東海道四谷怪談」に登場して→大流行。大正時代まで一世を風靡したと聞きます。

大流行したのは、じゃんけんよりゲーム性が高いからです。

手先だけのじゃんけんと違い腕まで使うために、体の動きで相手の出方を読むことが出来ます。

また、三本勝負で二本先取した方を「勝ち」とすることにより、じゃんけんがほとんど運で決まるのに対して、競技性が高いのです。

そもそもは酒席での座興として始まったわけですが、大流行する内に、作法が決められ、家元制度まで出来ました。

今では家元が9人いて、毎月稽古会が開かれ、星取り会、番付披露などが行われているとか。江戸時代から現在まで、途切れずに遊び続けられている非常に希有な遊びと言えます。

そういう会が弊店で開かれて嬉しい反面、その理由が、これまで開催していた料亭さんが廃業なさったからと聞いて複雑な気分になりました。

本来は花柳界の遊びですからねえ、本当はすき焼きで、というのは変なのですが、弊店がお引き受けしたのも、何かの巡り会いと思い、こうしてブログで紹介させていただきました。

それ、ハッ、ハッ、ハッ!

 

追伸①

テレビ出演の予告です。

NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4月13日20時15分放送予定。お楽しみに。

http://www4.nhk.or.jp/taihentokoro/

「霜降り牛肉に異変!?おいしい牛肉の謎」

高級牛肉といえば「霜降りの和牛」。このイメージが覆る事態が!老舗すき焼き店が「霜降りが多いA5の牛肉を使わない」と宣言したのだ。そもそも霜降りの量で格付けを行う動きがでてきたのはアメリカ産牛肉の輸入自由化交渉がきっかけ。肉牛農家では霜降りが入るよう心血を注いできた。それが消費者の健康志向が高まるにつれて「行き過ぎた霜降り」に対する見直しの動きが出始めているという。おいしい牛肉の基準を巡って何が?

【司会】所ジョージ,片山千恵子,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【リポーター】徳永圭一,【語り】吉田鋼太郎

 

追伸②

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.591日連続更新を達成しました。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

子規庵

久しぶりに根岸の「子規庵」を訪問しました。

今年度の「台東区芸術文化支援制度」対象企画の一つである「ライト俳句落語会in子規庵」が開催されたからです。私も区のアート・アドバイザーとして、この企画のお手伝いを致しましたが、近代俳句の形を作りあげた正岡子規終焉の地で、この企画が実現できて本当に良かったと思っています。

「子規庵」は、言うまでもなく、正岡子規が明治27年から住んだ家です。旧加賀藩下屋敷の侍長屋であったこの家で、子規は俳句の近代化のために力を尽くし、結核で3411ヶ月の短い生涯を閉じました。

司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読みますと、日本海海戦に勝った秋山真之参謀が、若い頃親交のあった子規の旧宅を訪ねる場面がありますが、それが、ここです。

残念ながら子規が住んだ家は昭和20年の空襲で焼失。今の建物は25年に再建されたものですが、それでも、戦後すぐはまだ日本家屋をつくれる職人さんがいたのでしょう、子規生存当時の面影を、そこはかとなく感じることが出来るような気がします。

今回の会の趣旨は、俳句が元々持っていた「おかしみ」の要素が落語に通じるものがあるから、そこに焦点を当てようということでした。子規は病気で若死にしましたので、シリアスな句が有名ですが、病気になる前は、明るい句も結構あったとかで、主催者さんはそこも知って欲しいとか。なるほどね。

で、この日は噺家さんを二人読んで、俳句をネタに小話しをやってもらっていました。テレビの「笑点」のネタが俳句だったら・・・と思っていただいても、結構です。春風亭正太郎さん、林家つる子さんとも素敵な小話しでした。

あ、本物の落語もしっかりあって、大変結構でした。

楽しい会を、台東区で開催して下さり、ありがとうございました。

 

追伸

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.590日連続更新を達成しました。

 

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