縁起の良い料亭
国際観光日本レストラン協会の総会が大阪の「花外楼」さんでありましたので、出席しました。
お料理が結構だったのは勿論ですが、久しぶりにお店のホームページを拝見して、
ほう、そう来ましたか!
と感心してしまいました。
「縁起の良い料亭」
と自称しているのです。
「縁起の良い料亭として古くから会社の接待や「お見合い」「お顔合わせ」「結婚披露宴」などのお祝いごと・セレモニーにお使いいただいています。」
これは明確ですねえ。
世間の料亭さんのホームページを拝見しますと、料理へのこだわりやら、歴史のすごさやらが強調されまくっていることが多いですが、「花外楼」さんは違いました。
「縁起が良い」が重要なのです。
そういう店を求めている客の気分にどんぴしゃです。
「お顔合わせ」の場所を検討していた客は、この文言を見た瞬間即座に電話をかけてしまうでしょう。上手いマーケティングです。
結果高いお代を支払うハメに陥りましょうが、気になりません。
だって縁起が良いんだから。「縁起が良い」は最強のバリューと言っても良いでしょう。感心させられました。
ちなみに「縁起が良い」の根拠ですが、
明治8年(1875年)の「大阪会議」がこの場所でまとまったから、と言います。
大阪会議とは、維新の元勲である大久保利通・木戸孝允・板垣退助らが「花外楼」に集い、今後の政府の方針や人事を協議した会議のことです。
この会議まで、この3人は仲たがいしていたのです。まず征韓論の問題で板垣が西郷隆盛と共に辞職、つづいて征台ノ役に反対して木戸までが辞職してしまい、大久保だけが政府に残りましたが、孤立無援の状態になってしまいます。
この状態を心配した伊藤博文と井上馨が仲介して、3人が会同。大久保が持論を曲げて立憲政体の樹立を約束し、二人を政府に復帰させたのです。
で、「縁起が良い」という次第です。芽出たし。芽出たし。
しかしですね、その後の歴史を見ますと、結局大久保は立憲政体の件を実行せず、板垣はやがて辞職して自由民権運動に入って行きます。
木戸は辞職こそしなかったものの不満を溜めて、職にとどまりながら文句ばかり言う「政府内クレーマー」のような存在になります。
が、そんなことは、まあ、忘れましょう。
「縁起が良い料亭」での食事は、実に結構でした。ご馳走様でした。
追伸①
テレビ出演の予告です。
NHKテレビ「所さん!大変ですよ」4月13日20時15分放送予定。お楽しみに。
http://www4.nhk.or.jp/taihentokoro/
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追伸②
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.592日連続更新を達成しました。