子規庵
久しぶりに根岸の「子規庵」を訪問しました。
今年度の「台東区芸術文化支援制度」対象企画の一つである「ライト俳句落語会in子規庵」が開催されたからです。私も区のアート・アドバイザーとして、この企画のお手伝いを致しましたが、近代俳句の形を作りあげた正岡子規終焉の地で、この企画が実現できて本当に良かったと思っています。
「子規庵」は、言うまでもなく、正岡子規が明治27年から住んだ家です。旧加賀藩下屋敷の侍長屋であったこの家で、子規は俳句の近代化のために力を尽くし、結核で34歳11ヶ月の短い生涯を閉じました。
司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読みますと、日本海海戦に勝った秋山真之参謀が、若い頃親交のあった子規の旧宅を訪ねる場面がありますが、それが、ここです。
残念ながら子規が住んだ家は昭和20年の空襲で焼失。今の建物は25年に再建されたものですが、それでも、戦後すぐはまだ日本家屋をつくれる職人さんがいたのでしょう、子規生存当時の面影を、そこはかとなく感じることが出来るような気がします。
今回の会の趣旨は、俳句が元々持っていた「おかしみ」の要素が落語に通じるものがあるから、そこに焦点を当てようということでした。子規は病気で若死にしましたので、シリアスな句が有名ですが、病気になる前は、明るい句も結構あったとかで、主催者さんはそこも知って欲しいとか。なるほどね。
で、この日は噺家さんを二人読んで、俳句をネタに小話しをやってもらっていました。テレビの「笑点」のネタが俳句だったら・・・と思っていただいても、結構です。春風亭正太郎さん、林家つる子さんとも素敵な小話しでした。
あ、本物の落語もしっかりあって、大変結構でした。
楽しい会を、台東区で開催して下さり、ありがとうございました。
追伸
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.590日連続更新を達成しました。