レンタル着物

市場規模が縮小している業界のことは気をつけて観るようにしています。

そうしましたら「成人式の振り袖はレンタルが過半数超え」というニュースが目につきました。

報道によりますと、

「2000年当時の成人式で振り袖着用者のうち、購入者が50%だったのが2013年には20%を切り、2015年には17%まで下降するとみられている。一方でレンタル着用率は2000年に30%だったのが2005年に購入着用率を逆転、2015年には55%に増えると見込まれている」

「レンタル業者さんは昔からありましたが、5年ほど前からものすごく増えたなという印象です。それに伴って販売価格も下がっています。10年前は帯など含めて振り袖一式50万~60万円くらいが相場でした。でも今は、レンタルとの価格差を縮めようと一式30万円くらいが平均です。それでもレンタルを利用される方が今後も増えるのは確実でしょう」

着物を財産として持つ、という考え方が無くなりつつあるのですね。

そう言えば今年の初詣の人波の中にも、着物が実に少なかったです。

着物を買っても着る機会が少ないのですから、ますますレンタルに走る傾向になりましょう。なんとか、

レンタル出来る⇒着る機会が増やせる

という方向には出来ないものなんでしょうか。

レンタルが実売の代替にしかなっていない現状は悲しいです。

だいたい、

振袖=成人式と卒業式だけ

浴衣=花火大会だけ

というのはザンネン過ぎます。

こういう日以外にも、それぞれの人には、それぞれの記念日があるわけで、例えば、

お嬢さんが自分の誕生会で着物を着れば、お父さんも大喜びと思います。

そう、今の状況を改善するには、成人式で着物をレンタルしたお嬢さんと、そこで御縁が切れぬよう、なるべく個人情報を出していただく=言い方を変えれば御縁を作るしかないわけです。

誕生日を記念日として登録していただいて、その日はレンタル料が10%引きになるとか・・・あっ、それじゃ、どこかすき焼き屋の「記念日割引」と同じですな。

ともあれ「レンタルするな」とは私は申しません。合理的ではありますからね。繰り返しレンタルする内に買う気が起こるかもしれませんし。

でも、実売が苦しいからレンタルに、っていうのだけは是非止めていただきたいと思います。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.416日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)