淡島堂
新年あけましておめでとうございます。
さて、正月ですので、浅草寺にお参りする方もおいでと思いますが、その境内の、本堂のすぐ西側に「淡島堂」という御堂が在るのをご存知でしょうか。
「淡島堂」は毎年2月8日に「針供養」が開催され、裁縫を職業になさっている皆さんが集う場所として知られています。
また太平洋戦争の空襲で本堂が焼けてしまった後、再建される迄しばらくの間「仮本堂」として使われていたことでも知られています。
でも、そもそも「淡島様」って、何?
ということにあまり注意が払われていないように思います。少なくとも私はそうでした。
「淡島様」は、和歌山市の淡島神社のことで、その神様を元禄年間に勧請して御堂を建立したのが、そもそもだそうです。
その祭神が何かは諸説あるらしいのですが、神功皇后も入っていて、女性ですから安産や女性の病気平癒の御利益があるそうです。
また少彦名神とする伝承もあるそうです。少彦名神は、日本の国に薬や酒、裁縫の術をひろめた神様とされています。
・・・・っていうことを私が受け売りしているネタ元をここで明かしちゃいますが、それは「豊島屋本店」さんの社史です。
「淡島様」について不勉強だった私は、この社史で初めて、酒の神様であられたことを知りました。
「金婚」のブランド名で知られる、神田猿楽町の「豊島屋本店」さんは、去年の秋に大変立派な社史を刊行されましたが、その御店の起源に淡島様が関係あるのだそうです。
ある夜、創業者・豊島屋十右衛門の夢枕に、淡島様が立って、白酒のつくりかたを伝授し、その通りに醸ってみますと美味しい白酒が出来た、というのです。
十右衛門がそれを売り出したところ、大いに江戸中の評判になり、
「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」と詠われるまでになったとか。
その御酒「金婚」を弊店でも販売しております。新年の、「淡島堂」御参詣のおりに、お召し上がり下さい。
「ちんや」は元日だけお休みをいただき、明日2日より通常営業いたします。
本年も、よろしくお願い申し上げます。