ある精肉店のはなし

牛の屠畜ということに正面から向き合った映画が公開されています。

メデイア向け試写会にご招待いただきましたが、その日は行けずにおりましたら、「東都のれん会」の、肉とは関係ない和菓子店「大坂家」の若女将から、素晴らしいですよ。観に行きましたか?!と連絡があり、慌てて普通の上映日にうかがいました。

この映画は『ある精肉店のはなし』という題で、大阪府貝塚市で7代にわたり精肉業を営んでいる家族を題材にしたドキュメンタリー映画です。

拝見しまして、映画のトーンは淡々としたものです。

物珍しさを強調するわけでなく、屠殺の場面も残酷な感じがしません。

屠畜に従事する人への差別の問題をことさらに主張するでもないです。カメラは家族の日常を、ごく自然に追っていきます。

撮影の許可を得るのは難しかったはずですが、その交渉をした監督さんは纐纈(はなぶさ)あやさんという若い女性です。

丁寧に説得して許可を得て、また撮影期間中は店の近くにアパートを借りて住んだと言います。

「地区の銭湯に行ったり行事にも参加したりして、できるだけ地域の中で過ごすようにしました。」

撮影の最後には撮影対象の家族から、『一緒に映画をつくっている気持ちになった』と言ってもらえたことがうれしかった」とか。

大したものですね。

11月29日から「ポレポレ東中野」で公開中。

追伸

新年2日より「ちんや」は通常営業いたしております。どうぞ、ご利用下さいませ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.404日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)